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ロボットアニメ歴は20年くらい、ただし休止期間長が長く初心者以上上級者以下。
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2021年02月14日

エガオノダイカ

概要
タツノコプロ創立55周年記念として制作された作品。とは言え評価は低かった。

クラルスという無限エネルギー源が採掘される惑星、そこに移民した地球人の末裔はいくつかの国に分かれて暮らしていた。しかし年とともに食糧生産が悪化、生活基盤が徐々に崩壊を始めていたのだった。

用語
クラルス
無限のエネルギー源だが地面から離れるとエネルギーの供給が絶たれる。実際には環境改善用ナノマシンからエネルギーを回収しており、下手にクラルスを動かすとナノマシンが死んでいき惑星の環境は悪化する、故に惑星は凶作が続き食糧不足気味である。

あらすじ
ある惑星に移民した人類、その惑星の国家の一つソレイユ王国の王女「ユウキ・ソレイユ」は12歳になった、そして幼馴染のヨシュアと今日も遊んでいた。
しかしユウキには伝えられていなかったが国境では帝国との戦争が勃発、ヨシュアは前線に出て戦死してしまう。それを聞いたユウキは落ち込んで政務もできない状態になってしまった。
同時期、グランディーガ帝国では、いつも作り笑いを浮かべる兵士「ステラ・シャイニング」が王国への攻撃に参加していた。そしてある王国の施設への工作を行う事になり、そこで孤児たちに出会う、施設を爆破する際に孤児を救出するが、孤児たちの親を殺したのは帝国軍である、その事実を突きつけられたステラはやりきれない想いを抱くのであった。
そういった人々の想いとは関係なく戦局は進み、ついにソレイユ王国の首都が陥落、ユウキは自らを差し出し降伏を主張するが臣下によって南部に脱出させられる。そして南部に移ったユウキのもとに王都に残った政務官イザナからあるデータが送られてくるのだった…。

登場メカ
テウルギアというのが本作の機動兵器、どちらかと言うとエネルギー源のクラルスのほうが重要であり、メカの方はやや扱いがぞんざい。エネルギー源のクラルスが地表に散布されたナノマシンに頼っているので、地表から離れるとエネルギーが供給されなく成るので空を飛ぶ能力がない。そのことを察知したベルデ皇国はそれで滅びたらしい。

ソレイユ王国

ガルド:ヨシュア他
量産型の通常型のテウルギア。

スクワイア:ルネ・ヴァンキッシュ
近接戦に特化したタイプ。

クリバノフ
遠距離に特化した支援機。

新型砲
試作型の砲、新型クラルスを利用した大火力を持つが、実際には試作型で性能不足なので陽動作戦に使われた。

エクセスアルカ:ジェイムズ
旗艦。

グランディーガ帝国
クレーエ
量産型、1と2がある。

登場キャラ

ソレイユ王国

ユウキ・ソレイユ
ソレイユ王国王女、産まれた年である12年前に両親が崩御して以降ソレイユ王国の指導者。帝国との戦争状態を知らないままヨシュアの戦死の報告を受けることになる。基本的に偽誓を出したくないという精神から戦争に対して乗り切れず、その場しのぎ的な策が多くなりがち。一度は降伏して実を帝国に差し出そうとするも臣下によって脱出させられる。終盤にイザナからのクラルスの情報を聞いて旧ベルデ皇国領に侵入、クラルスを止める装置を起動する。

ヨシュア・イングラム
ユウキの幼馴染で彼女の騎士、一見重用キャラかと思いきや2話で重症を負い3話冒頭に死去する。気合と根性が彼の口癖。

レイラ・エトワール
ユウキの側近、元々帝国の人間だったが王国との新型クラルス共同開発の際に旧公国人が起こしたテロによって家族を失い、そのときにユウキに懐かれたことからそのままユウキに仕えていた。実は娘はステラであり、最後に死亡する際に再会した。

イザナ・ラングフォード
王国の政務官、王都陥落時に王都に残るが、その後新型クラルスについての情報をユウキに届けるも撃たれて死亡する。

ハロルド・ミラー
騎士総長。終盤にゲイルと相打ちになる。

ユニ・ヴァンキッシュ、ルネ・ヴァンキッシュ
騎士、ユニが姉、ルネが弟。

ジェイムズ
旗艦エクセスアルカの艦長。

グランディーガ帝国
ステラ・シャイニング
レイラの娘、事故後死んだと思われていたが、記憶を失いつつ生存、ある家に引き取られたが、その家で子供が産まれ更に家の生活が悪化したため疎まれる、その時から作り笑顔をするようになった。
その後放浪して食うために軍に入る、その後も作り笑顔を続けていたが分隊内で徐々に人間性を取り戻し始める。わずかにソレイユ王国時代の記憶が残っており、ワインの匂いに敏感。

ゲイル・オーウェンズ
分隊長、前分隊長が戦死した為後任として着任した。口数が少なく初期は信用されていなかったが後半になると隊員にも慕われ始める、孤児院をやっており、そこに給料の大半を送金している、後にハロルドと相打ちで戦死する。彼が戦死した後は残された他院が送金をしていた。

リリィ・エアハート
ステラの妹分でステラをステラ姉と呼ぶ、見た目も幼くステラの妹分ということから年はかなり年少。負傷してゲイルに手当されて以来ゲイルを慕う、戦後はゲイルの残した孤児院で働く。

