2014年01月18日
動物小説というジャンル
私は名もなきワナビ(小説家になりたい人)である。
そういうワナビは 『小説の書き方』 とか 『小説作法なんとか』 とか、そんな感じの、小説の書き方を教えてくれるウェブページなどにアクセスし、小説の書き方を勉強したりするわけである。
そして私が以前読んだページにこんなことが書いてあった。
『あまり幼い幼児は主人公にするには適しません(意訳)』 と言うことだそうである。
確かに幼児は、自ら移動できる行動範囲が狭く、語彙も少ない。
ゆえに、幼児を主人公において小説を書くべきでない、という主張は、確かにある程度の正当性があると思う。
けれども、常に、行動範囲が広く、語彙の多い存在を、主人公として置かねばならないのかと言われればそんなことはないのである。
なんとなれば世の中には動物を主人公に置いた 『動物小説』 というジャンルがあるのである。
動物が主人公だから、もちろん語彙はゼロである。幼児以下である。
行動範囲も、動物であるから、自分の脚で動ける範囲こそ幼児を上回るかもしれないが、犬猫などのペットは別にして、野生動物などは、自動車や電車などの交通機関を利用できないから、行動範囲はある面で幼児よりも狭い。
それでも、その 『動物小説』 にも名作といわれるものは数多くあるのである。
というわけで、今日紹介するのは、 『牙王物語』 戸川幸夫 著
という 『動物小説』 である。
この戸川幸夫という人は 『動物小説』 というジャンルで小説を数多く書いている人なのである。
この 『牙王物語』 は内容としては、
人に飼われていた狼が脱走して、現地(北海道は大雪山)の野犬と交わり、一匹の狼犬が生まれる。
色々あってその狼犬は牧場の娘の早苗に飼われることになる。
そしてまた色々あって、その狼犬が逃げ出して野犬の群のボスになったり、流浪の果てに飼い主の早苗と感動の再会をしたりするわけだが、ある嵐の夜に、飼い主の早苗が野生の熊に……
とこれ以上言うとネタバレになってしまうので、このあたりでやめにするが、もう一大感動巨編と言ってもいいくらいの”泣ける”本でもある。
動物小説のなかでは、十指に入る傑作であると思う。
是非ともご一読をオススメしたい。
アマゾンでは、文庫版のほうに、商品イメージや解説がなかったので、商品リンクは、単行本と文庫と両方貼ってある。
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動物小説を書き手としては、他にも、日本では椋鳩十、外国では『狼王ロボ』などのシートン動物記シリーズで知られる、アメリカの博物学者アーネスト・トンプソン・シートンなどが有名だろう。
動物小説というのはひとつの大きな鉱脈なので、是非とも掘ってみられることをオススメする。
非常に美しい世界がそこには広がっていることだろう。
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