2014年05月20日
ASKA容疑者、今後の取り調べ、裁判、量刑は?年内に執行猶予付き懲役判決の可能性も
5月17日、覚せい剤取締法違反(所持)の疑いで人気男性デュオ・CHAGE and ASKAのASKA(本名・宮崎重明)が逮捕された。ASKAは17日未明、知人女性宅から出てきたところを任意同行され、尿から覚醒剤の陽性反応が出たことがすでに明らかになっている。警視庁は、ASKAが頻繁にこの知人女性宅を訪れて薬物を持ち込み、日常的に使用していたとみており、ASKA宅の捜索では、書斎の引き出しなどから、数種類の違法薬物やその使用器具が見つかっているという。
今回の逮捕に先立ち、昨年、一部週刊誌がASKAの違法薬物使用疑惑を報じ、ASKAはこの報道を否定したが、所属事務所に無断で週刊誌の取材に応じて暴力団との関わりを認めたため、事務所は活動自粛を発表していた。
ここで気になるのは、疑惑報道から約9カ月を経て逮捕に至っている点だが、その理由について弁護士法人アヴァンセリーガルグループ執行役員・弁護士の山岸純氏は次のように解説する。
「一般的に、覚せい剤事犯は逮捕のその瞬間に薬物を所持していたり(所持罪)、その瞬間に体内に薬物が残っている状態(使用罪)でなければ、有罪に持ち込むことは難しいと考えられています。そのため、捜査機関は何カ月もかけて内偵を続け、確実に所持している、もしくは確実に使用している瞬間で容疑者を逮捕します。したがって、たいていの場合は逮捕された時点でほとんどの証拠が固まっているので、取り調べなどで『使っていない』と否認するのは、その後の裁判において裁判官の印象を悪くするだけです」
また、今後、ASKAに対してはどのように取り調べが進められるのであろうか。
「今後、10日間(延長されればさらに10日間)かけて取り調べが行われますが、使用や所持についてはすでに客観的な証拠があがっている以上、無理に自白をとるような取り調べは行われないでしょう。捜査機関とすれば、覚せい剤事犯では撲滅がほぼ不可能な使用者を一人ひとり逮捕するよりは、大元の密輸者や売人を逮捕することに重きをおくので、今後は覚せい剤の購入先や逮捕時に通っていた知人女性の身元などを中心に取り調べることになります」(同)
気になるのは、もしASKAの有罪が確定した場合の量刑だが、山岸弁護士によれば、覚せい剤事犯の量刑相場に照らし合わせると、次のようになるという。
「覚せい剤事犯は、数ある犯罪の中で量刑相場が最も確立している分野といわれています。
この相場に従ってあえて述べるならば、今回、ASKA氏は初犯ですので、翻意して自白すれば今年7月頃には『懲役1年6月、執行猶予3年』の判決が下されると思われます。ただし、あくまで否認を貫いた場合、判決時期は先になりますし、場合によっては執行猶予期間も長くなります」(同)●薬物犯罪有罪確定後の、厳しい社会生活
ちなみに、一般的な話として、薬物犯罪で有罪が確定した場合、その後の社会生活はかなり厳しいものになるケースが多いという。
「芸能人も含め多くの人が薬物犯罪でそれまで築き上げてきた人生を失っています。最近では児童に慕われていた校長先生が覚せい剤所持で逮捕されていますし、芸能人でもトップアイドルや著名な俳優が同じような犯罪で逮捕されています。一般人であれば、その後は回復し難い人生を送ることになるのが現実です。薬物犯罪の再犯率が圧倒的に多いのは、罪を償ったあとであっても社会がレッテルを貼り、これを受け入れる態勢を整え切れていないからです」(同)
こうした一般人の場合とは異なり、ASKAのような芸能人の中には、過去に薬物事件を起こし、現在でも活動を続けている人は少なからずいるが、やはり活躍の幅は限られてしまうという。
「著名人の中には、自身の犯した薬物犯罪を“売り”にして、あたかも芸風のひとつであるかのように活動する方もいますし、他方で、自らのタレント性(才能)によって努力を続ける方もいるようです。しかし、このような著名人は各方面での活動を再開できたとしても、ほんのごく一部を除き、再びテレビに出続けることはまず不可能です。どんなにコンサートや演劇に出演し、自分のファンの前にだけ出ることができても、公共性の高いマスメディアであり、ファン以外の人間の目にもさらされることなるテレビの場合、テレビ局側がいつまでも自粛するからです」(同)
ASKAはすでに送検されており、真相は今後の捜査機関による取り調べや裁判等で明らかになっていくが、もし有罪が確定すれば、ASKAにとって覚せい剤使用の代償は大きいといえよう。
ASKAは1979年にCHAGE and ASKAとしてシングル曲『ひとり咲き』でデビューし、『SAY YES』『YAH YAH YAH』などのミリオンセラー曲も多いことから、デュオとしても、またASKAソロでもコンサートはいつも満員で、デビュー当時からの根強いファンが多いことで知られていた。
(文=編集部、協力=山岸純/弁護士法人アヴァンセリーガルグループ執行役員・弁護士)
http://www.excite.co.jp/News/column_g/20140519/Bizjournal_201405_post_4898.html
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