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2018年08月24日

残暑お見舞い申し上げます!「熱中症予防」 覚えておきたい熱中症の基本事項

残暑お見舞い申し上げます!「熱中症予防」
覚えておきたい熱中症の基本事項
【救急診療の基礎知識】から
公開日:2018/07/25 企画・制作 ケアネット

暑さに負けないために今回は熱中症の基本的事項をまとめておきましょう。

熱中症の定義

以前は熱射病、熱痙攣、熱失神という言葉が使用されていましたが、現在は用いられません(重症度と共に後述します)。

熱中症とは「暑熱環境における身体適応の障害によって起こる状態の総称」とされ、
「暑熱による諸症状を呈するもの」のうちで、他の原因疾患を除外したものと定義されています。

わが国では毎年7〜8月に熱中症の発生率が多く、「今そこにある危機」と認識し、熱中症の症状を頭に入れ意識しておく必要があるのです。

熱中症の死亡率
本邦の年間発症数は約40万人、そのうち8.7%(約3万5,000人)が入院、0.13%(約520名)が死亡しています。
この数値は現在も大きな変化はなく、2016年の死亡者数は621名で65歳以上が79.2%という結果でした(厚生労働省 人口動態統計)。
2018年は2017年より暑く、熱中症患者は増加することが予想されます。熱中症を軽視してはいけません。

熱中症の重症度
以前、熱中症は、熱射病、熱痙攣、熱失神などの呼び名がありましたが、現在は重症度を理解しやすいように分類されています1)。

I度は必ずしも体温は上がりません。症状で判断します。
II度は頭痛や嘔吐、倦怠感に加え、深部体温の上昇を認めます。
III度は、意識障害、臓器障害を認め、早急な対応が必要になります。

熱中症を疑うことは、病歴から難しくありませんが、重症度の判断は初期評価をきちんと行わなければ見誤ります。

とくに重篤化しやすい、非労作性熱中症の高齢者には注意が必要です。

熱中症の治療
治療の原則、「安静」「環境改善」「塩分+水分の補給」は絶対です。

熱中症II度以上は、体温調節中枢が正常に機能していない状態です。

皮膚や筋肉の血管拡張、血流増加、多量の発汗によって循環血液量減少性ショックへと陥ります。
急速な輸液に加え、高体温が持続すると多臓器不全(意識障害、痙攣、急性腎障害、DIC(播種性血管内凝固症候群) etc.)を伴い、
輸液だけでなく呼吸管理や透析などの全身管理が必要となることもあります。

(1)目標体温

深部体温*が39℃を超える高体温の持続は予後不良因子であり、38℃台になるまでは積極的な冷却処置を行いましょう。

*深部体温

中枢温を正確に反映する部位は腋窩温でも皮膚温でもありません。
最も好ましいのは深部体温(膀胱温、直腸温、食道温)です。
救急外来など初療時には、直腸温を測定するか、温度センサー付きバルーンカテーテルを利用し、膀胱温を測定するとよいでしょう。

健康な人の体温の平均値は、
腋窩温36.4℃に対して直腸温37.5℃と約1℃異なると言われていますが、
高体温で発汗している場合や測定方法によって、腋窩温や皮膚温は容易に変化します(正しく測定できません)。
熱中症、とくに重症度が高いと判断した症例では、深部体温を測定する意識をもちましょう。

(2)冷却方法

体表冷却法が一般的です。気化熱を利用します。ぬるま湯(40〜45℃)を霧吹きを用いて体表にかけ、扇風機などで扇ぐとよいでしょう。

熱中症の予防
熱中症は予防可能です。
起こしてしまった人へは、治療だけでなく正しい熱中症の知識、
そして周囲の方への啓発・指導を含め、ポイントを絞って熱中症を起こさないために必要なことを伝えましょう。

