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2018年09月12日

これからのチカラ

集中的な8週間のマンツーマン訓練で、最先端のAIエンジニアを目指す

2018年09月11日

レム睡眠行動異常症,幻視が特徴的な認知症 パーキンソン病の亜系,レビー小体型認知症

レム睡眠行動異常症,幻視が特徴的な認知症 パーキンソン病の亜系,レビー小体型認知症
レビー小体型認知症ガイドライン、大幅改訂の中身  2018年08月21日 06:10

 大阪大学大学院行動神経学・神経精神医学寄附講座教授の森悦朗氏は、
2017年に大幅改訂されたレビー小体型認知症(DLB)の国際臨床ガイドライン(Neurology 2017; 89: 88-100)について診断と治療のポイントを第33回日本老年精神医学会(6月29日〜30日)で解説した。

診断基準では、中核症状がレム睡眠行動異常症(RBD)を新たに加え4つとなり、
指標的バイオマーカーが
MIBG心筋シンチグラフィ、
睡眠ポリグラフィを加え3つとなったことが大きな変更点。

「これまでの診断基準では感度、特異度ともに約80%だったが、新基準では特異度を落とさずに感度が向上するものと期待されている」と強調した。

レム睡眠行動異常症(RBD)があれば、probable DLBと診断
 DLB国際臨床ガイドライン(GL)での診断基準は、中核的臨床特徴と指標的バイオマーカーを組み合わせて診断を行う。

森氏はまず、それぞれの中核的臨床特徴と指標的バイオマーカーについて詳述した。

 今回、中核的臨床症状に新たに加わったのがRBDで、
レム睡眠下で大声で寝言を言ったり夢の中の行動を実際に行ってしまったりする症状。

RBDを患者から、あるいは患者家族から訴えられることはまずないので、
認知症を疑っているときは問診で尋ねることが必要である。

RBDの確定診断には、指標的バイオマーカーに新たに加わった睡眠ポリグラフィによる筋活動低下を伴わないレム睡眠の確認が必要となる。

ただ、ほとんどの医療機関では実施できるところは少ない。
中核的臨床症状としては病歴からRBDの存在を確認できればいいことになっている。
RBDSQ-Jなどの質問票も活用できるという。

類縁疾患との鑑別のポイントは

 DLBを疑う認知機能障害の特徴としては、
アルツハイマー型認知症に比べ健忘が比較的軽く、
認知症検査のMini Mental State Eximination(MMSE)の総得点に比べ1項目である「7シリーズ」(100から順に7を引いていく検査)の得点が低いことなどがある。

MMSEの各要素の得点を使って導き出せるAla scoreでは、アルツハイマー型が「総得点に比べ注意・構成が良く記憶が悪い」領域に偏るのに対しDLBは「総得点に比べ注意・構成が悪く記憶が良い」領域に偏り、両者を判別するのに役立つ。

森氏は「これで6〜7割は鑑別できる。確定診断はできないが、疑うきっかけにはなる」と述べた。

 DLBを疑う精神症状としては、幻視、実体意識性、誤認妄想などがある。
「認知症の場合、幻視の有無は本人・家族に必ず尋ねる」と同氏は強調。

「幻視」だと本人・家族が気付いていない場合もあるので、
「視力はどうですか? 変なものは見えますか?」などと注意深く問診すべきとしている。

「何者かが確実にいる」などという感覚体験の実体意識性は幻視とは区別される。

また、「自宅が自宅でない」などという誤った認知(誤認妄想)も幻視とは別だが、両者が伴うこともある。

 パーキンソニズムは、DLBで頻繁に見られる症状。

軽症でパーキンソン病の診断基準を満たさないこともあるので、寡動、静止時振戦、筋強剛のいずれか1つを満たすだけでも中核的臨床特徴と見なせる。

 パーキンソニズムが唯一の中核的臨床特徴であった場合は、指標的バイオマーカーのDATイメージングで異常があり、進行性核上性麻痺などのパーキンソニズムを呈する他の疾患と鑑別できればprobable DLBと診断できる。この鑑別にはMIBG心筋シンチグラフィが役立つとしている。

アセチルコリンエステラーゼ阻害薬は慎重に十分量まで増量する

 DLBに対する治療は薬物の中でもアセチルコリンエステラーゼ阻害薬が中心となる。
メタ解析では、ドネペジルがMMSEを有意に向上させた結果が報告されている(Am J Psychiatry 2015; 172: 731-742)。
一方、精神症状に対しては有意な効果は認められなかったが、森氏は「ある程度有効だという経験と合致している」とした。

