野命賛歌

よく池に行きます。
最近は、コウノトリのさきちゃんが好きだった某池に、よく行っています。
さきちゃん効果なのか、以前は荒れた藪だった水辺が芝生で整備され、ベンチなんかも設けられました。



出先の帰りなど、20分くらいですが、このベンチに座り、缶コーヒー片手に水鳥を眺めています。
殆ど人も来ず、鳥の囀りがよく聴こえ、大気の音まで聴こえてきそうなくらい、静かでいい場所です。
さきちゃんはもういませんが、カルガモ・バン・カイツブリ・キンクロハジロなど、色々な水鳥が広い池で生きています。

池の周りは遊歩道になっていて、脇には山というか丘があります。
先日、丘の雑木林の方から、ウグイスの鳴き声が聴こえてきました。
時間もあったので、遊歩道を歩いてみることにしました。




遊歩道を歩いていくと、すぐ目の前に小柄な野鳥が。
おお、モズがいる、と思ったわけです。
人懐っこいというか、あまり人を恐れていない感じで、4mくらいの所で観ていても逃げません。
ちょこちょこと動き回り、地面を啄んでいました。
えらく人に慣れたモズだなぁ、と思って見ていたわけです。

モズは日常的に観られるので、まあ一応撮ってはおこうかなくらいの気持ちでビデオカメラを回していました。で、帰ってきてから動画を確認すると・・・

モズじゃないなと。あれ、嘴にカギがないぞと一番に思ったわけですが、よく見れば、いやいや、よく見るまでもなく、全然モズとは違う。なんでモズだと思ったんだろう？モズよりやや大きいし、体色も全然違う。

この鳥を撮っている間、脇の雑木林で、体感としては5mもないくらいの近距離でウグイスが鳴いていて、そちらが気になって仕方がなかったのですが、調べてみたところ、モズだと思っていたこのコがウグイスだったようです。

違ったらすみません。ウグイスは“声はすれども姿は見えず”がデフォで、殆ど見たことがないのではっきりとは分かりません。ですが、グーグル検索すると同じ鳥が出てくるので、たぶんウグイスだと思います。メジロ程ではないにしても、花札とかの印象から、もっと緑なのだと思っていました。

何のことはない、脇の雑木林で鳴いていたウグイス、このコを呼んでいたのかも。

さて、このウグイスちゃん(推定)、まるで先導するように遊歩道を進んでいきます。
こっちこっち！と誘うように。
実際には、ウグイスのATフィールド内(3〜4m)に当方が立ち入ると、その分、遠ざかっていたようですが、いえいえ、きっと遊歩道を案内してくれたのでしょう。



途中の梅の樹にわざわざ留まってくれたりもしました。奥だったのでピンボケしちゃいましたが。





歩道の手すりに留まり、小首を傾げたり、物憂げな表情を浮かべたり、かと思うと目線を向けてポーズとってみたり、なんとも茶目っ気のあるウグイスさんでした。



で、その後も誘われるままついていったら、ネコさんに逢いました。
それがどうしたと言われれば、いえ別にって話ですが、薄いブラウンの体色で琥珀のような綺麗なネコさんでした。

その後ウグイスさん、出発時とは対岸にある雑木林へと飛び立っていきました。
そちらでもエナガやコゲラに逢えました。
広い池で、近くに人家はあまりなく、雑木林も多いので、野鳥達には棲み良い環境のようです。
ありがとうウグイスさん。今度は鳴き姿を撮りに行こう。