だが、その一方で、例年のインフルエンザは流行中。
どちらで死ぬ確率が高いかといえば、インフルエンザだ。
問題は、マスクの買い占め、消毒液の買い占めなどだ。
こうしたことがなければパニックにならずに済んだ。
消費者行政の失敗だ。
アゴラより、
新型肺炎に「ゼロリスク」を求めてはいけない
2020年02月19日 06:02池田 信夫
http://agora-web.jp/archives/2044381.html
記事より、
世の中では新型肺炎(COVID-19)を理由にしたイベントのキャンセルが相次いでいるが、国の専門家会議は現状は「国内発生の早期の段階」で、「まだ流行期ではない」という。この判断がわかりにくいと批判されているが、新型肺炎は流行しているのだろうか。
インフルエンザの「流行」には定義がある。全国約5000の病院で定点観測し、1週間に平均1人以上の新患者が一つの病院で報告されると流行である。今シーズンのインフルエンザは昨年11月に厚労省が「全国流行が始まった」と発表したが、このとき(第46週)の患者数は約9000人(平均1.8人)だった。
今のインフルエンザ患者数は、大流行といわれた昨シーズンの1100万人より少ないが、2月3日からの第6週で約30万人(平均60人)。今シーズンの累計受診者数は、約650万人だった(国立感染症研究所)。
これに対して新型コロナウイルスの感染者は2月17日現在で520人だが、このうち約450人はクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客・乗員で、国内にいるのは60人余り。インフルエンザの基準を当てはめると、この150倍に増えないと流行の定義を満たさない。今はインフルエンザのほうが10万倍危険なのだ。
インフルエンザの致死率は0.1%なので、今シーズンの死者(超過死亡数)は600人程度と推定されるが、図のように史上最悪だった1998〜99年のシーズンには3万7000人以上がインフルエンザで死亡し、昨シーズンは3000人余りが死亡した(国立感染症研究所)。
あなたが今年インフルエンザにかかる確率は約5%だが、新型肺炎にかかる確率は0.00005%であり、それで死ぬ確率はゼロといってよい(死者は高齢者や基礎疾患のある人に限られる)。もちろん今後、大流行する可能性はあるので、政府が感染を防ぐ必要はあるが、それはインフルエンザも同じだ。
新型コロナを特別扱いする理由はないのだ。それはインフルエンザと同じ風邪の一種だから、対策も同じでいい。650万人のインフルエンザ患者を放置して、患者60人の新型コロナにゼロリスクを求めるのは、放射能にゼロリスクを求める情報弱者と同じである。
インフルエンザと新型コロナの違いは、マスコミが騒いで人々が不安になり、集会や旅行をキャンセルするなどの風評被害が大きいことだ。それを防ぐには、政府がイベント中止や入国禁止などの過剰反応をやめ、マスコミが科学的に正しい情報を伝える必要がある。放射能と同じく「正しく恐れる」ことが大事だ。
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