2018年01月14日
覇穹封神演義 1話感想 カットするだけで縫合がされていない展開
2018冬、もう一つ個人的に注目していたアニメを忘れていました。「覇穹 封神演義」。
原作は約20年前にジャンプで連載していた藤崎竜版「封神演義」で、個人的には当時かなりハマっていた作品です。
聞仲がすごく好きでした。彼の超人的フィジカルと人間的メンタルのギャップが非常に魅力的で、自身の創作論的なものにかなりの影響を受けたと自覚しています。
覇穹〜はその聞仲をフィーチャーした作品になるらしい…が手放しでは喜べない。
中盤にあたる彼の活躍シーンをクローズアップするというのはシリーズ構成がかなり難しいのでは?
そもそも尺的に原作通りには収まらないし、大幅な改変が予想されるので、原作の強いファンとしてはあまり期待しづらいものがありました。
好きな漫画のアニメ化自体満足率が低いので、注目すれども期待せずという感じ。
1話配信(Abemaビデオ)
まずは良かった点。
・冒頭から太公望VS聞仲のクライマックスシーン。こういう時系列操作は見せたいものを強調する意味で悪くないと思う。
・作画はすごい。特に背景は美しい。アクションは人物自体はそんなに動いてないけど武器やエフェクトの
揺れでカッコよく見せる工夫が感じられる。
・声優さんのイメージ・演技もよかった。特に聞仲・飛虎は俺の脳内を覗いたのかと思うほどにイメージ通り。
・OPは好き嫌いがあると思うが戦闘シーンの多い作品なのでアップテンポな曲は合うと思う。個人的には好き。
で、ここからが問題。
アニメでは原作にある陳桐戦、王貴人戦がカットされている。
主人公・太公望は当時のジャンプ主人公には極めて珍しく、フィジカルは弱いけど知略で敵を翻弄するキャラ。
原作の陳桐・王貴人戦はそれを表現するシーンであったため、カットによって彼の魅力と実績が著しく減退することに。
さらに王貴人戦はその後の妲己との知略戦に繋がるフックになっていたため、アニメではその後太公望がほぼ無策で敵の内に入る展開になってしまっている。
カットや改変されることは仕方ないにせよ、知略に長けた軍師が正反対の無謀なバカになってしまうのはさすがにいかがなものか。
無謀なバカが当然のように捕縛されるギャグのような展開から、急にシリアスな惨劇が始まるので原作既読の人は呆れ、初見の人は困惑したのではないだろうか。
苦肉の策ではあるがナレーションで入れるなり大幅改変なりをすべきだったのでは…。
大幅改変はされているところもあった。原作では封神計画の意図が隠されており、途中で太公望が問い詰めて発覚するのだが
アニメでは最初からその説明が入り、太公望は
「妲己を倒せばいいわけではなく、アフターケアが必要」という意図を知った状態で計画をスタートしている。
…にも関わらずアニメの太公望は
「妲己さえ倒せば手下は瓦解する」と言い放っている。話聞いてた??
つまり、改変したはいいがセリフが改変前のままなのである。
ついでにスープーがその直後「ずる賢いご主人のことっスから〜」と言うのだが、ずる賢いシーンあったっけ…?(原作では陳桐・王貴人戦でずる賢さを存分に発揮している)
細かい部分だが王貴人を倒してないのになぜか武成王に見込まれるとか、あらゆるところで説得力に欠ける展開になってしまっている。
何度も言うがカット改変は仕方ないのだが、結果として発生する単純な矛盾すらケアしていないのは完全なミスと言える。
以上、要素ごとに分けると満足点4つ不満点2つになるんだけど、不満点がかなり致命的なので先行き不安。
もともとそんなに期待して無かったし、そもそも尺に無理があるのはわかるのだけど…
まあ、abemaTVでやってくれるので全国でタイムラグがなく、SNSでわいわい見る分にはツッコミどころが多くて楽しいかも。
仙界大戦、聞仲まわりが良ければ手のひら大回転する準備はあるので、じっくり見ていきたいと思います。
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原作は約20年前にジャンプで連載していた藤崎竜版「封神演義」で、個人的には当時かなりハマっていた作品です。
聞仲がすごく好きでした。彼の超人的フィジカルと人間的メンタルのギャップが非常に魅力的で、自身の創作論的なものにかなりの影響を受けたと自覚しています。
覇穹〜はその聞仲をフィーチャーした作品になるらしい…が手放しでは喜べない。
中盤にあたる彼の活躍シーンをクローズアップするというのはシリーズ構成がかなり難しいのでは?
