美保神社(みほじんじゃ)は、島根県松江市にある神社である。式内社で、旧社格は国幣中社。
えびす神としての商売繁盛の神徳のほか、漁業・海運の神、田の虫除けの神として信仰を集める。また、「鳴り物」の神様として楽器の奉納も多い。
祭神
右殿に大国主神の子の事代主神、左殿に大国主神の后の三穂津姫命を祀る。三穂津姫命は大国主神の幸魂奇魂(さきみたま・くしみたま)である「大物主神」の后神。事代主命は神屋楯比売神(かむやたてひめ)と大国主神との間の子供なので義理の母親にあたる。
『出雲国風土記』には、大穴持命(大国主神)と奴奈宣波比売命(奴奈川姫命)の間に生まれた「御穂須須美命」が美保郷に坐すとの記述がある。元々の当社の祭神は御穂須須美命のみであったのが、記紀神話の影響により事代主神と三穂津姫命とされたものと見られる。
歴史
創建の由緒は不詳であるが、8世紀に編纂された『出雲国風土記』の神社台帳に記載される古社である。延喜式神名帳では小社に列する。
中世より横山氏が神職を世襲した。近世頃から「大社(出雲大社)だけでは片詣り」と言われるようになり、出雲大社とともに参拝者が増えるようになった。出雲大社とあわせて「出雲のえびすだいこく」と総称される。
1885年(明治18年)に国幣中社に列せられ、第二次世界大戦後は神社本庁の別表神社となった。
交通
松江駅2番のりばから一畑バス美保関ターミナル行きに乗車(所要時間約40分)。美保関ターミナル終点より美保関コミュニティバス美保関行きに乗り換えて美保関終点下車(所要時間約30分)。美保神社入口バス停から徒歩約1分。
初詣シーズンやゴールデンウィーク、夏から初冬の土曜日・日曜日・祝日と12月3日には、日ノ丸バスにより米子空港・境港駅との直行バス「えびすライナー」が運行される。
公民館の横に駐車場(無料:十数台分のスペース)と公衆便所があり、神社までは徒歩1分。
所在地 島根県松江市美保関町美保関608
位置 北緯35度33分44.32秒 東経133度18分21.77秒
主祭神 事代主神
三穂津姫命
社格等 式内社(小)
旧国幣中社
別表神社
創建 不詳
本殿の様式 美保造
札所等 出雲國神仏霊場8番
例祭 4月7日(青柴垣神事)
主な神事 神迎神事
虫探神事
諸手船神事