サブブログの方でやっている年間1000冊読む計画の一環で読んだ本ですが、こっちの内容とかなり被っているので書きました(マジンガー、ガンダム、ヤマトに対する言及)。ほぼ内容としていつも私が書いてるクソコラムと似たりよったりの切り口だったので、恐ろしく読みやすかった。なので私の主張も合わせて色々と書いてきます。
大まかな内容
テーマは70年代に日本のサブカルチャーの勃興が始まったというもので、60年代以前の作品の多くは近年はほぼ展開が終了しているのに対し、70年代の主要作品は今でも多くが現役であるというもの。
でそれを、藤子不二雄とドラえもん、宇宙戦艦ヤマトと西崎、仮面ライダーと石ノ森章太郎、帰ってきたウルトラマン(ウルトラマン自体は60年代)、機動戦士ガンダムと富野、マジンガーZと永井、ポーの一族とベルばらで少年でも読める少女漫画が産まれる、と70年代からサブカルチャーの勃興が本格化して、この70年代の系譜が今でも生きているというもの。
感想・書評
感想1:70年代のものは今でも続いている論
割と同意です、50〜60年代の作品で今でも明確に続いているものを探すとゴジラやウルトラマン等強いのは有るのですが、数は70年代と比べるとやや存在感に劣る印象はあります。あの頃は皆大変でサブカルなんかにうつつを抜かしていられるような状態ではなかったということでしょう。70年代からこういうサブカルの勃興が本格化したのは皆に余裕が出てきたという事でしょう。
80年代は少年漫画(主にジャンプ)とファミコンの時代に突入します、80年代の漫画とゲームは未だに動きがあるものが多いですそのせいか、90年代になると世代が一巡した感があり7080年代産まれのコンテンツがどれも煮詰まってきて結果ここでも強力なコンテンツが大量に産まれます、特にゲーム系の主要IPは大半が80年代中盤から90年代までの10数年間で産まれたものが大多数で、売上ランキングを見ていると本当にこの時代のゲームがまだ続いていることを強く感じます。
所が00年代前半産のコンテンツはそんなに強力なものが有りません…まずオタク世代論で第4世代の代表作はハルヒだ論に対して前にクソコラムで反論しましたが、どうも00年代前半はそこから産まれた系のコンテンツは相対的に弱い、ウルトラマンだのガンダムだのエヴァだのと比べると一時期話題になったけどそれ以降は…感が凄い。その原因をウルトラマンからエヴァまではテレビと雑誌の勢力が強かったのが、ハルヒの頃にはゲームやネットの勢力が無視できないレベルになってきたから、ラノベとアニメ(TV)のハルヒはそれまでの組と比べて拡散力で負けてたという主張(ガンダムは少なくともPS2まではゲームでも無視できない勢力を持っていたアタリも強かった)、00年代後半になるとニコニコブームなんかもあってまた雰囲気が変わるんですが(ボカロ、当方、アイマスの御三家の誕生など)。
そういう意味で70〜00年までの流れは何かありますね。
感想2:ガンダム「世代」
私がクソコラムで書いてきたテーマとかなり主題が似てます、私もサブカル世代論を書いていますが、ガンダムというのは名前のついた世代を明確に形成した作品だと書いてきました(多分)。
マジンガーはその辺ヒットはしたんだけどダイナミックと東映の都合でゴッドマジンガー(80年代のアニメではない方)が空中分解してしまい、「思い出のアニメ」止まりになってしまった。
私は10年、20年続いてやっとそのコンテンツは明確な意味での世代が形成されるという考え方をしているのです、20年続くと「常識」になってくるんです、で常識が通じない層が存在する事が見えてくる、それで通じない人間と通じる人間に世界が本当の意味で分かれる、で初めて「世代」と自覚するんです、世代というのは絶対的な基準ではなく相対的な基準だと私は考えています、世代でない人間の存在を発見して初めて世代になる、民族という概念が異民族なしではあり得ない(世界に1つしか民族が居なかったら、それはただの人間にしかならない)ようなもので。
感想3:2歳違えば世代が違うと主張する著者と私の考え
この本2歳違えば世代が違う、話が通じないとも言っていますが、私の時はもう少しマイルドでは有りましたが、4歳違えば世代が違いました。実際私より4歳年上になると世代が違うなと感じます。逆に4歳下はそこまで世代が違うとも思わない、私の頃も割とサブカルの激動期でして、ちょうど私の年代を境に世代が変わってるんです、だから数歳差は上向きには大きいんですが、下向きには割と乏しい、正直5歳下と私であまり差を感じない。
やはり70年代は本当に処理が早かった時代何だと感じました。私的に00年代前半はサブカル的に動きの乏しい時代だと何度か書いてきましたが、00年代前半90年代中後半と比べて強力な新規コンテンツが少なく(だから仮面ライダーやガンダムが復活する「スキ」があった)、相対的に低調な時代だったと思います。
著者:中川右介 角川書店 2018
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