 ドネペジル5mgで非反応の症例に対し10mgに増量するとMMSE、精神症状ともに有意に改善することが報告されている(Alzheimers Res Ther 2015; 7: 5)。

また、ドネペジルの血中濃度とMMSEが有意に相関することも報告されている(J Neurol Sci 2016; 366: 184-190)。

これらのことから、同氏は「ドネペジルは十分量を使うことが必要。
しかし、副作用のリスクもあるので慎重に行うべき」と指摘した。
実際、ドネペジルの血中濃度は投与量だけでなく、高齢も有意に影響することも報告されている。

(牧野勇紀)

2018年09月09日

がんゲノム医療は驚異的なスピードで進展を続けている。

がん遺伝子検査が収載目前、課題は?
がん関連3学会合同ゲノム医療推進タスクフォースの活動報告
2018年08月21日 06:05

 わが国でのがんゲノム医療の実装に向けて、
今年(2018年)4月、がん関連遺伝子パネル検査システムを用いた検査が先進医療として承認された。

同検査は、来年度には保険診療として中核拠点病院などで開始される見込みである。
保険収載を目前に控え、がんゲノム医療への期待が高まる一方、実施に当たっての問題が次々と明らかになっている。

そこで、わが国におけるがんゲノム医療の諸課題を解決し、臨床および社会実装に導くため、日本癌学会(JCA)、日本臨床腫瘍学会(JSMO)、日本がん治療学会(JSCO)の3学会による合同のゲノム医療推進タスクフォースが設置された。
第16回日本臨床腫瘍学会(JSMO 2018、7月19日〜21日)では、初の3学会合同のシンポジウムが開催され、慶應義塾大学一般・消化器外科専任講師の林田哲氏がタスクフォースの活動について報告した。

コスト算定が保険診療の成否を左右
 タスクフォースでは、昨年3月からがんゲノム医療に関わる諸問題を抽出し、これを是正する目的で既に3つの事業を開始している。

1つ目は、がんゲノム医療に関する正確な情報を国民に発信すること。
個々の患者の遺伝情報を治療に生かすことから、がんゲノム医療は患者をはじめ社会一般から万能感を持って受け止められている。
しかし実際には、遺伝子異常が判明しても治療薬は存在しないケースがあり、その場合でも費用負担は生じる。
こうしたネガティブな内容を含めた正確な情報発信の場として、がんゲノムネット(仮称)の設立を進めている。

 2つ目は、がんゲノム医療を保険診療として適切に運用するよう、科学性を担保しながらコストや枠組みなどについての提言を3学会合同で行うこと。
昨年11月には厚生労働省に対し、未承認診断薬を用いた検査に保険償還がなされている点の是正や遺伝子パネル検査に対する適正なコスト算定を求める要望書を提出している。

特にコストはその算定法を誤ると、がんゲノム医療の推進を阻むどころか保険収載と同時に衰退させかねない懸念があることから、タスクフォースでは保険承認に向けた厚労省の取り組みを注視しているという。

 3つ目は、がんゲノム医療を担う医師やメディカルスタッフの育成と教育。その一環として、3学会合同でゲノム医療に関するガイダンス・データベースの策定を進めている。
完成後もタスクフォースの管理下で、継続的なアップデートとアノテーション情報との統合作業を進め、ガイダンスを分かりやすく効率的に活用することを目指している。

 がんゲノム医療は驚異的なスピードで進展を続けている。
それ故、新たな問題が次々に現れ、解決すべき課題は刻々と形を変えていく。
それらにすばやく対処するタスクフォース(機動部隊)として、「今後もがんゲノム医療の課題解決と社会実装に取り組んでいきたい」と林田氏は意欲を示した。

2018年09月08日

眠る時に着るもの&パジャマの選び方とコツ

眠る時に着るもの&パジャマの選び方とコツ
寝付きがよくない人は、もしかしたら「着ているもの」が原因かもしれません。気持ちのよい睡眠を手に入れるために、パジャマや寝間着を見直してみましょう!

