b.しかし、さみいなあいつまでも、そろそろあったかくなんないかなあ、
a.子供のころは乾布摩擦(かんぷまさつ)といって、乾いたタオルで皮膚が真っ赤になるまでこすりまくって寒さしのいだけど、最近見かけないなあ、
b.寒いから野菜もずっとじわじわ高値だし、春が待ち遠しいっす、
a.二月は「光の春」といって見かけよりずっと寒いもんだ、と思ったら一気に暖かくなったりする、気圧が不安定なので春一番という強風で船も難破する危険な季節。こういう時期、心にいちばんよく効く音楽はシューマンの交響曲第一番「春」、クレンペラーが素晴らしい録音を残してくれているよ、というわけで、真冬並みの寒さのなか、営業開始じゃ、
b.たしかに第一楽章の出だしは二月の天気みたいだ、晴れたと思えばいきなり吹き降りになるような気まぐれな激しさ、
a.しかし、春が近いような嬉しさも徐々に高まって、双方がごちゃ混ぜになってオーケストラ白熱して2分20秒、ここから春本番、ときに、8分12秒から8分46秒まで寒のもどりはあっても、海へ山へと行楽シーズンの始まり、
b.ところで、クレンペラー盤はバイオリンが左右に分かれて聞こえますね、コントラバスもふつうとは逆に左手から鳴ってる、
a.戦前はこれが一般的な配置だったようだ、全員右利きだったとして、第一第二バイオリンを共に左側へ並べると音がみな客席側に向かうんで響きが良くなるらしい。ただ、バイオリンを左右に分けたほうが両者のやりとりがはっきり聞き取れて面白いんだけど、
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10枚組でこの値段、圧倒的安値ですなあ。ところで、もっと早く気づくべきだったけど、この没後40周年記念シリーズは限定盤だったので、売り切れたらこんな値段じゃ買えないのかも・・・しかもこの10枚組、6枚目には今回初と思われる、序曲やウィンナワルツまで入ってる。
ところで、この10枚組にはこの場を借りて強力にオススメすべき名盤がいくつも入っている。シンフォニーだけでもこの「春」をふくめて8曲は間違いなく決定的な名演。つまり、この8曲については一生これだけで行けるほど高い音楽性をそなえている。以下その8曲を挙げるので、YOUTUBEなどでいくつか試聴してほしい。(クリックするとYOUTUBEにリンクします)
シューベルト 交響曲第5番
メンデルスゾーン 交響曲第3番「スコットランド」
シューマン 交響曲第1番「春」
シューマン 交響曲第4番
ベルリオーズ 幻想交響曲
ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」
チャイコフスキー 交響曲第4番
チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」
交響曲ではないけれど、これも絶対オススメです。
メンデルスゾーン 「真夏の夜の夢」
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シューマンの「春」だけでいいということであれば、これもありか。しかし、逆に今回の限定盤がどれほど破格の安値か思い知らされるようじゃ。