●環境省の熱中症予防情報を伝授

環境省熱中症予防情報サイトでは、WBGT(暑さ指数)を都道府県、地点別に確認できます。

3日間の予測も併せて確認できるため、熱中症を予防する立場にある学校の教師や職場の管理者は必ず確認しておく必要があります。

朝のニュースなどで危険性は日々報道されていますが、それでもなお発生しているのが熱中症です。

願わくは、自ら確認し意識しておくことが必要と考えます。「熱中症の危険がある」ということを事前に意識して対応すれば、体調の変化に対する対応も迅速に行えるでしょう。

●熱中症? と思った際の対応を伝授

こむら返りや頭痛、倦怠感などを自覚し、環境因子から熱中症? と判断した場合には、
速やかに環境を改善し(日陰や店舗内など涼しい場所へ移動)、水分だけでなく塩分を摂取するように勧めましょう。

症状が改善しない場合や、自身で水分・塩分の摂取が困難な場合には、時間経過で改善することも多いですが、症状の増悪、一人暮らしで経過を診ることができる家族がいない場合には、病院へ受診するように指示したほうがよいでしょう。

屋内外のリスクを見極め夏を過ごす
7月は熱中症予防強化月間の重点取組期間です(厚生労働省「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」)。

まだまだ暑い日が続きます。日頃の体調管理を行いつつ、屋外でのスポーツや作業をする場合には、リスクを評価し、予防に努め、屋内で過ごす場合には、温度・湿度を意識した環境の設定を行い、夏を乗り切りましょう!

参考文献

1)日本救急医学会熱中症に関する委員会. 熱中症の実態調査-日本救急医学会Heatstroke STUDY 2012最終報告-.日救急医会誌. 2014;25:846-862.

坂本 壮 ( さかもと そう ) 氏
順天堂大学医学部附属練馬病院 救急・集中治療科
西伊豆健育会病院 内科

2018年08月23日

残暑お見舞い申し上げます!暑さ指数(WBGT)とは?

残暑お見舞い申し上げます!暑さ指数(WBGT)とは?環境省HPより
暑さ指数とは?
暑さ指数(WBGT(湿球黒球温度):Wet Bulb Globe Temperature)は、熱中症を予防することを目的として1954年にアメリカで提案された指標です。

単位は気温と同じ摂氏度(℃)で示されますが、その値は気温とは異なります。
暑さ指数(WBGT)は人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい
@湿度、
A日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、
B気温の3つを取り入れた指標です。

熱中症患者発生率
暑さ指数(WBGT)が28℃(厳重警戒)を超えると熱中症患者が著しく増加する様子が分かります。
※グラフは、平成17年の主要都市の救急搬送データを基に日最高WBGTと熱中症患者発生率の関係を示したもの。

「日常生活」
危険(31℃以上)高齢者においては安静状態でも発生する危険性が大きい。
外出はなるべく避け、涼しい室内に移動する。

厳重警戒(28〜31℃未満) 外出時は炎天下を避け、室内では室温の上昇に注意する。

警戒(25〜28℃未満) 運動や激しい作業をする際は定期的に充分に休息を取り入れる。

注意(25℃未満) 一般に危険性は少ないが激しい運動や重労働時には発生する危険性がある。

「運動に関する指針」
気温(参考) 暑さ指数(WBGT) 熱中症予防運動指針
35℃以上    31℃以上      運動は原則中止 WBGT31℃以上では、特別の場合以外は運動を中止する。
特に子どもの場合は中止すべき。

31〜35℃    28〜31℃      厳重警戒
                 (激しい運動は中止)
WBGT28℃以上では、熱中症の危険性が高いので、
激しい運動や持久走など体温が上昇しやすい運動は避ける。
運動する場合には、頻繁に休息をとり水分・塩分の補給を行う。
体力の低い人、暑さになれていない人は運動中止。

28〜31℃    25〜28℃      警戒
                 (積極的に休息)
WBGT25℃以上では、熱中症の危険が増すので、積極的に休息をとり適宜、水分・塩分を補給する。
激しい運動では、30分おきくらいに休息をとる。

24〜28℃  21〜25℃      注意
                 (積極的に水分補給)
WBGT21℃以上では、熱中症による死亡事故が発生する可能性がある。
熱中症の兆候に注意するとともに、運動の合間に積極的に水分・塩分を補給する。

24℃未満    21℃未満     ほぼ安全
                  (適宜水分補給)
WBGT21℃未満では、通常は熱中症の危険は小さいが、適宜水分・塩分の補給は必要である。
市民マラソンなどではこの条件でも熱中症が発生するので注意。

(公財)日本体育協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」(2013)より

作業者に関する指針
「作業者に関する指針」については、関連情報とあわせて、下記、厚生労働省のホームページをご参照ください。

■熱中症を防ごう!
■職場における労働衛生対策(熱中症予防対策)

白内障手術で高齢ドライバーの交通事故が減少か わかります!

