実際に、大地震で土砂位崩れ以外で全壊により家の中で亡くなったという報告はない。
また、住宅自体の被害も少ない。
なぜ北海道では大地震にも関わらず住宅の被害が少ないのか?
すぐに思い浮かぶのは、屋根。
北海道の住宅の殆どは雪を落としやすくするためにトタン屋根で、瓦葺きの家は少ない。
また、同じくらい重要なのは、凍結深度により基礎をきちんと、深く地面に入れるようにつくる必要があること。
地盤が凍結してしまうため、60cmや80m程度地面を掘り下げて基礎をつくらなければならないという建築基準法の規制がかかっていることが大きい。
つまり、凍結深度が設定されていることにより、基礎の根入れ深さ(要するに地下に基礎を入れる長さ)は凍結深度より下にする必要があり、結果として、しっかりとした基礎が整備されているからだ。
北海道の凍結深度は、北海道町のページで分かる。震度7のエリアの胆振でも70cm、80cmなどの凍結深度の設定がされているのが分かる
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/kn/ksd/kijun/touketsushindo.htm
参考)1993年釧路沖地震における積雪寒冷期の地震災害の特徴
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsse1986/15/2/15_2_134/_pdf
ここでは、
・釧路沖地震で最大加速度(地震の大きさ)の割に住家被害が過去の地震に比べて少ないとの指摘がある
・北海道の住宅の基礎は凍結深度以下にすることから他の地域と比較して基礎が丈夫なため耐震性が高くなっており、このことが住宅の被害を少なくした原因の一つとだれている
とある。
同様に
参考)日本木材学会編
木造住宅の耐震 1996年4月
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsse1986/15/2/15_2_134/_pdf
ここでも、1993年の釧路沖地震について、、
「一般的な傾向としては、寒冷地のため布基礎が大きく深く一体化されており、開口部が少ないため壁量が多く、かなりの地震力で液状化が見られた地域でも上部構造は比較的被害が少なかった。」
とある。
参考)屋根の軽さの影響について、
http://www.dpri.kyoto-u.ac.jp/nenpo/no47/47a0/a47a0t04.pdf
参考)近畿大学のページより、 基礎について
http://www.archi.hiro.kindai.ac.jp/lecdocument/ken_kisokozo/Kiso_5_p.pdf
このように、北海道では一般に基礎が丈夫なのだ。だから、地震の被害が少ないといえる。
もちろん、地盤そのものが斜めになるような液状化では地盤に引きずられてしまうのだけれども・・・
参考 フロンティアワールドコンソーシアムより、
実際の寒冷地の基礎の例 凄いなあと内地の人間は思う
http://www.frontier-world.co.jp/ex/24yatu_y/yatu_y.html
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