2013年11月25日
『NAISEI』系小説を書くには必読の書
中世ヨーロッパの、とある農村で、麦が豊作になったとしよう。
その収穫した麦を、今だったらトラックとかでしかるべきところに運ぶのだが、中世ヨーロッパにはトラックなんてものはないから、荷馬車とかで運ぶのである。
けれども、その荷馬車というものには当然、馬という生き物が必要であって、そうすると収穫物を運ぶためには、その馬を平素から飼っておく必要がある。
馬というものには飼葉なり穀物なりを食わしてやらなければならないのであって、それは、限られている農耕地を馬の餌のために割かなければならないことを意味する。
つまり、もっと根源的な言い方をすれば、運動エネルギーの調達先が農耕に依存していたということなのである。例外としては、帆走船、水車、風車などといったところだろうか。
しかし帆走船は、陸の上では使えない。
水車、風車は、据え置き式なので移動・運搬のためのエネルギーは取り出せない。
といった欠点がある。
さらに、昔は炊事のための燃料も、暖房のための燃料もすべて薪が頼りだったわけである。
薪というのは木で、森や林から調達されるものだから、これも農耕地と競合する。
つまり、現代と中世ヨーロッパでは何が違うのかと問われれば、
『化石燃料など、植物以外のものから、エネルギーが好き放題に取り出せるようになったこと』
これも答えのひとつである。
で、今日紹介するのは、
『生活の世界歴史〈10〉産業革命と民衆 (河出文庫)』 である。
この本には、人間の生活が物質的な面で改善されるとはどういうことなのか。工業化された社会と、工業化されていない社会では何が違うのか。といったことについて書いてある。
異世界トリップ小説(NAISEI)系を書こうともくろんでいるワナビの皆様にはぜひともオススメしたい一冊である。
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