ニチアサにひっそりと放映されていたロボットアニメ。この頃までは4クールのオリジナルかつ一定以上の年齢向けのロボットアニメがちらほらあった頃。内容的にガンダムの展開を中心に古いアニメを意識したような展開が多く、当時を考えると割とよく見たパターンかも。
すでにセカイ系が衰退気味だがその後の方向性が不明瞭な時代ゆえか、セカイ系っぽい雰囲気を残しつつ、ボーイミーツガールで、ガンダムとかのパロディっぽい懐古趣味も有り、といったところの内容。
ロボットアニメとしてみると分量は2クール分程度で、密度は薄い。
あらすじ
英雄アドロック・サーストンの息子、レントン・サーストン。大した波もこない最悪な街でくらす14歳、成績は悪い、大した波も無ければ、リフのショップのおっちゃんは引っ越し。
貴重なスポットも軍に封鎖され、さらに最悪は増すばかり。そんな中突如現れたLFO、ニルヴァーシュ。しかしニルヴァーシュはレントンの部屋に墜落、そのLFOから降りてきた緑の少女、エウレカ、レントンはそれに一目惚れ。
エウレカはレントンの部屋を燃やして供養するなどズレた行動をとる不思議な性格。そのような状況の中で軍の追手が現れる、レントンは祖父にニルヴァーシュを動かすためのアミダドライバを受け取り、それをエウレカに届け、窮地を切り抜ける。
エウレカを追う形でゲッコーステイトに入ることにして家を飛び出したレントン、しかしゲッコーステイトの中に中々なじめない中でも奮闘、ゲッコーステイトは軍と敵対しているがゆえに軍との戦闘も経験。
しかしその中でエウレカとにた少女アネモネにであったり、エウレカの過去を知り、エウレカがかつて軍にいて、多くの人を殺し、現在子供として育てている3人組はエウレカが親を殺した子供だということを知る。
そしてレントンは戦闘中に暴走状態になり、多くの兵を殺し、そこで初めて自分が戦争をやっていた自覚を持ち、さらにエウレカはエウレカで悩んでいる中でエウレカとの関係もギクシャク、ゲッコーステイトを家出する。
そこで出会ったチャールズ夫妻の世話になるレントン、チャールズ夫妻はレントンを養子にしたいとまで言うのだったが、彼らは元軍人であり、軍の要請でゲッコーステイトと戦うことになっていたのである。
レントンは結局ゲッコーステイトにもどり、チャールズ夫妻は戦闘で死亡、レントンに大きなショックを与えた。その後レントンはエウレカの正体が人型コーラリアンであり、スカブコーラルが人間を知るために送り出したものだということを知ることになるのだった。
登場メカ
ロボットアニメとしてみると描写、種類共に量が少ない、4クールアニメだがメカとしての分量はせいぜい2クールという印象。当時聞いた話だと、貴重になりつつあった手書きロボットアニメだからこういったのが得意なアニメーターが集まった割に戦闘シーンが少なくて見たいな話が。あくまで聞いた話。
ニルヴァーシュ
ニルヴァーシュ:レントン・サーストン、エウレカ
最古のLFO。ニルヴァーシュtypeZERO→spece2→supece3とパワーアップしていく。最初は白地に赤のライン、supece2でやや派手になり、終盤のsupece3では一気に雰囲気が変わり白地に緑でやや有機的な雰囲気になる。
ニルヴァーシュ type the END:アネモネ
アネモネのニルヴァーシュ。黒い。アゲハ構想の根幹をなすKLFであり、元はターミナスのtb303デビルフィッシュ。最終的に白い姿になる。
ターミナス
元々塔州連邦のLFO。モンスーノシリーズが配備されたため少量生産に留まった模様。元々軍にいたホランドらゲッコーステイトメンバーがそのまま戦力にしている。
B303ビルフィッシュ:ホランド・ノヴァク
ホランドの2番目の乗機、パイロットに強いる負担が大きい。ニルヴァーシュtypetheENDの元になったLFO。
R606:マシュー
前衛担当、オレンジ色、軽量で機動力が高い。
R808:ヒルダ
後衛担当、水色。火力は有るが稼働時間が短い。
R909:ホランド・ノヴァク
ホランドの乗機。42話で撃墜される。
モンスーノ
軍のKLF。概ねやられメカ。単眼カメラアイ。数はでてくるし長期間登場するが目立つ活躍は乏しい。
typeMS10
普通の機体。ミサイルとマシンガンとレーザーで装備している。
typeMS20
重層型、ロングレンジレーザー砲を装備。
typeVC10
アゲハ隊専用の新型モンスーノ。
スピアヘッド:チャールズ・ビームス、レイ・ビームス
ターミナス系の発展型、量産はされていないらしく劇中ではチャールズ夫妻が軍をやめる時に退職金代わりにもらった機体が出てくるだけ。
登場キャラ
ゲッコーステイト
レントン・サーストン
英雄アドロックの息子。うだつの上がらない日々を送っていたが、ある日目の前に謎の少女エウレカが現れ彼女に惹かれていく。
良くも悪くも地味な子供であり、失敗も多く、よくやらかす。
