宇宙に領土艦と呼ばれる巨大コロニー船に乗って暮らしながらも、前近代風の貴族が支配する銀河にて反乱を起こした人民軍、その前に突然謎の風雲児が現れた話。
誘導兵器や光学兵器のない戦艦、個人戦は剣や矢、宇宙空間はやたらカラフルとかなり緩い世界観。
大雑把な背景として、人類がこの銀河に到達する→王家がこの銀河を支配する→その後貴族連合が星十字に唆されて反乱を起こす→王家の軍は敗北しガウェイン提督は囚えられ王は崩御→王子は王の親友が逃がす→その後貴族連合とヴェッティ一派が対立してヴェッティが勝利し神聖皇帝として君臨する(作品冒頭)→然しミシェルが人民軍を組織してヴェッティと戦う→クレオがミシェルのが追い詰められた戦場に乱入する、という感じで20年ほど。
ミシェル兄が行方不明になった時期はヴェッティが統一中か統一後かは曖昧。
用語
王家
かつてこの銀河を支配していた王家、20数年前に滅びている模様。
貴族
領土艦の支配者、この宇宙では領土艦と呼ばれる居住ブロックが領土として使われている。
惑星
この銀河では惑星に降下することはタブーとされている。理由はよくわからない、なのでもっぱら流刑地的な扱い。
十字星教
黒十字と呼ばれる天体を御神体にしている宗教団体。黒十字に至ると永遠の銀河へと行けるとかなんとか言う教義を持ち、銀が全体へ影響力を及ぼしている。
あらすじ
貴族が領土艦と呼ばれる居住ブロックを支配する世界、貴族連合が王家を滅ぼしたが、そこに新勢力ヴェッティが登場、貴族連合を滅ぼし神聖皇帝として君臨する。しかしその支配は貴族連合時代より苛烈なものだった、ヴォルヴァン家は人民軍を組織して立ち上がるが、戦闘の素人集団を指揮して勝てるはずもなく劣勢を強いられる。そして人民軍の救世主ミシェル・ヴォルバンは新生皇帝軍の罠にかかり危機に陥る、そこに謎のガラスの戦艦が出現、そのガラスの戦艦が新生皇帝軍の旗艦をあっさり沈めた。
ミシェルはそのガラスの戦艦の艦長に合うが、ガラスの戦艦のクルーはどれも素行不良だったり胡散臭かったりするものばかりで、特にリーダー格のクレオは宇宙のことを何も知らないが、天下を取る気で居た、そしてその方法を戦い続けていれば一番強いやつが出てくる、そいつを討てば最強だというくらいのいい加減な理論で居た、さらにタブーとされていた惑星へ降下、オルレアンという囚人惑星にてミシェルの艦は売っぱらわれてしまう、更にオルレアンに現れた新生皇帝ヴェッティとクレオが戦い出す始末だった。
ミシェルはクレオこそ真の救世主だと考えて人民軍に誘おうとするが、クレオは飄々として取り合わないのだった。そして紆余曲折を経て人民軍主力と合流したミシェルだったが、クレオは相変わらずマイペースである。とは言えクレオも新生皇帝軍と戦う気はあったので、何度かクレオの活躍で勝利を重ねるが、人民軍の参謀が偽りの和平の提案を受けてしまい、更にクレオは新生皇帝ヴェッティの元に突撃するも突然倒れて敗北、更にミシェルも囚われてしまうのだった。
クレオはオルレアンの収容所に囚われてしまい、そこで脱出のための策を練ることになった。
登場メカ
半ば戦闘艇的な使われ方をする小型艦は存在するが戦闘艇クラスの単〜複座の小型艇は存在せず、またミサイルみたいな誘導兵器やビーム、レーザー等の熱、光学兵器は見当たらない。
また個人用の武器も銃火器ではなくクロスボウや剣等古いものを用いている。どういった経緯でこのような中途半端な状態になったかは不明。
アイオロス:クレオ、バダット、アイメル、ハイザック、ノヴィ、ミシェル、ジャン、シルア他
ガラスの戦艦と呼ばれる謎の戦艦、他と比べてサイズが小さく戦艦言うかコルベットとか水雷艇みたいな感じの小型高機動の艦である。でも200m程度の大きさはあるので小さくはない。通常の艦とは比較にならないほどの高機動かつ高耐久かつ高火力である。心臓抜きという王家の紋章を敵艦に焼き付けてそこに突撃して突破するという戦法が使える。
ガラスについては王家秘伝の技術らしく、20年前に王家が滅びるときに失われた事が示唆されている。基本的にこのガラスの戦艦は王家専用であり、エッカルドは王の寵愛を受けてこの艦を特例的に授与されている。
マグヌス艦:マグヌス
アイオロスと同じガラスの戦艦。最後の国王であるマグヌスの乗艦である。
標準戦艦
大量に出てくる量産型の艦艇。鈍足かつ耐久も微妙で基本的にやられメカ。武装はほぼ大砲のみ。