坪田 聡

執筆者:医師 / 睡眠ガイド 坪田 聡

日本を睡眠先進国にするため、正しい快眠習慣の普及に努める専門医

データで実証!実はすごい「パジャマ効果」


ワコールとオムロンが行ったパジャマと眠りに関する調査では、「パジャマを着るとよく眠れる」ことが分かりました。

まず、日中と同じ服を着たときに比べると、パジャマを着たときは寝つきにかかる時間が約9分短くなりました。
睡眠薬を飲んでも平均して10〜20分しか短くなりませんから、「パジャマ効果」はかなり大きいと言えます。

また、パジャマを着ると、夜中に目覚める回数も減ります。

普段の服装で眠った場合、夜中に目覚める回数は平均3.54回でしたが、パジャマを着ると平均3.01回となり、約15%も減りました。

パジャマは、日中の服と違って体への締め付けが少なく、生地も肌触りが良いものを使っています。これらの要素が心身をリラックスさせ、寝つきを良くし、夜中に目覚めにくくすると考えられます。

また、パジャマに着替えることが、「スリープセレモニー(入眠儀式)」になっている可能性もあります。
スリープセレモニーとは、眠る前に行う一定の行動のことです。
スリープセレモニーを行うと、気持ちが落ち着いてきて自然と眠る準備が整います。

パジャマを選ぶ時の3つのポイント
パジャマの選び方
パジャマは素材をしっかり選ぼう


1.吸水性と速乾性が高いこと
私たちは、体温が下がると眠くなります。眠っている間も体温は下がり続け、目覚める少し前から上がり始めます。
体温を効率よく下げるためには、かいた汗を素早く蒸発させる必要があります。
暑い時に大量の汗をかくと、汗が蒸発できなくなります。ですから、パジャマが汗をすばやく吸収してさっと乾いてくれると、体温がしっかり下がって熟睡できます。素材としてはシルクやコットンなどの天然素材がお勧めですが、最近ではよい人工素材もあります。

2.柔軟性があること
心身ともに十分リラックスできないと、快眠できません。
ゴワゴワした素材の服を着て眠ると、皮膚の刺激が強くてあまりリラックスできず、あまりよく眠れないのです。
新しくパジャマを買うときには、触ってみて、「柔らかくて気持ち良い」と感じるものを選びましょう。

3.表面がなめらかなこと
柔らかい素材でできていても、表面がデコボコしたものは避けた方が無難です。
普通の人は一晩で10〜30回ほど寝返りをします。
寝返りには、睡眠の種類や深さを切り替えるスイッチの働きがあります。
パジャマの表面に凹凸があると、自然な寝返りが妨げられて熟睡できないことがあり、注意が必要です。

あなたもお気に入りのナイトウエアを見つけて、今日からグッスリお休みください。
posted by 田中松平 at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 睡眠

2018年09月07日

「便潜血陽性」は大腸がん以外だけじゃない! 便潜血反応が陽性だった人では、陰性だった人と比べて大腸がんによる死亡リスクが7.79倍、大腸がん以外の原因で死亡するリスクも1.58倍!

「便潜血陽性」は大腸がん以外だけじゃない!
便潜血反応が陽性だった人では、陰性だった人と比べて大腸がんによる死亡リスクが7.79倍、大腸がん以外の原因で死亡するリスクも1.58倍!

提供元:HealthDay News 公開日:2018/08/15

 大腸がん検診では、便に血が混じっていないかを調べる便潜血検査が広く行われている。

今回、新たな研究で、便潜血反応が陽性であると大腸がん以外にも深刻な疾患が隠れている可能のあることが示された。

大腸がん検診を受けた13万人を超える男女を分析した結果、便潜血反応が陽性だった人では、循環器疾患や呼吸器疾患、アルツハイマー病など多岐にわたる疾患による死亡リスクが高いことが分かったという。

詳細は「Gut」7月16日オンライン版に掲載された。

 今回の研究では、英スコットランドで2000年3月から2016年3月にかけて、便潜血検査による大腸がん検診を受けた50〜74歳の男女13万4,192人を対象に、2016年3月まで追跡して便潜血検査の結果(陽性または陰性)と死亡率との関連を調べた。

 参加者のうち2,714人で便潜血検査の結果が陽性であった。

解析の結果、便潜血反応が陽性だった人では、陰性だった人と比べて

大腸がんによる死亡リスクが7.79倍であったほか、

大腸がん以外の原因で死亡するリスクも1.58倍

であることが分かった。

 また、便潜血反応が陽性だった人では循環器疾患や呼吸器疾患、大腸がん以外の消化器疾患のほか、アルツハイマー病や精神神経疾患、血液疾患、内分泌系の疾患、大腸がん以外のがんによる死亡リスクが上昇していることも明らかになった。

なお、高齢者や所得が低い人、男性、アスピリンなどの抗血小板薬を服用している人で便潜血反応が陽性となる確率が高かったという。

 研究を率いた英ダンディー大学ナインウェルズ病院外科教授のRobert Steele氏は、今回の研究は観察研究であるため因果関係を証明するものではないが、体内に起こる炎症が腸管出血の引き金になっているのではとの見方を示している。

