以下の記事にもあるが、
地震で壊れるのは住宅や民間の建物ですから、行政の支援を経て自ら耐震化を進める必要がある
全ての既存不適格建物の耐震診断を公費で行い
は、この通り。
何より大事なのは建物の耐震化だと思う。
そのためには、今回の復旧の際には、住宅の再建の際には修理をしてもいいのだが、必ず耐震改修をセットで行うことを義務付けることが最善だろう。
何しろ、まあ能登半島は揺れ続けている。
今回の地震と同規模の大地震が再び起こるかもしれない。これは誰もわからないが、もし、大きな地震が起きて、耐震改修なしで修復していたらその住宅は全壊して、ぺしゃんこになり人が1階にいれば圧死してしまう。
このような悲劇を防ぐには耐震化の義務付しかないだろう。
Yahoo!より、
能登半島地震で見えてきた10個のキーワード
福和伸夫名古屋大学名誉教授、あいち・なごや強靭化共創センター長
1/22(月) 17:00
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/348427a80c0c091abbc37f767326e1baf3901051
記事より、
能登半島地震から3週間が経ち、孤立集落も解消され、2次避難も始まりました。この地震での課題も徐々に明らかになってきています。そこで、この地震での課題を10個のキーワードで表してみたいと思います。@複合災害、A時間外、B孤立、Cライフライン途絶、Dデジタル喪失、E被害把握遅滞、F避難所環境、G行政・医療・福祉機能、H高齢化と過疎、I事前防災、の10個です。それぞれについて簡単に解説してみたいと思います。
Cライフライン途絶
停電、断水、通信途絶、燃料不足の全てが発生し、道路寸断で復旧が遅れました。72時間で燃料が届かず、防災拠点や医療施設の非常用発電機も厳しい状況になりました。一方で、プロパンガスの軒下備蓄、井戸や湧き水、浄化槽、食料備蓄、住民同士の助け合いなどが役に立ったようです。中山間地の強さを感じます。太陽光発電や蓄電池などの分散型エネルギーを含め、現代版の自立住宅の普及が望まれます。
E被害把握遅滞
道路寸断や通信途絶により、被害状況の把握が遅れました。災害発生時の的確な初動対応には、被害状況の早期把握が不可欠です。震災から3週間が経過しても、家屋被害の全体像が分からない事態は深刻です。調査員が被災地に入れなかったからですが、応急危険度判定、罹災証明のための被災度判定、地震保険のための被害認定と、目的に応じて3つの調査が必要なことも課題です。判定の共有化・効率化が必要だと思います。
F避難所環境
多くの家屋が倒れ、多数の帰省者や旅行者が居たこともあって、避難者が溢れ、避難所や備蓄食料の量的不足が起きました。ライフラインの途絶によってTKB+W(トイレ、キッチン、ベッド、暖)の環境悪化もあり、感染症の拡大や災害関連死の発生が懸念されています。一方で、トイレトレーラーやモバイルハウスなど新たな支援が注目されました。避難所の環境維持に加え、在宅避難や車中泊の活用、被災地外への2次避難、観光者などのインバウンド対応などが今後の課題と言えそうです。
H高齢化と過疎
高齢化が進む過疎地では、建物の耐震化が進まず、応受援のバランスが崩れます。復旧・復興過程でも建設業者の不足や人口減など、困難に直面します。仮設住宅の本設化、モバイルハウスの活用、疎開や集落の集約など、難しい判断が必要になります。過疎地こそ、家屋の耐震化と道路確保が重要です。大規模災害では、居住者の多い都市の救援・救助が優先されがちです。若者の呼び込むため、過疎地の空家を耐震化した平時活用や、デジタルを利用した都市住民の2地域居住推進が望まれます。
I事前防災
大地震では、災害対応資源が圧倒的に不足します。耐震化などの事前対策を進め、被害を減らすしかありません。地震で壊れるのは住宅や民間の建物ですから、行政の支援を経て自ら耐震化を進める必要があります。南海トラフ地震のような広域災害では、災害後の公助の力は限定的です。事前防災の基本は孫子の兵法にあるように「知彼知己百戦不殆。不知彼而知己一勝一負。不知彼不知己毎戦必殆。」です。土砂崩れ、液状化、津波浸水、延焼しやすい木密地域などの危険地を避け、耐震・耐火性能を高めるしかありません。自助があってこその共助です。
南海トラフ地震や首都直下地震、日本海溝・千島海溝地震などの発生が危ぶまれています。これらを乗り越えるため、被害軽減に全力を挙げる必要があります。私は、公助はできる限り災害前に活用するのが効果的だと思っています。国民は利用している建物の安全性を知る権利があるはずです。全ての既存不適格建物の耐震診断を公費で行い、その安全性を公表することが望まれます。
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