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2013年02月12日

ブル8丸暗記(4)「未来は僕らの手の中」

b.濃霧の青木が原から始まったブル8もようやくシメの第4楽章、

a.約20分かかるけど、山や谷がハッキリしていて、あらすじ追って行きやすい、おまけに最後は死ね死ね団に戦って勝利するし、気分もスッキリ

b.まず第一主題は出だしから2分18秒間、戦いの音楽で分かりやすいメロディーだから楽勝で丸暗記、残り二つの主題もそれぞれ混じり合う事なく別個に紹介されるので、理解しやすい、そして、最後の山場が16分30秒からの約3分間、完全勝利の雄叫び、

a.しかし、そこには大きな落とし穴があって、第4楽章は大幅なカットが成されておる、

b.勝手にそんなことしていいんすか、

a.分からん、これはクレンペラー七不思議のひとつといっていい、クレンペラー自身によるものか
、「いや長過ぎるんでレコード会社が圧力をかけて短くしたんじゃ」というヒトも居るほど、真相はいまだ闇のなか、

b.なるほど、それでクレンペラーのブル8は人気ないんすね、

a.だがしかし、それで評価下げられたんじゃ余りにもったいない、だからこそ選挙カーのように、しつこく「ブル8クレンペラー」と日々連呼しとるわけじゃ、「毎度お騒がせして申し訳ありません、有権者のみなさまに最後のお願いにやって参りました、お手を振っていただきまことにアリガトウございます、クレンペラー、ブル6ブル8は絶対的にクレンペラーでございます」、

b.それに全体通して相当おそいっすね、テンポが、これも不人気のひとつでは、

a.それも大きい、他の演奏から入るとこのテンポが辛抱できないはず。事実、70代のクレンペラーはもっと一般的なテンポでやってる、しかし、もともと営業所を立ち上げるほど影響を受けたのは、70代終わりから80代にかけてのクレンペラー、

b.そんなに違うすんすか、

a.もし彼が70代半ばであの世に行ったら、これほどのファンになる事もなかった、それほど激変するんだ、フィルハーモニア管弦楽団(PO)からニューフィルハーモニア管弦楽団(NPO)にかけて、しかもこの時期はちょうどタイミング良くステレオ録音が日進月歩してるので、今でもじゅうぶん鑑賞に耐える音質、

b.どんな風に激変するんすか、

a.まずテンポがそうとう遅くなるけど、このスローテンポによって細部から全体に至るまで驚くほど明確で手応えある響きを手に入れる事ができた、静かな曲であっても弱く流れる事なく、細部から全体まで正確に力強く響く、これは出来そうでできない至難のワザ、

b.じゃあ70代後半から80代半ばまで、わずかその数年間がクレンペラーの旬であると、

a.こんなヒトも珍しいと思うけど、クレンペラーは人生最後の数年間で前人未到の領域に突入した、これは大げさでなく事実としてそう思う、この時期の名演奏は奇跡なんだ、この先だれも成し得ないような境地、

b.じゃあこのブル8も、

a.カット問題がどうこうという以前に、だれも太刀打ちできない境地に達してしまってる、図式にすれば、ブル6ブル8など彼の最晩年の名演奏は、クレンペラー対その他おおぜい、それほどの無敵状態になってる、これを聞き逃す手はない、

b.それで、没後40年経つのに営業所まで立ち上げたわけか、

a.後期高齢期の録音なので、どれもこれも名演って言うことは出来ないけれど、良い物はとてつもなく良いので、若い人々にそのスゴさを知ってもらいたい、


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筆者が中高生のころはブル8だけで4千円くらい。だから今この値段で4〜9がそろうなん信じられない、CDに買い替えたときでもブル8だけで3千円したんだから・・・



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