同氏によれば、慢性的な全身性の炎症は多くのがんやアルツハイマー病を引き起こすというエビデンスがあるという。

米ニューヨーク大学(NYU)ランゴン医療センター内科臨床教授のMarc Siegel氏も、Steele氏の考えに同意し、「過体重やインスリン抵抗性、運動不足、栄養不足などが体内の炎症に関与することも分かっている」と指摘している。

 一方で、研究論文の付随論評を執筆した米スタンフォード大学医学部内科教授のUri Ladabaum氏は「便潜血検査の実施は大腸がん検診に限定すべきだ」と強調する。

便潜血検査は初期の大腸がんや前がん病変を発見し、大腸がんによる死亡リスク低減を目的とするもので、それ以外の疾患については便潜血検査以外の情報で十分評価できるという。

同氏は「大腸がん以外の疾患のリスクを評価するには、便潜血検査を用いるのではなく、プライマリケア医が日常診療で対処すべきだ」と話している。

[2018年7月16日/HealthDayNews]Copyright (c) 2018 HealthDay. All rights reserved.

原著論文はこちら
Libby G, et al. Gut. 2018 Jul 16. [Epub ahead of print]

2018年09月06日

Q 熱中症を予防するためのイオン補水液(ORS)の飲ませ方がありますか? A 脱水,塩分補給,涼しい環境

Q 熱中症を予防するためのイオン補水液(ORS)の飲ませ方がありますか?
A 脱水,塩分補給,涼しい環境
,熱中症予防のためのビデオがあります
投稿者 : DB 2018/07/28
職場でもガラス工場など高温環境は結構あるので、昔から予防法を説いた教材は結構あります。

但し発汗量は環境によって違うので、適正な飲水量というのはありません。

熱中症とは、要するに

脱水になるか、
発汗による体温調節ができなくなるか、
電解質バランスが狂ってくるか

によって起こってくる急性のトラブルなのです。

あまり長期的な観点に立ちすぎて飲水量をコントロールしようとすると、予防も対処も出来なくなる気がします。

塩分にしても発汗で大量に失う状況で制限するのは現実的ではないと思います。

ORSに限って言うならば1回の飲水量をせいぜいひと口から100mLに制限するぐらいでしょう。

ガラス工場の産業医として働いた事がありますが、工場では伝統的に大量の麦茶と塩、飴、梅干しを用意しておいて、各自のペースで摂取させていました。

職場換気・局所的な冷房など、環境管理はもちろん徹底していましたが、それで作業中の熱中症は年間に1例もなかったと記憶しています。

熱中症予防の啓発ビデオは昔から出ていますので職場で購入してもらうのも一法かと思いますが、無料で日本政府が出しているものとか、YouTubeで配信されているもので医師監修のものでも良いと思います。
https://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg4868.html
https://www.youtube.com/watch?v=UZ03MiRuRbk

ORS の作り方
@水(湯冷まし)1L
A砂糖40g(上白糖大さじ4と1/2杯)
B食塩3g(小さじ1/2杯)
Cレモンやグレープフルーツの果汁数滴
@の中にA・Bを入れてよく溶かし、飲みやすい温度にしてからCを加える

2018年09月05日

腹痛患者への「反跳痛」は?

中山祐次郎の「切って縫うニュース」
腹痛患者への「反跳痛」は?
2018/8/9 中山祐次郎(総合南東北病院外科)

外科医・中山の意見

 まず基本的に、腹痛患者が来たら「パッと見」で、汎発性腹膜炎かどうか当たりがつきます。
汎発性腹膜炎、外科医は英語のpanperitonitisからパンペリと呼びますが、多くの外科医はちょっと患者さんを見たらパンペリかどうかすぐにわかるのではないかと思います。

言語化すると、
・ぐったりしている
・ベッドで同じ体位のまま動かない
・顔をしかめ目が閉じかけている
 という具合です。
これ、感度はそれほどでもないでしょうが特異度は高いと思います。特異度が高いとrule inできるのでしたね。9割方まず外しません。

 そしてここだけの話、こんな顔を見た瞬間に「うーん助手or執刀医に誰呼ぼう」「今日の麻酔科の当番の先生怖くなかったかなあ」「ICUベッド空いてたかなあ」と1秒くらいで思うわけです。