白内障手術で高齢ドライバーの交通事故が減少か
わかります!

50万人以上のカナダの高齢者を対象とした研究から、白内障の高齢ドライバーが手術を受けると交通事故のリスクが9%低下することが分かった。

リスクの低下度はわずかではあるが、研究を実施したケンジントン・アイ・インスティテュート (カナダ)のMatthew Schlenker氏らは「白内障手術による視機能の改善は、自動車運転に伴う交通事故のリスク低下と関連することが示された」と説明している。

この研究結果は「JAMA Ophthalmology」6月28日オンライン版に発表された。

Schlenker氏らによれば、米国人の60〜70%が生涯で白内障を発症する。

唯一の治療法は手術で、米国では年間300万件以上の白内障手術が実施されているという。

Schlenker氏らは今回、白内障手術と高齢ドライバーの交通事故の発生率との関連について検討するため、2006〜2016年に白内障手術を受けたオンタリオ州における65歳以上の住民55万9,546人(平均年齢76歳、女性58%)の医療データと運転記録を調べた。

1人当たりの観察期間は5年間とし、白内障手術を受ける直前の6カ月間よりも以前の期間をベースライン期間、手術を受けた後を術後期間と定義した。

なお、ベースライン期間は平均で約3.5年だった。

その結果、患者1,000人年当たりの交通事故の発生率はベースライン期間の2.36件から術後1年間には2.14件に減少し、白内障手術の実施後には交通事故リスクが0.9%低下したことが分かった。

また、75歳超の高齢者に限るとリスクの低下度は14%とより大きかった。

さらに、年間に1件の交通事故を回避するのに必要な白内障手術は4,564件であることが推定されたという。

ただし、こうした白内障手術による交通事故の低減効果は、高齢者が自動車を運転している場合に限られ、同乗者や歩行者だった場合には認められなかった。

この研究は因果関係を証明したものではないが、専門家らは「納得できる結果だ」と評価している。

その一人で米ノースウェル・ヘルスの眼科医であるMatthew Gorski氏は、白内障では視界がかすむ、光を眩しく感じる、薄暗く見える、夜間に物が見えにくくなるといった症状が高頻度にみられることから、これらの症状は高齢ドライバーの安全性に大きく影響するのではとの見方を示している。

その上で、Gorski氏は「高齢者はこの研究結果から、視力になんらかの変化があれば眼科医の検査を受ける必要があることを再認識するはずだ。

また、この結果は、40歳を超えたら年1回の眼科検診を受けることの重要性を改めて示している」と話している。

別の専門家で米レノックス・ヒル病院のMark Fromer氏は「この研究は、高齢者が白内障手術を受けて視力が改善すると、交通事故が減るだけでなく社会経済的な負担の軽減にもつながる可能性を示している」とコメントしている。
(HealthDay News 2018年6月28日) https://consumer.healthday.com/…/cataract-surgery-tied-to-f… Copyright コピーライトマーク 2018 HealthDay. All rights reserved.