ガラスの艦隊
終盤に搭乗した王家秘伝のガラスを解析して戦艦に貼り付けた改修型。とは言え解析が不完全で出来が悪く、かつ装甲も隙だらけだったりと中途半端なものであった。
高機動艦
アイオロスに対抗する為に投入された小型艦。機動力ならアイオロスと同程度ありアイオロスを追うことが出来る、然し耐久力は王家秘伝の技術が使われてない為に低い。通常の戦列艦と比べるとアイオロスにとっては驚異として描かれるが数が少ないため影響力は少ない。終盤に再びガラス搭載の改修型が搭乗している。
提督艦:ガウェイン提督
かつてガウェイン提督の旗艦、通常の戦列艦と比べて巨大、クレオはその巨大さからいつものアイオロスと勝手が違いすぎて苦戦しており最終的に提督に指揮を譲っている。囚人惑星オルレアンにて眠っていた、クレオと提督と囚人が脱走した際に使用された。特に艦名は無い。
ヴェッティ艦:ヴェッティ
ヴェッティの旗艦、ガウェイン提督のものと同じく巨大、ブリッジ部分は別の小型艦になっており脱出艇として利用可能な他独自に戦闘も可能。ちゃんと艦名付けといてよわかりにくいから(愚痴)。
領土艦
宇宙に浮かぶ居住ブロックであり、貴族はこの領土艦を支配している、複数の領土艦を併合する事で巨大化することも可能、元々は巨大な移民船でありそのブロックを分割したものだった。この銀河では何故か惑星に降下する事を禁じられており人間は惑星に居住せず、流刑地として使われていた。
登場キャラ
クレオ一味
クレオ
主人公、敵の手に落ちそうになったミシェルの元に謎のガラスの戦艦とともに突如出現した人物。天下を取るために今の銀河で一番偉いやつをぶっ潰すつもり。銀河の情勢に疎く、神聖皇帝ヴェッティのことすら知らなかった。戦闘力は高く乗艦のアイオロスも通常の戦艦とは比較にならない性能であり、クルーも銀河では曰く付きの人間だがクレオだけは正体がわからなかった。その正体は当人も言っていたように王家の生き残りであり、王の腹心のエッカルドによって王家滅亡時に連れ出されて育てられた。
バダット
クレオの腹心の隻眼の海賊風の男。王家に使えていたガヴェイン提督の片腕で知られており銀河では割と有名人だった模様、ガヴェイン提督が囚われた頃に行方不明になっており、その後突然アイオロスに乗って再び銀河の表舞台に出てきた。元々王家に使えていた人間故なのか他のクレオ一味と比べるとまだ普通っぽい。
アイメル
操艦担当の少女、口が悪く態度も悪い。元々スラムで暮らしていたがそこでクレオと出会い、クレオに対して惚れていた。
ノヴィ
眼鏡の少年、暗号解読に優れており、暗号を解読しすぎてお尋ね者になっていた、持ちネタは古典的メガネメガネネタ、真面目にやっているときもあったが当人も持ちネタと思っていたようでギャグでやった時もあったがスベった。最後の方にアイメルとフラグを建てる。
ハイザック
MSではない。アイオロスの武装担当、アイオロスは全てブリッジ制御で砲撃は全部ブリッジから行い一人で全部できる。いつも「王家秘伝の〜をなめるなー」と絶叫している。基本的に謎の古代風の兜を被っており、その兜をつけると性格が変わってテンションがおかしくなる、兜がないと割と大人しめ。シルアとフラグを建てるが死亡。
人民軍
ミシェル・ヴォルバン
本名はラシーヌ。兄が行方不明になってから兄の名前を名乗って兄と同じ背中の傷を付けて兄の代わりとして人民軍を率いていた。基本的に理想が高く危なっかしい性格だが、人を喰ったような言動をするクレオの相手はしっかりできてたりとリーダーとしては割としっかりしている。毎回冒頭は銀河を脱出した後のミシェルのポエム回想。
ミシェル・ヴォルバン(真)
ミシェルの兄でヴォルバン家の当主だった、ヴェッティとの剣術大会で敗北して背中にX時の傷を付けられる。そのときにヴェッティに惚れられている。その後ヴェッティの侵攻で行方不明になったが、なぜかジルという名前で記憶を改竄されて新生皇帝軍の特殊部隊である人形部隊としてミシェル(ラシーヌ)の前に現れるがすでに人格のない人形になっていた、ヴェッティがそのことを知っているかは不明。
ジャン
ミシェルの執事。
シルア
ミシェルのメイド。生身戦闘、操艦と一通りのことはできる。
テオドリック
人民軍リーダー、和平を勧めるヘクターに反対した結果刺殺される。
ヘクター