 それからファーストコンタクトをした医師のプレゼンをパパーっと聞き、問診をして腹を触ります。

 病歴と問診で、私の頭ではほぼ決着がついています。そして、ダメ押しとして腹を触るのです。
パンペリの人は、腹を出すために仰臥位になって服をめくる、その動きができないことも多く、そこでさらにパンペリを疑います。

 そしてパッと聴診をしたのちに、「どこが痛いですか?」と聞き、痛くないところからみていきます。

 まずは打診ですが、ここで「イタっ!」となることがあります。外科医は打診で腹膜が痛いのか腸管が張って痛いのかほぼわかるので、これだけでパンペリだな、と思うこともあります。

その場合は、もう1カ所くらい打診痛でみたら反跳痛まではやりません。
打診痛を広くやり、炎症を起こしている腹膜の範囲をみるのです。
上腹部だけか、右下だけか、全体か。ただ、これは腹部外科医以外は真似しないほうがいいでしょう。

 打診痛がはっきりしないと、今度は圧痛をみます。
これでたいして深く押し込まずに「イタっ!」となったら、やはり腹膜炎だなと思いますね。
ただ、このくらいの痛みのときは反跳痛もきっちり2カ所くらいではやっています。

 筋性防御は、基本的に反跳痛より時間的に後から出てきます。
ですから、筋性防御がある患者での、腹部の反跳痛のチェックは無意味です。
圧痛だけでめちゃくちゃ痛いので、反跳痛はむしろわかりにくくなることがあるからです。

 ここで注意が必要なのは、100人にひとりくらい、すごく痛みの表現が大きい人がいるということ。
そういう人のときは間違えやすいので注意が必要です。
時間をあけて診察したり、痛み止めを使ってから診たり、他の外科医にも診てもらうなどします。

まとめ
 以上、いろんな角度から反跳痛を見てきました。私の現時点での結論は、

 腹部の専門家以外は、腹痛を見たら反跳痛をほぼルーチンで行うべき

です。
 
 そしてもう1つ重要な点を。

 我々外科医は、常に診察→CT→オペでお腹の中を見る、で答え合わせをし続けています。ですから臨床経験が10年くらいになれば、腹部診察はかなりの精度になります。偉そうで恐縮なのですが、重要なことなので書いておきます。

触診や打診などの腹部診察は、外科医が行う場合とそれ以外の医師の場合で、まったく違う検査である

 まあ、そういうことはすべての診療科にあるわけですので、「餅は餅屋」ということです。繰り返しますが、これは外科医と他の科の医師の触診という行為の「違い」を示したもので、「優劣」を話しているわけではありません。

著者プロフィール

2006年鹿児島大学医学部卒。都立駒込病院外科で初期・後期研修後、同病院で大腸外科医師(非常勤)として勤務。2017年4月から総合南東北病院外科に勤務。消化器外科専門医、外科専門医、がん治療認定医、マンモグラフィー読影認定医。

2018年09月04日

心房細動は遺伝性がかなり強い疾患だった

BLOG: 古川哲史の「基礎と臨床の架け橋」
心房細動の遺伝的リスクのup-to-date
心房細動は遺伝性がかなり強い疾患だった 2018/8/1

 私は心房細動のプレシジョン・メディシンを目指した遺伝性の研究をしているのですが、今回心房細動の遺伝性に関するup-to-dateともいうべき論文が発表され、多くのことを学ぶことができました。
そこで、今月はこの論文を紹介したいと思います。

多人種の心房細動のゲノムワイド関連解析
Multi-ethnic genome-wide association study for atrial fibrillation
Roselli C et al. Nat. Genet. 2018 in press
心房細動は予想外に強い遺伝性を示す!
 心房細動は、心不全・高血圧などの心血管疾患の末期に合併する不整脈との捉え方が一般的で、遺伝性は少ないと考えられていました。

ところが、最近の臨床研究から心房細動の発症に遺伝的要因が関与することが示唆されています。
不整脈専門診療科を受診した心房細動患者の5%、他の心疾患を伴わない孤発性心房細動患者に限ると15%に家族歴が存在します。
フラミンガム研究では、片親が心房細動である場合は1.85倍、両親が心房細動である場合は3.23倍、心房細動に罹患しやすいことが報告されました。

 コモン疾患の遺伝性を客観的に求める方法として、双子研究と呼ばれる方法があります。
双子には、遺伝子が完全に一致する1卵性双生児と遺伝子が全く異なる2卵性双生児があります。
これら差から遺伝性を求める方法です。

心房細動では、デンマークの双子を使った双子研究があり、これによると心房細動では、遺伝因子の関与が62%、環境因子の関与が38%と算出されました。コモン疾患では遺伝性が50%を超えるとかなり高いと考えられるので、この心房細動の遺伝性は極めて高いといえそうです。

心房細動は、臨床経験からイメージしていたのと違って、遺伝性がかなり強い疾患だというわけです。

心房細動に関連する遺伝的リスクが3.5倍に!

