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2014年12月07日

医師の診断・治療 ITで支援



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“人の命を救う”医療の現場では、医師にさまざまな判断と決断が求められます。「肺のCT(コンピューター断層撮影装置)画像にある陰影はガンなのか」、「救急搬送されてきた脳卒中の患者に開頭手術を行うべきなのか」など、ひとつ判断を間違えば、患者の命に関わることも少なくありません。そうした医師の判断を、今、IT=情報通信技術で支援しようという動きが始まっています。ITは医療をどう変えていくのか取材しました。(ネット報道部・宮本宗侍)
がんを見逃すな!

CT画像の「ビッグデータ」を活用
病院で、頭や肺を詳しく検査するときに使われる、CTやMRI(磁気共鳴画像装置)。医師は、検査で出てきた「医用画像のデータ」を基に、患者を診断したり、治療の経過を確認したりしています。
そして、患者の治療が終れば、こうしたデータは、病院のデータベースに保存されます。
データは、毎年、膨大な数に上りますが、これまでは、治療後に活用されることはほどんどありませんでした。
これを「医療ビックデータ」として活用できないかと、▽静岡県立静岡がんセンターと▽カメラなどの画像処理技術を持つ富士フイルムが共同で開発したのが、「類似症例検索システム」と呼ばれる新システムです。

類似症例を自動で検索
このシステムは、CT画像を診断する医師に、過去の類似データを提示して参考にしてもらい、より正確な判断をしてもらおうというものです。 経験の浅い医師はもちろん、専門外の医師が緊急に患者を診るときなどにも参考になるということです。

検索システムの仕組みです。

肺がんの場合、
画1:検査画像)患者の肺の画像にある「病変」部分を赤い枠でマーキングすると、その病変部分の特徴を自動的に捉え、
画2:検索結果)保存された過去の画像のデータベースから、特徴が類似した複数の症例を瞬時に検索し、似ている順に表示します。
画3:類似画像)そして、検索結果の中から画像を選び、検査画像と比較しながら診断を行います。

類似画像には、当時の診断内容も表示されます。データベースには、県立静岡がんセンターで確定診断が付いた約1000例の肺がんの症例が使われています。

専門医と同じ視点で検索
このシステムでは、どのようにして類似画像を、瞬時に検索するのでしょうか。
富士フイルムは、開発に当たって、医師が病変のどの特徴を見て、がんかどうかを見分けているのかに着目したということです。
それは、形や大きさ、それに病変の内部(空洞になっているか)や縁の状態(がたがたしているか、毛羽立っているか)などで、およそ10の特徴に絞り込み、分類化したのです。
そして、デジタルカメラで培われてきた「顔認識」の機能を使って、自動検索できるようにしたのです。
撮影画面の中から人間の顔だけを瞬時に識別して焦点を合わせる機能です。
このシステムを使った実験では、医師の画像診断の正答率は専門医で80%から93%に、研修医で72%から85%にそれぞれ向上したということです。医師の評判は、「診断に迷った時に、類似症例を見れば、疾患の候補が具体的になり診断の参考になる」などと上々だということです。

診断支援で地域医療の質を向上
こうしたシステムについて、県立静岡がんセンターでは、特に、専門医が少ない地方の病院で大きな効果を発揮すると見ています。
センターの画像診断科の遠藤正浩部長は、「肺がんの場合は、さまざまな形状があり、がんを疑うことが難しかったり、良性の病気と見分けることが難しかったりするケースが多々あります。特に一般病院では、がんの症例数も少なく、経験を積むには時間をかかります。そういった状況のなか、良性なのか、悪性のがんなのかを見分けるために、多彩な症例がデータベースとして蓄えられているこのシステムは利用価値があると思います」と話しています。
今後は、診断の精度を上げるためデータベースの症例数を増やしていくことや、対象となる疾患を今の肺や肝臓のがん以外にも拡大していくことにしています。

