南禅寺(なんぜんじ)は、京都市左京区南禅寺福地町にある臨済宗南禅寺派の大本山の寺院。山号は瑞龍山。本尊は釈迦如来。開山は無関普門(大明国師)。開基は亀山法皇。正式には太平興国南禅禅寺(たいへいこうこくなんぜんぜんじ)と号する。日本最初の勅願禅寺であり、京都五山および鎌倉五山の上に置かれる別格扱いの寺院で、日本の全ての禅寺の中で最も高い格式を持つ。
南禅寺, 京都府京都市左京区
歴史
草創期
南禅寺の建立以前であるが、この地には、亀山天皇が文永元年(1264年)に造営した離宮の禅林寺殿(ぜんりんじどの)があった。「禅林寺殿」の名は、南禅寺の北に隣接する浄土宗西山禅林寺派総本山の禅林寺(永観堂)に由来している。この離宮は「上の御所」(上の宮)と「下の御所」(下の宮)に分かれていたが、弘安10年(1287年)に「上の御所」に亀山上皇が持仏堂を建立し「南禅院」と名付けた、これが南禅寺のそもそもの始まりである。後に持仏堂の南禅院は南禅寺の塔頭・南禅院となっている。
近世以後
南禅寺の復興が進んだのは、江戸時代になった慶長10年(1605年)に以心崇伝が入寺してからである。翌慶長11年(1606年)には豊臣秀頼によって法堂が再建されている。
以心崇伝は徳川家康の側近として外交や寺社政策に携わり、「黒衣の宰相」と呼ばれた政治家でもあった。塔頭の金地院に住した崇伝は、江戸幕府から「僧録」という地位を与えられている。これは日本全国の臨済宗の寺院を統括する役職である。以後、金地院の住持は金地僧録と呼ばれ、絶大な権勢を誇った。慶長16年(1611年)には、豊臣秀吉が天正年間(1573年 - 1593年)に建てた女院御所の対面御殿が下賜され大方丈とされた。
法堂
境内
法堂 - 慶長11年(1606年)に豊臣秀頼によって再建されたが、1895年(明治28年)にこたつの火の不始末で焼失した。現在の建物は、1909年(明治42年)に再建されたもの[6]。本尊の釈迦如来坐像を祀り、天井には今尾景年による幡龍が描かれている。
方丈(国宝)- 大方丈と小方丈からなる。大方丈は慶長の御所建て替えに際し、天正年間(1573年 - 1593年)に豊臣秀吉によって建てられた旧御所の建物を慶長16年(1611年)に下賜されたもの。「旧御所清涼殿を移築した」とする資料が多いが、清涼殿ではなく女院御所の対面御殿を移築したものである。接続して建つ小方丈は寛永年間(1624年 - 1645年)に建てられた伏見城の小書院とされる。
大方丈の間取りは六間取で、南側が西から順に花鳥の間(西の間)、御昼の間、麝香の間、北側が西から順に鶴の間、仏間(内陣)、鳴滝の間である。建物の東端は幅一間半の細長い部屋で、柳の間と呼ばれる。仏間を除く各室に桃山時代、狩野派の障壁画があり、計124面(附指定4面を含む)が重要文化財に指定されている。これらは旧御所の障壁画を引き継いだものであるが、建物の移築に際して襖の配置構成が大幅に変更されており、本来ひと続きの画面であった襖が別々の部屋に配置されているものも多い。欄間の彫刻は左甚五郎の作だとされている。小方丈の障壁画は狩野探幽の作と伝えられるが、作風上からは数名の絵師による作と推測されている。
方丈(国宝)
外から見た三門
国の史跡
境内
主な行事
本光忌 2月2日 中興開山以心崇伝(本光国師)の毎歳諱法要。正当は1月20日
南院忌 4月2日 創建開山・第二祖規菴祖円(南院国師)の毎歳諱法要。
亀山法皇御忌 9月12日 亀山法皇の毎歳諱法要。正当は9月15日
開山忌 11月12日 開山無関普門(大明国師)の毎歳諱法要。正当は12月12日
湯豆腐
湯豆腐は南禅寺周辺参道の精進料理が起源とされている。
山形県酒田市、鶴岡市では「南禅寺豆腐」というほぼ半球の形をした豆腐が名産。江戸時代に北前船に乗って京都から西廻り航路で伝わったといわれている。5月から8月中旬までの間の期間限定販売。
交通
蹴上駅(京都市営地下鉄東西線)下車。1号出口から徒歩5分。
京都市営バス5系統「南禅寺・永観堂道」バス停下車徒歩8分。急行100系統「宮ノ前町」下車徒歩10分。
京都市営バス「京都岡崎・都心循環バス(京都岡崎ループ)」(2015年9月19日から運転)「南禅寺・疎水記念館・動物園東門前バス停」下車徒歩6分。
所在地 京都府京都市左京区南禅寺福地町86
位置 北緯35度0分43.14秒 東経135度47分39.8秒
山号 瑞龍山
宗派 臨済宗南禅寺派
寺格 大本山
京都五山および鎌倉五山の別格上位
本尊 釈迦如来
創建年 正応4年(1291年)
開山 無関普門(大明国師)
開基 亀山法皇
正式名 瑞龍山 太平興国南禅禅寺
文化財 方丈、亀山天皇宸翰禅林寺御祈願文案(国宝)
三門、勅使門、絹本著色大明国師像ほか(重要文化財)
境内(国の史跡)
方丈庭園(国の名勝)
公式サイト 臨済宗大本山 南禅寺 公式サイト
2023年09月01日
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