そもそも尺的に原作通りには収まらないし、大幅な改変が予想されるので、原作の強いファンとしてはあまり期待しづらいものがありました。
好きな漫画のアニメ化自体満足率が低いので、注目すれども期待せずという感じ。
第1話 封神の書
1話配信(Abemaビデオ)
まずは良かった点。
・冒頭から太公望VS聞仲のクライマックスシーン。こういう時系列操作は見せたいものを強調する意味で悪くないと思う。
・作画はすごい。特に背景は美しい。アクションは人物自体はそんなに動いてないけど武器やエフェクトの
揺れでカッコよく見せる工夫が感じられる。
・声優さんのイメージ・演技もよかった。特に聞仲・飛虎は俺の脳内を覗いたのかと思うほどにイメージ通り。
・OPは好き嫌いがあると思うが戦闘シーンの多い作品なのでアップテンポな曲は合うと思う。個人的には好き。
で、ここからが問題。
・カットするのはいいが、する部分のチョイスがよくない。
アニメでは原作にある陳桐戦、王貴人戦がカットされている。
主人公・太公望は当時のジャンプ主人公には極めて珍しく、フィジカルは弱いけど知略で敵を翻弄するキャラ。
原作の陳桐・王貴人戦はそれを表現するシーンであったため、カットによって彼の魅力と実績が著しく減退することに。
さらに王貴人戦はその後の妲己との知略戦に繋がるフックになっていたため、アニメではその後太公望がほぼ無策で敵の内に入る展開になってしまっている。
カットや改変されることは仕方ないにせよ、知略に長けた軍師が正反対の無謀なバカになってしまうのはさすがにいかがなものか。
無謀なバカが当然のように捕縛されるギャグのような展開から、急にシリアスな惨劇が始まるので原作既読の人は呆れ、初見の人は困惑したのではないだろうか。
苦肉の策ではあるがナレーションで入れるなり大幅改変なりをすべきだったのでは…。
・改変するのはいいが、カットした部分を縫合していない。
大幅改変はされているところもあった。原作では封神計画の意図が隠されており、途中で太公望が問い詰めて発覚するのだが
アニメでは最初からその説明が入り、太公望は
「妲己を倒せばいいわけではなく、アフターケアが必要」という意図を知った状態で計画をスタートしている。
…にも関わらずアニメの太公望は
「妲己さえ倒せば手下は瓦解する」と言い放っている。話聞いてた??
つまり、改変したはいいがセリフが改変前のままなのである。
ついでにスープーがその直後「ずる賢いご主人のことっスから〜」と言うのだが、ずる賢いシーンあったっけ…?(原作では陳桐・王貴人戦でずる賢さを存分に発揮している)
細かい部分だが王貴人を倒してないのになぜか武成王に見込まれるとか、あらゆるところで説得力に欠ける展開になってしまっている。
何度も言うがカット改変は仕方ないのだが、結果として発生する単純な矛盾すらケアしていないのは完全なミスと言える。
以上、要素ごとに分けると満足点4つ不満点2つになるんだけど、不満点がかなり致命的なので先行き不安。
もともとそんなに期待して無かったし、そもそも尺に無理があるのはわかるのだけど…
まあ、abemaTVでやってくれるので全国でタイムラグがなく、SNSでわいわい見る分にはツッコミどころが多くて楽しいかも。
仙界大戦、聞仲まわりが良ければ手のひら大回転する準備はあるので、じっくり見ていきたいと思います。
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