 今回の研究は、50以上のゲノムワイド関連解析(GWAS)から抽出した6万5446人の心房細動患者と50万人近くの非心房細動患者を対象としたとても大規模な研究です。

84.2%がヨーロッパ系人、12.5%が日本人、2%がアフリカ系アメリカ人、1.3%がヒスパニックです。
全部で832万8520個のコモン1塩基多型(SNPs。マイナーアリル頻度[MAF]5%以上)、288万4670個の低頻度SNPs(1%<MAF≦5%)、93万6779個のレアSNPs(MAF≦1%)が調べられました。

 その結果、94個の心房細動関連SNPsが同定されました。
今まで同定されていたのは27 SNPsだったので、心房細動関連SNPsの数が一気に3.5倍になったことになります。
これまでは心房細動の持つ遺伝性の25%が明らかになっていましたが、これで42%が明らかになりました。

 図1マンハッタンプロットというグラフで、一つひとつの点がそれぞれのSNPに相当します。横軸にSNPが存在する染色体、縦軸に心房細動との関連性を-log10(P)で示しています。上に行くほど心房細動との関連が強いことになります。マンハッタンの摩天楼のビルのように見えることから、マンハッタンプロットという名前が付けられています。

 少し見えづらいのですが、横の点線が遺伝統計学的有意基準のp=10×10‐8に相当し、これより上の点が心房細動関連SNPsということになります。赤が新しく同定された67個の心房細動関連SNPs、水色が27個の既知の心房細動関連SNPsです。既知の心房細動関連性SNPsの方が心房細動との関連が強いことが分かります。

本研究から分かったこと
 著者らは、このメタ解析の結果を用いて様々なバイオインフォマティックス解析を行っており、本当に多くのことが分かりました。
すべてをここで説明するわけにはいかないので、興味がある人は元論文にあたってください。ここでは、重要と思われることを幾つか紹介するにとどめたいと思います。

(1)多くが遺伝子転写制御領域に存在する
 ゲノムは約1%が遺伝子領域、残りの99%が非遺伝子領域です。
GWASはゲノム全体にわたる網羅的解析ですので、疾患関連SNPsの多くが非遺伝子領域に同定されます。
そのため、どの遺伝子に関係するのか、疾患とはどのように関連するのか、などはほとんど不明でした。

 著者らはバイオインフォマティクスを使ってエピゲノム解析を行い、94個の心房細動関連SNPsのほとんどがエンハンサーやサイレンサーなどの転写調節領域にあることを明らかにしました。

エンハンサーやサイレンサーは、遺伝子の転写を直接制御するプロモーターに影響を与える領域で、エンハンサーは正に、サイレンサーは負に調節します。
すなわち、これらの心房細動関連SNPsは遺伝子の転写を調節することで心房細動と関連しているのです。
また、これらの解析から個々のSNPsがどの遺伝子の転写制御に関わるかもある程度明らかになりました。

(2)SCN5A・SCN10A領域に複数の心房細動関連SNPs
 SCN5A・SCN10Aは、それぞれ心臓および心臓刺激伝導系のナトリウムチャネルをコードする遺伝子で、QT延長症候群、Brugada症候群、進行性心臓伝導障害などの様々な遺伝性疾患の原因遺伝子として同定されています。
同領域に3つの独立した心房細動関連SNPsが同定されました。

 SCN5A・SCN10AのSNPsは急性心筋梗塞後の心室細動の発症とも関係していることから、SCN5A・SCN10A領域は、QT延長症候群やBurugada症候群などの遺伝性不整脈から心室細動・心房細動などの一般的な不整脈まで幅広い、不整脈疾患の遺伝的リスク領域と考えることができそうです。

(3)多面性効果
 Pleiotropic effect(多面性効果)というと、スタチンのLDL低下作用以外の抗炎症作用や抗酸化作用などが有名です。筆者らはこの多面性効果の視点から、心房細動関連SNPsが他の疾患や特質と関連するのかどうか検討しています。

 正の相関を示すSNPsが赤、負の相関を示すSNPsが青で示されています。
身長、BMI、高血圧と共通するSNPsが多く見られます。
身長と共通点が多いというのは意外です。
心不全、脳卒中、徐脈、虚血性心疾患、高コレステロール血症、2型糖尿病などはそれほど遺伝的には共通性がないようです。
心房細動の環境因子の関与は38%なので、高コレステロール血症や2型糖尿病は遺伝的よりも環境因子として心房細動との関連が強いのかもしれません。