2018年08月22日

ピロリ除菌は積極的に! ピロリ除菌後の胃がん発癌例は死亡率が低い

ピロリ除菌は積極的に!
ピロリ除菌後の胃がん発癌例は死亡率が低い

m3.com編集部 2018年7月18日
 胃癌の発症と関連の深いHelicobacter pylori(H. pylori)だが、除菌治療が成功したにもかかわらず後に胃癌が発見されることがある。

しかし、そうした患者では、H. pylori陽性の癌症例よりも死亡率が低いことが、とよしま内視鏡クリニック(東京都)院長の豊島治氏、さきたに内科・内視鏡クリニック(千葉県)院長の崎谷康佑氏らによって、Helicobacter(6月20日電子版)に報告された。

除菌治療に成功した患者は定期的に内視鏡検査を受けており、それが良好な予後につながっているという。

論文の概要と、筆頭著者である崎谷氏へのインタビューを紹介する。(m3.com編集部・小島領平)

胃癌患者160例を調査

 崎谷氏らは今回、とよしま内視鏡クリニックで胃癌と診断された160例(男性90例、平均年齢64.6歳、平均BMI 22.5kg/m2)を対象に調査を実施。

H. pyloriへの感染状態は53例が除菌成功、89例が陽性(除菌失敗を含む)、12例が自然除菌、6例が非感染だった。

 平均3.5年(最大11.7年)の追跡期間中に11例(7%)が死亡し(胃癌7例、肺炎1例、心筋梗塞1例、咽頭癌1例、老化1例)、内訳は陽性群10例(群内11%)、自然除菌群1例(同8%)で、除菌成功群と非感染群はゼロだった。

 検討の結果、除菌成功群では、陽性群に比べて胃癌の早期発見(ステージI)の割合が高く、胃癌診断前の2年以内に内視鏡検査を受けた割合も高かった。

多変量解析を実施したところ、胃癌診断前の2年以内に受けた内視鏡検査が、胃癌の早期発見に関連していることが分かったという。

 m3.comに対し、豊島氏は「H. pyloriの除菌が胃癌による死亡も抑制している可能性を示したことは、大きなインパクトがある。

除菌後、定期的に内視鏡検査を受けて胃癌を早期発見できることが明らかになり、除菌後の診療における内視鏡検査の重要性が示された」とコメント。

除菌後は胃癌が発見しにくくなるという指摘については、「当院では除菌後も多くの胃癌を早期に発見しており、発見しにくくなるのは一部の症例。
一般論ではないと考えている」とした。

筆頭著者・崎谷康佑氏に聞く
――胃癌発症率を比較するのではなく、胃癌患者の死亡率を比べるという観点が興味深く感じました。ここに着目した理由を教えてください。

 除菌後の胃癌発症率は他施設からも多く報告されていますが、「胃癌による死亡を避ける」という最終的な目標が達成されているかどうかについては、これまで報告が少なかったため、今回の研究を行いました。

――研究を行う上で苦労した点は?

 数多くの施設に胃癌患者の追跡を依頼するということで、開始前は困難を予想していました。

しかし、実際には共同執筆者の方々の施設(東京大学、慶應義塾大学、国立がん研究センター、がん研有明病院、虎の門病院、日本赤十字社医療センター、公立学校共済組合関東中央病院)では患者の追跡が、しっかりと的確に行われており、そのご協力のおかげで、研究はスムーズに進みました。

――結論として、除菌成功例は頻繁に内視鏡検査を行っており、それが早期発見、ひいては死亡率低下に寄与したとされています。
飛躍してしまいますが、除菌の有無にかかわらず、内視鏡検査を頻繁に行うことが重要という捉え方もできそうですが……。

 内視鏡の頻度によらない、除菌治療単独の胃癌死抑制効果については今後、症例数を増やした検討が必要です。

しかし、除菌治療が胃癌の頻度自体を減らすことは過去の研究から明らかなので、必ずしも「除菌をしなくても定期的に胃カメラさえしておけばよい」という結論にはならないと考えます。

アレルギーなどで除菌ができない方には、一般的には年1回の内視鏡検査が推奨されると思います。

関連リンク
Early detection of gastric cancer after Helicobacter pylori eradication due to endoscopic surveillance

「性行為中に死亡するリスクとは?」

「性行為中に死亡するリスクとは?」
呼吸器科医 倉原 優 氏が、ケアネット会員のために真面目なのに面白い、そんな医学論文を紹介します。

さて今回は、ちょっぴりオトナな感じの“おどろき”論文を紹介しましょう。

Lange L, et al.
Love Death-A Retrospective and Prospective Follow-Up Mortality Study Over 45 Years.
J Sex Med. 2017;14:1226-1231.