ヒューイ・マルサス
分隊員、口が悪いが所謂ツンデレ的な傾向がある。

ピアース・ソーン
分隊員、負傷したので国に帰る途中で襲撃を受けて戦死した。貧しい農家の子。

ブレイク・ボイヤー
アフロ。隊長戦死後は分隊長代理を努めている。

ガイ・マーレイ
ピアースの補充要員、酒好き。

アイネ・フリート
帝国の参謀長。

皇帝
ほぼモブみたいな扱いでたまにモニターに映ってアイネと会話してる人。

ベルデ皇国
第三の国、すでに滅亡済み。クラルスの正体を見出した為に滅ぼされたらしい。

感想など
すでに酷評されていることを知った上で視聴。そのため私なりに否定意見を前提とした考察を行います。この感想は皆が種死、コードギアスを視聴済みであることを前提として書きます。

1鉄血っぽい?
そうは感じませんでした、どちらかと言うと種死とコードギアスの成分を深夜マイナーリアル系にかけて薄めたような感じの内容。まず対立型W主人公かつ片側を指揮官、片側をパイロットとする、また双方が肉親や愛する人等を失った暗い過去を持ち、それ故に片方が不殺に走る等、何か種死とコードギアス的なものを感じました
多分クラリス関係の描写は「種死化」を防ごうとしたんだと思います。

2クラルス関連の描写の意義
この作品においてクラルスというのは一見無限のエネルギー源だけど実は星の環境維持装置に負担をかけており結果星の食糧問題の原因になっていた、なのでユウキはそれを止める&機動兵器のエネルギー源なのでそれで一応戦争も停止させられるというものだった。

このクラリス描写から環境的なメッセージを読み解こうとした人がいたのですが、環境者にありがちなわかりやすい汚染や飢餓描写は見られなかったので、多分環境的なメッセージはなく、落とし所としてのトンデモ描写、つまり一種のデウスエクスマキナ的な存在として「オチ」のためにクラルスの設定を作ったと私は考えます。
戦争を止めるためにエネルギー停止では角が立つ、だから問題のあるエネルギーにしたという印象を受けました、クラルスの扱い自体は企画段階で考えており後半思いつきで挿入したものではないのは序盤から伏線はあったので理解できます。

3W主人公について
1事で言うと2人の少女が敵対陣営に身をおいて、戦争の中で成長していく、更にそれぞれの立場は敵対陣営の同じ立場ではなく片方は兵士、片方は指導者という形式をとっています。しかし12話で2人の成長を描きつつ、双方を描写するのは無理があったのか、特にユウキサイドが影が薄い。
敵対型主人公という形ですが、2人は接点が乏しく、単に対立陣営に身をおいているだけ以上の関係性が乏しく、一応ユウキの部下の一人がステラの母という設定があるのですが、それもほとんど掘り下げられず。

それぞれに影響を与えた男がおり、ユウキサイドは序盤に死んだヨシュア、ステラは分隊長になっているのですが、ヨシュアサイドは本当に2話で九死に一生を得たと思ったら翌週死んでいたというもので、ユウキに対する影響の掘り下げは最低限。

その上で感想
とにかく「綺麗にまとめようと努力した」が失敗したという感じでしょうか。この作品のダメだった要素はというと、多分根本的な部分。対立型W主人公というめんどくさいテーマをなんとか終わらせようとした事、しかし対立型主人公+戦争というかなり綺麗に終わらせにくい題材を綺麗に終わらせようと努力した、しかしダメだった、それがエガオノダイカなんだと思います。

本作って「最低限度の描写」はあるんですよ、ヨシュアといいクラリスといい。逆に言うと殆どが最低限度。ラストシーンのステラの唐突感はそれ含めてもやっぱり唐突感ありましたし。

あえて別の視点から
本作の弱点を挙げるとすれば多分個性が薄い事、深夜マイナーリアル系の範囲内でほとんどの成分が収まってしまっている、そのため極めて少数の否定意見があるだけで、肯定意見がないというマイナー作品あるあるのパターンに陥ってしまった。

看板キャラが不在と言いますか、この作品ならではの個性が見られないと言いますか、過去のアニメを参考にしつつ修正した感じの内容で、結果的にアニメを見てアニメを作ってはいけない論の体現者になってしまった印象はあります。

どうすれば良かったか
私にもわからん(メタルマン博士)、2クールあれば掘り下げ不足はある程度ごまかせるとは思いますが、そうすると今度は退屈言われそうなんですよね。

で私の感想は?
実を言うとそれなりには楽しんでいた私がいます。そもそも私がアニメ作品をガチで酷評したり嫌ったりすることはまれです、私が文句言うのって大体が「品質狙い」(ロボットが出る段階でこのルートからは大体逸れる)「原作もの」(推しキャラの扱いがクソだった、原作の読み込みが浅すぎて原作ファンとして承服できない等)なので、オリジナルかつ品質とは真逆の立ち位置に居るようなロボットアニメを酷評する事ってそんなにないんですよね…。ゲームだと文句しか言ってないような気がしますけど。
デジモンクロスウォーズも楽しめてしまった私ですし、遊戯王ヴレインズは私でもちょっと評価に困ります。
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