(4)抗不整脈薬の標的分子が心房細動関連SNPs
 (2)で説明したSCN5Aがコードするナトリウムチャネルは、シベンゾリンやピルメノールなどの心房細動で用いられる抗不整脈薬の標的です。
また、アミオダロン、ソタロールなどの標的となるカリウムチャネルをコードする遺伝子KCNH2の調節領域にも、心房細動関連SNPが同定されました。
これらのSNPsの機能、すなわちこれらのSNPsを持つと心房細動になりやすいのか、あるいはなりにくいのか、またこれらのSNPsがSCN5A ・KCNH2の発現を増やすのか減らすのかは分からないので、これまでの抗不整脈療法の妥当性が確証されたとはまだいうことはできません。

ですが、抗不整脈薬標的遺伝子の調節領域に心房細動関連SNPsが見つかったことは興味深い結果です。

(5)他の遺伝性不整脈疾患との共通性
 既出のSCN5AやKCNH2は他の遺伝性不整脈の原因遺伝子としても同定されています。
それ以外にも、カテコラミン誘発性多形性心室頻拍(CPVT)の2型の原因遺伝子CASQ2、GJA5、KCNJ2、MYH7、NKH2-5など、他の遺伝性不整脈の原因遺伝子の転写を制御する領域にも心房細動関連SNPsが同定されています。

 これらの遺伝子の遺伝子領域にSNPがあると遺伝性不整脈疾患となりますが、非遺伝子領域でこれらの遺伝子を調節する領域にSNPがあると、心房細動のリスクとなるようです。
遺伝性不整脈疾患とは違って、心房細動はもうちょっと雑多でファジーな疾患というイメージです。

おわりに
 著者らのコンソーシアムのグループは、今後も心房細動の遺伝性の残された58%を追求し続けるのかもしれません。
しかし。ここまで心房細動の遺伝性が明らかになってきたので、これをどう臨床に生かすのかを追求する流れが今後加速化するに違いありません。

2018年09月03日

がんのリスクが低下 夕食は午後9時までに,2時間以上経ってから就寝を!

がんのリスクが低下
夕食は午後9時までに,2時間以上経ってから就寝を!

公開日:2018/08/08

Timing of Dinner and Bedtime Tied to Increased Cancer Risk
Pam Harrison / Medscape 2018/7/25

午後9時までに夕食を済ませ、食事から2時間以上経ってから就寝することは、乳がんと前立腺がん両方のリスクを有意に低下させることがスペインの集団ベースの研究で示唆された。

これら2種のがんは、夜間シフト勤務との関連性がすでに示されている。

「本研究では、夜勤で見られるほど極端ではない、概日リズムで制御されている睡眠や食事のタイミングの変化が、長期的な健康への影響と関連し、世界で最も蔓延しているがんのリスクを増大させていることを示唆している」と治験責任医師らは述べている。

「これらの所見により、食事とがんの研究において概日リズムを評価する重要性が浮かび上がった」と医師らは付け加えている。

スペイン・Barcelona Institute for Global Health(ISGlobal)のManolis Kogevinas氏を筆頭とする著者たちは、過去の栄養とがんに関する研究においては、食べるタイミングよりも食物の種類(例:果物や野菜など)ならびに食事の摂取量に焦点を置いていたと述べている。

「夕食を早めの時間(午後9時前)に取り、夕食から就寝までの時間を長め(2時間以上)に空けていた被験者は、午後10時よりも遅くに夕食を取り、夕食から就寝までの時間が短かった被験者に比べて複合的ながんリスクが約25%低下した」と治験責任医師は記している。

この結果が確認されれば、「夕食の時間が遅い南ヨーロッパなどの文化において、この影響がとくに重大となりうる」と、Kogevinas氏は追記している。

本研究論文は、7月17日付International Journal of Cancerオンライン版に掲載されている。

この調査結果は、2008〜13年までの間、スペインの12地域で実施された集団ベースの症例対照研究であるMCC-Spain試験から得られたものである。

夜勤経験者を除外した後、乳がん患者1,205例および前立腺がん患者621例を対象として解析がなされた。

ほかに、スペインの同地域にあるプライマリケア施設からランダムに選んだ女性1,321人および男性872人を対照群とした。

また、被験者のクロノタイプ(朝型か夜型のどちらか)と、世界がん研究基金/米国がん研究協会(WCRF/AICR)のがん予防勧告にどの程度従っているかという情報についても評価した。