腹上死は男性の憧れ、なんて人もいるかもしれませんが、女性と愛し合っている最中に死ぬなんて残された人間からしてみれば、たまったもんじゃありません。

この論文は、膨大な剖検例のうち、性行為中に死亡した症例を抽出して解析した珍しい研究です。

――― 一体ベッドの上で何が起こったのか。

これはドイツのヨハン・ヴォルフガング・ゲーテ大学の法医学教室で行われた研究です。

1972年からの45年間におよそ3万8,000例の剖検が行われました。

さて、そのうち性行為中に亡くなった人数はどのくらいだと思いますか?

答えは、99人(0.26%)です。

ちなみに、この中には自慰(マスターベーション)中に死亡した30人も含まれていますのでご注意を。
自慰を性行為と表記していいのか迷うところですが…。

まぁ、それでも残りの人は間違いなく性行為によって死亡しているので、参考にはできそうですね。

同時期に発表された別の研究1)では、心停止4,557人中34人という報告があります。これだと、頻度は0.75%ということになりますね。

全体の1%はいないけれど、思ったよりも結構いるもんだなというのが正直な感想です。

さて、上記99人のうち、8人が女性で91人が男性でした。

ほぼほぼ男性に起こる現象と考えてよさそうですね。

女性の平均年齢は45歳で、男性の平均年齢は57.2歳でした。

死因は、28人が冠動脈疾患、21人が心筋梗塞、17人が再梗塞、12人が脳出血、8人が動脈瘤破裂、8人が心筋症、2人が急性心不全、1人が突然死(原因不明)、1人が心筋炎、1人が心筋梗塞+コカイン中毒でした。

ほとんどの剖検例では、心重量が増加しており、BMIも標準より高かったそうです。

つまり、メタボリックシンドロームを背景にした心臓血管系による死亡が多い、ということです。

性行為中の死亡が多かったのは、主に春夏の暖かい季節で、場所は故人の家であることが多かったそうです。

性行為のパートナーが同定できたケースを見てみると、34人の男性が売春婦との性行為により死亡しており、9人が妻、7人が愛人、4人がライフパートナーという結果でした。

自慰例も含めたデータではありますが、性行為による死亡は、基礎疾患として心血管系に問題がある男性に多いと著者は結論づけています。

それがリスク因子なのかどうかは別の解析をしないと何とも言えないのですが、おそらくリスク因子になるのだろうと私は考えます。

先ほど紹介した同時期の別の研究1)では、性行為関連心停止は、心室細動や心室頻拍が有意に多くみられ、これが死につながった可能性があると考えられています。

参考文献
1)Aro AL, et al. J Am Coll Cardiol. 2017 Oct 30. [Epub ahead of print]

倉原 優 ( くらはら ゆう ) 氏
近畿中央胸部疾患センター

2018年08月20日

腎臓病の「世界的流行」に専門家が警鐘 糖尿病患者(4億2200万人)の約2倍、がん患者(4200万人)やHIV/AIDS患者(3670万人)の20倍以上に上るとされるが、腎臓病に対する一般の認知度は低く、多くの人はその怖さを十分に理解していない

腎臓病の「世界的流行」に専門家が警鐘
糖尿病患者(4億2200万人)の約2倍、がん患者(4200万人)やHIV/AIDS患者(3670万人)の20倍以上に上るとされるが、腎臓病に対する一般の認知度は低く、多くの人はその怖さを十分に理解していない

腎臓病の患者数は世界で8億5000万人に達すると推計され、腎臓病はいまや世界的に流行していると専門家が警鐘を鳴らしている。

推計によれば、この数字は糖尿病患者(4億2200万人)の約2倍、がん患者(4200万人)やHIV/AIDS患者(3670万人)の20倍以上に上るとされるが、腎臓病に対する一般の認知度は低く、多くの人はその怖さを十分に理解していないという。