人民軍参謀。優柔不断な性格であり、あくまで神聖皇帝に対する和平を望んでいた。そのため神聖皇帝側の罠の和平案にホイホイ引っかかった挙げ句にそのまま捨てられた。その後は死亡シーンはないがミシェルの元に戻るわけにもいかず最後にミシェルと言葉を交わした後は行方不明。
イザベル
人民軍婦人部代表、ガタイのいいおばちゃん。人民軍幹部の中では最後まで唯一残っており、人民軍壊滅後も生存しておりいつの間にかミシェルに合流しており、終盤の作戦会議にも少しだけ出番があった。人民軍幹部(モブ含む)は皆囚えられたという事だったが、どうやって脱出したかは不明。
神聖帝国
ヴェッティ・スフォルツァ
神聖皇帝、オッドアイの男。彼の目的は銀河の統一だが、実は自分が生きながらえるために銀河の統一によって得られる力が必要だという思考から。実はオッドアイはソレイユ(エネルギー源)が埋め込まれたものであり、クレオと同じもの、正体はクレオの兄弟であり王家の生き残り、ただし当人はそのことを知らない。ややホモっけがある。
ラルフ
ヴェッティに仕える美少年でヴェッティに惚れている、レイチェルの嫉妬で殺されてしまう。
ジラード
よく出てくる新生皇帝軍のゴツい提督。
コンラッド
参謀、配下に人形部隊などの特殊部隊を持つ。
ミュスカ
女医、囚人を切り刻んで人体実験にしていた危ない女。ヴェッティとクレオの体の秘密に気がついて以来生きながらえたいヴェッティに重用されるが最後はヴェッティをかばい死亡。
十字星教
この銀河でかなりの影響力を持っている宗教。しかし銀河を滅ぼす存在である黒十字を崇めており、王家を滅ぼし神聖皇帝を裏で操ろうとするなど面倒な存在。
ゴルナ
十字星教の教皇。王の暗殺やヴェッティの暗殺等裏で暗躍している。十字星教の教えはハナから信じておらず、自身が銀河の支配者に成るための方便にすぎなかった。
レイチェル
教皇の娘。ヴェッティと政略結婚させられており、そのためヴェッティを嫌っていたが、ヴェッティの変な求愛にいつの間にかぞっこんに、しかし肝心のヴェッティは所詮芝居であり、寿命が迫って焦りだすとレイチェルを遠ざけるようになる、そしてレイチェルはヤンデレ化した。
その他
BB
バルドー領主、かつてヴェッティの天下統一に協力していたかなり金持ちの貴族のおばさん、常に何を考えているかわからない、銀河でも飛び抜けた勢力と財力を持っていたが、ヴェッティは天下統一をすると早々とBBは捨てられた。
その後は財力もあってか神聖皇帝の支配下にも入っておらず人民軍との戦闘では中立の立場を取っていた。人民軍及び神聖皇帝軍に協力要請を受けるが、銀河の交易圏の独占という条件を受けて人民軍に協力、人民軍壊滅後は領土艦とともに逃走していた、その後ウルグザーネの襲撃を受けて以降再び人民軍に加わっている。
ガヴェイン提督
王家に仕えていた提督、王家滅亡後は20年囚人生活だった。クレオとともに脱出するがその後の戦闘で戦死。
エッカルド
最後の王マグヌスの親友であり片腕だった男、王からアイオロスを与えられている、マグヌスが暗殺されるとクレオを守って逃走。
マグヌスとオルビア
王家最後の王とその王妃、クレオの両親。
ギルティ
謎の預言者、外見は少女だが声は老婆。
囚人たち
囚人惑星オルレアンに囚われていた荒くれ達。クレオとともに脱出してそのまま提督艦のクルーとなりヴェッティと戦うが次々戦死していった。7人ほどが確認できたがそれぞれの名前は劇中で呼び合っては居るものの正確な名前は確認できず、エンドクレジット見てもよくわからず。
感想
酷評よりの評価の作品ですが、案外楽しめちゃったなという感じ。全体的にきつくないがグダらない程度に程よく緩く、割とミシェルとクレオの関係も良い感じで、B級作品という割り切りは必要になりますが、思ったより良かったのが…。
深夜アニメにしては緩く見れる作りで、反面全日枠ほど間延びしないので割とあっさり気楽に見れる作り。SF公証とかほぼ投げ捨ててかなりいい加減かつゆるい作りで、話もガチガチに高密度ではなく程々に緩い。
ただその上で言うと最終回付近の展開は正直なんだかなーという感じ、キャラの一斉処理、主人公消滅、駆け足展開、伏線の雑な処理、割とごちゃごちゃしててその辺りはいただけない。
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