村上家住宅(むらかみけじゅうたく)は、富山県南砺市上梨集落にある合掌造り家屋。国の重要文化財に指定されている。
概要
村上家住宅の位置する上梨集落は、県内最古の木造住宅である上梨白山宮を有するなど、五箇山内でも特に歴史ある中心的集落の一つであった。
村上家住宅の建築年代について、基本的には江戸時代中期ころの建築と考えられているが、地元には、戦国時代の1570年(元亀元年)に勃発した石山合戦の頃に建築されたとの伝承がある。石山合戦が行われた頃、ウシやノボリの材木を一人で持ち上げる怪力の男が村上家の建築を手伝っていたが、石山本願寺陥落の悲報が伝えられたことで落胆し、材木を持ち上げられなくなってしまったというものである。この伝承がそのまま史実とは考えにくいが、戦国時代の武家造りから書院造りに移行する過渡期の様式を示すなど、古風・古式の遺構が残る事は村上家住宅の大きな特徴である。
特徴
村上家住宅の主な特徴は以下の通り。
書院造りの遺構といわれる家長寝室の「帳台構え」がある。
加賀藩によって百姓家に禁止された「長押(なげし)」を取りはずした跡がある。
中の出居に面して、初期書院造り床棚の「一文字棚」を設けてある。
大家族の次男以下および使用人の寝室に「中二階」を充てている。
加賀藩へ納めた火薬原料の「塩硝製造まや」が残っている。
生活用具・生産道具・運搬具など、多くの民具を保存し展示する。
アクセス
最寄のインター:東海北陸自動車道五箇山インターチェンジ
最寄の空港:富山空港
最寄の駅:新高岡駅・城端駅
最寄のバス停:上梨(世界遺産バス 新高岡駅・城端駅経由)
公開時間・料金
9:00-16:00
入場料:高校生以上300円(団体の場合350円)、小・中学生200円(団体の場合150円)、幼児・障害者
所在地 富山県南砺市上梨742
位置 北緯36度24分38.04秒 東経136度55分51.62秒
類型 役宅
形式・構造 合掌造り、切妻造、茅葺
延床面積 桁行22.2m×梁間11.4m
建築年 江戸時代後期
文化財 重要文化財(1958年5月14日指定)