国際腎臓学会(ISN)現会長のDavid Harris氏と元会長のAdeera Levin氏は「腎臓病の世界的な蔓延に目を向けるときが来た」と話している。

腎臓病の初期段階では、ほとんど自覚症状がないため患者自身が気づきにくい。

また、腎臓病になると感染症、脳卒中や心筋梗塞などの心血管疾患、腎不全になるリスクが高まり、入院するリスクも増加するが、これらのリスクは一般にほとんど知られていない。

各国の推計から、世界中で男性の約10%、女性では12%近くが慢性腎臓病(CKD)に罹患していると推定されている。

また、透析療法や腎移植を必要とする患者は530万人〜1050万人と推定されるが、医療費や臓器不足などの問題で多くの患者は適切な治療を受けていない。

さらに、毎年1300万人以上が急性腎障害(AKI)を来たしており、その一部はCKDや腎不全に進行するとされる。

「今現在、得られているあらゆる情報から推定すると、世界の腎臓病患者は8億5000万人に上ることが明らかになった。

この数字が腎臓病の世界的な蔓延を意味するのは明らかだ」とLevin氏は述べている。

腎臓は血液中の老廃物や塩分を取り除き、体内の水分量や電解質のバランスを整えるほか、血圧を調節する、赤血球を作る働きを助けるなど生命維持に欠かせないさまざまな役割を担っている。

腎機能が低下した状態が長く続くと、さまざまな合併症をもたらすことにも注意が必要だ。

欧州腎臓・透析移植学会(ERA-EDTA)会長のCarmine Zoccali氏は「腎臓病患者は自覚症状がなくても脳卒中や心筋梗塞を発症したり、感染症を起こすリスクは高い」と強調する。

特にCKD患者では心筋梗塞などの心臓病の合併頻度が高く、2013年には、腎臓病の合併症として引き起こされた心血管疾患により120万人が死亡しているという。

米国腎臓学会(ASN)会長のMark Okusa氏は「世界の腎臓病患者の数は驚くほど多いが、一般の人々はそうした事実に気づいていない。

腎臓病患者の転帰は不良な場合が多く、医療費の増大にもつながっている」と話している。

なお、米国では透析患者にかかる年間の医療費は、患者一人当たり8万8,195ドル(約978万円)であるという。

(HealthDay News 2018年7月5日) https://consumer.healthday.com/…/850-million-people-worldwi… Copyright コピーライトマーク 2018 HealthDay. All rights reserved.

2018年08月19日

「放射線を浴びますけど大丈夫ですか?」 妊娠確認の素敵なフレーズ

「放射線を浴びますけど大丈夫ですか?」
妊娠確認の素敵なフレーズ
 「整形外科医のブログ」から

先日、外来看護師さんが、若年女性に素敵な声掛けしていたのでご紹介します。「女性をみたら妊娠していると思え!」は、医療従事者にとって常識です。

特に放射線被爆させてしまう単純X線像やCT撮影の際には、若年女性には必ず妊娠している可能性の有無を確認します。

しかし、妊娠確認を私のような男性医師が行うのは、お互い(医師・患者さんとも)嫌なものです。
このため、外来看護師さんに妊娠確認をお願いするケースが多いです。

しかし、同じ女性同士だからといって、開けっぴろげに「妊娠している可能性はありますか」と訊くのはデリカシーがありません。

このあたりの対応に関しては、以前から改善が必要だと感じていました。
ところが、今回の外来看護師さんは「放射線を浴びますけど大丈夫ですか?」と確認していました。

なるほど、この訊き方だと「妊娠」というキーワードを使用せずに済みます。
放射線を浴びる=妊娠しているとマズい という等式を思いつかないリスクは皆無ではありません。

2018年08月18日

早く行きたい!