エウレカ
謎の少女、ゲッコーステイトと行動を共にしていたが、途中でレントンに出会う。最初はそっけなかったが徐々にレントンとの関係はよくなっていき、感情表現が豊かになっていった。
その正体はスカブコーラルが人間を知るために送り出した人型コーラリアン、最初の方は感情表現が薄かった、変な行動が目立ったのは感情を学習中だったため。
ホランド・ノヴァク
もともと軍のエース。軍を抜けてゲッコーステイトを結成、軍に対抗していた。子供っぽいところが多く、ワガママだったり感情的な傾向が見える。
タルホ・ユーキ
ホランドの恋人、途中までは露出度の高い服だったが、妊娠して以降はガードの固い服装になった。またそれに伴い落ち着いた態度を取ることが増えた。
ハップ
ゲッコーステイトの副リーダー。大柄で糸目な男。トイレでは全裸。
ケンゴー
おっさん、月光号の砲術士、戦闘シーンは少なめなので砲撃する機会は微妙にない。
マシュー
ゲッコーステイトのLFOライダーその1。
ヒルダ
ゲッコーステイトのLFOライダーその2。
ムーンドギー
特にやることがない居るだけ美少年。ギジェットと恋仲、実は船舶免許保持者で、途中から月光号の舵取りを任される。
ギジェット
通信士の少女。ムーンドギーと恋仲。
ウォズ
ソフトウェア担当、ジョブスとはコンビ。
ジョブス
グラサンスキンヘッドのメカマン。
ミーシャ
医者、グレッグ博士の元妻。
モーリス、メーテル、リンク
エウレカが面倒を見ている孤児3人組。
ストナー
レイトンも愛読していた雑誌ray=outの編集者。
ゴンジイ
謎の老人、実は人間監視役のコーラリアン。
塔州連邦
アネモネ
エウレカと似た(性格は違う)謎の少女。しょっちゅう発作が起こっており、大量の薬を使って抑えている。其の正体はエウレカのかわりに作られた人工コーラリアンである。ドミニクにいつも世話をやかれている。
デューイ・ノヴァク
ホランドの兄、何か変態じみた中年。コーラリアン殲滅計画アゲハ構想を建てた人物。
ドミニク・ソレル
アネモネの相方であり、レイトンの対になる人物。いつもアネモネに振り回されている。最終的に軍を離反している。
ユルゲンス
ゲッコーステイトを追跡する軍人、後に軍を離反してゲッコーステイトと行動をともにする。
マリア・シュナイダー
ユルゲンスの艦、イズモ、スーパーイズモの副長。
アゲハ隊
デューイの元に居る美少年達。元々難民の子供で、デューイに拾われてデューイの手足となって働く。
その他
チャールズ・ビームス
元軍人だがその後軍を離れていた、かなり濃いめのおっさん。家出レントンを養子に迎えようとする。軍から依頼を受けて月光号を攻撃するが、生身戦で戦死。多分ランバ・ラルを意図したポジションだと思われる。
レイ・ビームス
チャールズの妻。チャールズの死後に月光号を攻撃して果てた。
グレッグ・ベア・イーガン
研究者、物理宇宙の崩壊であるクダンの限界を主張した人物。
ウィリアム・B・バクスター
レイトンが出会った青年、絶望病にかかっている妻とともに暮らしながらパイルバンカーを抜いている。
ノルブ
ヴォダラクの僧、かなりアグレッシブな人物。
サクヤ
ヴォダラクで聖者扱いを受けている人形コーラリアン、ノルブとは恋仲だった。
アクセル・サーストン
レイトンの祖父、元トレゾア技研。レイトンにアミタ・ドライヴを託し、エウレカの所に送り出した。
アドロック・サーストン
レイトンの父で世界を救った英雄らしい人物、しかし詳細はなかなか明かされなかった。実はスカブ・コーラルの中に存在しており、終盤にレイトンと再会する。
ダイアン・サーストン
レイトンの姉、やはりアドロックと同じく行方不明。
感想等
当時の漫画的な雰囲気というか、ガンダムの展開なんかをベースに当時の雰囲気に魔改造した感じのシナリオ。
シナリオ面では「良作」そのものという感じで、特にチャールズ夫妻前後なんかの展開は見ごたえあり。
ただ2クールでいけそうな話を4クールでやってる感じというか(ロボットアニメ的な戦闘回や強引な捨て回が少なく、必要なエピソードだけをゆっくり描いている感じ)、当時の全日枠が壊滅してアニメが軒並み深夜行になる時期の移行期的な作風も感じも。
キャラデザ的にも全日枠と深夜と漫画系の中間的な雰囲気ですし、作風も中間的。
ロボットアニメとしてみると何とも言えない、ロボットアニメとしてどうなのと当時言われたギアスのほうが大分ロボットアニメしている感じ。
ロボットが背景化しているといいますか、出番が結構有るし象徴的な描写も割にロボットアニメとしての主張が弱い感じ、目立つ背景、あくまでイベントアイテムポジションに徹している感じといいますか。劇場オリジナルアニメに出てくる架空の戦車や戦闘機みたいなポジションといいますか。
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