大山寺(たいさんじ/おおやまでら)は徳島県板野郡上板町に所在する真言宗醍醐派の寺院。仏王山(ぶつおうざん)、玉林院(ぎょくりんいん)と号す。本尊は千手観世音菩薩。四国別格二十霊場第一番札所、四国三十六不動尊霊場第一番札所、阿波西国三十三観音霊場(東部)第二十五番札所。
本尊真言:おん ばさら たらま きりく
御詠歌:さしもぐさ たのむちかひは 大山の 松にも法の 花やさくらむ
概要
寺院は大山(標高691.3 m)の中腹の標高450 mあたりにあり、山頂からの眺望は「徳島百景」の一つとなっている。往時は、阿波の麓からの参拝者ばかりでなく、讃岐側からは山を越えればすぐに当寺にこれたため半数は讃岐からの参拝者であったという。
境内
山門(仁王門):室町時代作と伝わる住職さんお気に入りの仁王像。小字名が「仁王門」である。
鐘楼門:仁王門よりここまで約260段。
本堂:本尊は開帳され無い秘仏であったが、開創1,200年のとき一度だけ開帳された。脇仏は「大山無動」と称する土御門上皇が阿波遷幸のおり寄進した不動明王坐像と毘沙門天立像。
大師堂:向かって左に役行者、右に理源大師、三宝荒神、愛染明王、聖天。
回廊:両堂を繋ぐ回廊で背面と通路を間仕切りし壇を設け木造彫刻の西国三十三所写し仏が並べられている。
駿馬「薄雪」の墓と銅馬:墓は旧参道15丁目の元結掛堂の傍らに葬られ建立された五輪塔を当地に移されたもの。銅馬は1852年蜂須賀藩が京から迎えた鋳造師の子によって造られ、それまでは木製で上に銅製の馬頭観音が乗っていたが、銅馬が造られるとき仏像は胎内に入れられたと伝わっている。馬小屋は2021年春に改築された。
熊野大権現社(祠)
西国三十三所の写し石仏:天保2年のもので、以前は当寺への参道脇に点在していたものを境内に集められ大師堂の前に置かれている。
歌碑句碑:健二「売られゆく牛は気配に聡くして 手綱持つ手を舐めて動かず」、「雪嶺をなるべき明日へ鐘を撞く」、千恵子「ほととぎす音のこゑのみな月の陶質もろき空のいろかな」、「千体の仏の声か・・あらし」、紫山「でヾ虫ののらりくらりのあと乾く」が本堂エリアの境内にある。
短歌の小径:本堂に向かって左の境内左端から奥の院へ上る道に十数基ある。平成26年4月徳島短歌創刊777号記念事業。
本坊
所在地 徳島県板野郡上板町神宅大山14-2
位置 北緯34度9分34.3秒 東経134度23分59.6秒
山号 仏王山
院号 玉林院
宗派 真言宗醍醐派
本尊 千手観世音菩薩
創建年 (伝)500年前後
開基 (伝)西範僧都
正式名 仏王山 大山寺
札所等
四国別格二十霊場1番
四国三十六不動尊霊場1番
阿波西国三十三観音霊場25番
文化財
銅経筒(国の重要文化財)
本堂、大師堂、回廊、鐘楼門(登録有形文化財)