ヒトの脳は「脂質+糖質」を好むようにできている 「現代人が食べるほとんどの食品は脂質と糖質の両方を多く含んでいるが、 こうした食品は母乳を除けば自然界には存在しない」

ヒトの脳は「脂質+糖質」を好むようにできている
「現代人が食べるほとんどの食品は脂質と糖質の両方を多く含んでいるが、
こうした食品は母乳を除けば自然界には存在しない」

提供元:HealthDay News 公開日:2018/07/10

 ヒトの脳は、本能的に脂質と糖質の組み合わせを好むようにできている可能性のあることが、米イェール大学精神科のDana Small氏らによる研究で示唆された。

この研究では、脂質と糖質のいずれかを多く含む食品よりも、ファストフードや加工食品などの両方を含んだ食品の方が、脳内の報酬系のシグナル伝達を増強することが明らかになったという。

詳細は「Cell Metabolism」6月14日オンライン版に掲載された。

 これまでの研究で、食欲を司る脳領域に空腹感や満腹感を伝えるシグナルは、主に腸管から伝達されることが分かっていた。

一方、最近の研究では、脂質を摂取したときと糖質を摂取したときでは、異なるシグナル伝達経路が使われることも示されている。

こうした結果を踏まえ、Small氏らは、脂質と糖質の両方を含む食品を摂取すると、
カロリーは同じだが一方だけを含む食品を摂取するよりも、
相乗作用によってシグナル伝達系への影響が強まる可能性があると考え、今回の研究を実施した。

 研究では、健康なボランティアを対象に
(1)キャンディーなどの糖質を多く含む食品、
(2)ミートボールやチーズなどの脂質を多く含む食品、
(3)クッキーやケーキなどの糖質と脂質の両方を多く含む食品のいずれかの写真を見てもらい、
MRIによる脳画像検査を実施した。

なお、対象者には、オークションで競り落とせば自分が好きなものを食べることができると説明した。

 その結果、脂質+糖質を多く含む食品に対して最も高額な値が付けられた。

また、脳画像検査の結果、脂質+糖質を多く含む食品の写真を見せられた際に、
自分の好きな食べ物や、
より甘い食品やより高カロリーな食品、
量が多い食品の写真を見せられたときよりも、
報酬系を司る脳領域の神経回路が活性化していた。

 この結果について、Small氏は「脳内の報酬系は単純にカロリー量の増加に応じて活性化するわけではないことが分かり、驚いた」と話す。

また、今回の研究では、脂質が多い食品のカロリーを推測できる人は多いが、
糖質が多い食品のカロリーを推測できる人は少ないことも明らかになった。

このことから、同氏は「多くの人は、脂質と糖質の両方を含む食品から正確にカロリーを推測することは難しいと思われる」と述べている。

 Small氏は、脂質と糖質を多く含む食品は、ヒトの食欲を司るシグナルを“ハイジャックする”と表現する。

「現代人が食べるほとんどの食品は脂質と糖質の両方を多く含んでいるが、

こうした食品は母乳を除けば自然界には存在しない」と説明し、

「現代的なこれらの食品が脳内の報酬系のシグナル伝達をより増強するのであれば、肥満や糖尿病が蔓延していることの説明がつく可能性がある」との見方を示している。

 専門家の一人で米レノックス・ヒル病院肥満外科部長のMitchell Roslin氏は、この研究結果について「食べ過ぎに気づかずに、スナック菓子を一袋食べてしまう理由となるものだ」とした上で、

「消費者には、自分の空腹感や満腹感に従うのではなく、適切な食品を選ぶように啓発する必要がある」と話している。

米ロサンゼルスの管理栄養士であるMascha Davis氏は、ドライフルーツやナッツなどを含む健康に良いおやつを常備しておけば、脂質と糖質を同時に摂取でき、満腹感も得られるとアドバイスしている。

[2018年6月14日/HealthDayNews]Copyright (c) 2018 HealthDay. All rights reserved.

原著論文はこちら
DiFeliceantonio AG, et al. Cell Metab. 2018 Jun 6. [Epub ahead of print]
タグ:糖質 脂質 間食
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田中松平
元消化器外科医で,頭からつま先まで診れる総合診療科医です. 医学博士 元日本外科学会認定指導医・専門医, 元日本消化器外科学会認定指導医・専門医, 元日本消化器内視鏡学会専門医, 日本医師会認定産業医, 日本病理学会認定剖検医,
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