情報共有で命を救え!
アプリで患者情報共有
一方、医師や看護師らがリアルタイムで、患者の診断・治療に関する情報を共有するためのシステムも開発されています。
この医療用アプリ「JOIN」は、スマートフォンやタブレットでダウンロードして使います。
土日や夜間、専門医が病院の外にいても、スマホを見ながら研修医の診断・治療を支援することができます。
開発したのは、東京慈恵会医科大学の脳神経外科チームとNTTドコモ、システム開発会社のスキルアップジャパン(東京)です。

スマホで鮮明なCT画像
このアプリの特徴は、スマホ画面を通して、CTやMRIなどの医用画像を、病院内で見るのと同じくらいの精度で見ることができることです。
専用のビューワーを搭載しているからで、上の動画の中で医師が見ているのは、クラウドにアップされた脳卒中患者のCT画像です。
小さい部分を拡大して見ることもできるほか、3D画像にも対応しています。
脳卒中の場合、脳の血管を3次元で捉えないと判断しづらい場合もあります。
このシステムでは、自分の見たい角度から血管などが確認できるように、自由に画像を回転させさせることもできるのです。
東京慈恵会医科大学の脳神経外科では、医師ら40人以上がこのアプリを使っています。
集中治療室や手術室の映像をリアルタイムで見ることができるので、その場にいなくても、患者の状態を確認したり、手術中の医師にアドバイスしたりすることもできるということです。
研修医らの指導に当たっている医師は、「これまでの電話だと、研修医や若い医師の場合、画像所見や患者の容体をうまく伝えられず、相談を受けても判断に迷うケースもありました。このシステムだと、そうした心配はなくなります」と話しています。
こうした画像データは、個人情報保護のため、患者名やIDを消してクラウドにアップし、一定の期間がすぎると自動的に消える仕組みにしているということです。

チャット機能でより最適な医療を
さらに、このアプリでは、チャットもできます。
緊急時に、どこかに集まらなくても、診断や治療方針を皆で意見交換できます。
こうした機能に助けられるのは、経験の浅い医者だけはありません。
ベテランの医師は、「難しい症例の患者の場合に、さまざまな専門医から自分では気が付かなかった見解が寄せられ、より適切な医療を迅速に行うことができる」と話しています。

低コスト化を実現
さらに、このアプリは、導入コストが安いもの魅力的です。
クラウドを使っているため、病院内に専用のサーバーを設置する必要がないのです。
例えば、20台のスマホで医師らが情報共有する場合、病院側の負担は、初期費用がおよそ100万円で、毎月の利用料が10万円弱で済むということです。
専用サーバーを置いて電子カルテなどで情報共有する、これまでの方法だと1000万円以上かかっていました。

病院連携強化もねらい
「低コストのシステムなら、導入する病院を増やし、病院間の連携や情報共有を進めていけるのではないか」、東京慈恵会医科大学脳神経外科の村山雄一教授は、こう話しています。
村山教授は、「都市と地方の病院間だけではなく、都市にある病院どうしが垣根や系列を超えて連携を強化し、専門医が不在だったり、難しい症例の急患が運ばれて来たりした時などに相談できるようになれば、医療全体の質を高めていけるのではないか。その結果として、多くの患者が救われ、医療費の削減にもつながっていくのではないか」と話しています。

このシステムへの関心は高く、開発から僅か4か月(11月末現在)で、導入済みあるいは導入予定の病院は、合わせて12都道県で40以上に上っています。
さらに、アメリカやブラジル、台湾の病院でも導入を予定しているなど、海外からも注目されています。

今回、紹介した2つの取り組みは、医療の現場で、日々、みずからの知見と経験を基に一人で戦っている医師たちと、その場にはいない専門医やベテラン医らを結びつけ支援する新しい技術です。 こうしたIT技術が多くの病院に浸透していけば、これまで救えなかった命を救うこともできるようになると期待が寄せられています。

http://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2014_1206.html




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