乳がんと診断された女性の約27%は生活習慣が健康的で、それがWCRF/AICRスコアにも反映されており、対照群の女性においてはその割合が31%であった。

前立腺がんと診断された男性と対照の男性被験者の間にも、同様の差がみられた。

「夕食(メインの夕食)から就寝までの時間を延ばすことで、がんのリスクは減る」と、Kogevinas氏らは報告している。

たとえば、夕食から2時間以上おいて就寝した被験者において、乳がん、前立腺がんを合わせたがんのリスクは20%低減した。

前立腺がんでは、乳がんよりもその効果が「わずかに明らか」であった。

同様に午後9時までに食事を済ませた場合も、午後10時以降に夕食を取った場合と比較して両種のがんのリスクが約20%低減したが、こちらもまた乳がんよりも前立腺がんのほうが、効果がわずかに明らかであった。

本研究では、2種のがんとクロノタイプとの関連性について評価し、朝型の人にとっては夕食から就寝までの時間を長く取ることが、最も予防効果が高いということを確認した。

朝型では、就寝まで2時間以上ある人において両がんのリスクが34%低減したのに比べて、夜型ではたった14%であったと論文には記されている。

予想を裏切らず、「がん予防対策をきちんと守ることが乳がん予防効果と関連し、対策をあまり守らなかった場合との差が出ることとなった」と筆者らは認めている。

この効果は、前立腺がんではあまり顕著でなかった、と彼らは加えた。

その上、がん予防勧告をきちんと実行した場合、夕食を取って2時間以上経過してから就寝した人では両がんのリスクが35%低減し、勧告にあまり従わなかった人でその割合はほんの10%であった。

ISGlobalの共同執筆者であるDora Romaguera氏は、食事のタイミングがどのように乳がん、前立腺がんのリスクに影響を及ぼすかを明らかにするには、ヒトでのさらなる検討が必要であると注意喚起している。

食行動

今回の結果に関してMedscape Medical Newsからコメントを求められたカリフォルニア州バーバンク・米国がん協会のMark Guinter氏は、食事のタイミングや頻度を含む食習慣の研究や、それらがいくつかのがんリスク要因および結果とどのように関連しているかには、長年関心を持っていたと述べている。

「私は以前、女性の過体重および肥満と朝食の摂取を検討する研究(未発表)に関わっていた」と、Guinter氏は詳しく述べた。

さらに、「朝食を取らない、あるいは朝食を毎日取る女性は、週に3〜4日朝食を取る女性よりも過体重や肥満になりにくいことが示された」と同氏は述べている。

また、同氏は、同試験で5年間追跡したところ、朝食をまったく取らない、または朝食を必ず取る女性は過体重や肥満になりにくいことが示された、と加えた。

MCC-Spain試験で得られた結果に関して、Guinter氏は、個人レベルでリスク因子を分析することが重要であり、国民全体がどのように行動するのかには関係ないだろう、と注意を促している。

動物における試験からは、摂食のタイミングが概日リズムに関わる遺伝子発現に影響しうることが示唆されている、と同氏は言った。

「こうした概日リズムの乱れは、遺伝子がどのように発現するかに依存して、害にもなり、また保護的にもなりうる」とGuinter氏は説明している。

「しかし、それらの遺伝子が発現される1つの手段として、全身性炎症の増大がある」と同氏は続ける。

「そこで、食事の摂取が概日リズムに影響し、それに続き日々の生理学的プロセスが影響を受けるという仮説は絶対に妥当である」と、同氏は述べている。

Guinter氏は、午後9時までに夕食を済ませ、夕食が終わる時間と就寝時間までの間を2時間取ることを勧めるのは時期尚早であると指摘した。

しかしながら、同氏は「これは関心の高い領域である」と言う。

「願わくは、これから結果が積み上がっていき、それを用いてさらにわれわれが研究を進め、生活習慣の改善とがん予防に役立つ勧告を導き出せるような研究がもっと実施できたらと思う」と述べた。

ISGlobal is supported by La Caixa Banking Foundation. The authors and Dr Guinter have disclosed no relevant financial relationships.

Int J Cancer. Published online July 17, 2018. Full text
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田中松平
元消化器外科医で,頭からつま先まで診れる総合診療科医です. 医学博士 元日本外科学会認定指導医・専門医, 元日本消化器外科学会認定指導医・専門医, 元日本消化器内視鏡学会専門医, 日本医師会認定産業医, 日本病理学会認定剖検医,
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