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2018年04月11日

鈴木亮平主演NHK大河ドラマ「西郷どん」第13回「変わらない友」







 4月8日の午後8時から、NHK総合(地上波)で、鈴木亮平主演NHK大河ドラマ「西郷どん」第13回「変わらない友」が放送されました(BSプレミアムでは午後6時から)。
 篤姫(北川景子さん演じる)の婚礼道具等を整える重要な役目を果たした西郷吉之助(鈴木亮平さん演じる)は、久しぶりに帰郷します。
 薩摩の自宅に戻ると、さっそく、家族や友人たちが質問攻めにします。「江戸はどんなところか?」「江戸では何をした?」という具合にです。
 しかし、吉之助の任務は極秘のものばかりで、いくら家族や親友と言えども安易に話せるものではありませんでした。主命でもあり、吉之助は「話せん」と口を閉ざします。
 それは吉之助の忠誠心や責任感からくるものでしたが、質問した側は失望感をあらわにします。
 なぜ我らに話さないのか。吉之助との間に、見えない溝のようなものが出来たと感じる人々。大久保正助(瑛太さん演じる)もその一人でした。
 お互いを「かけがえのない心友」だと思っている吉之助と正助だが、思いがすれ違っていきます。そのすれ違いは、再度の江戸行きの話でさらに大きくなりますが、クライマックスでは、二人の友情がさらに強固なものとなるのです。

 明治維新の後、「心友(とも)」は「強敵」となってゆくのです。強敵と書いて「とも」と読ませるような関係ではありますが、それは運命の皮肉。
 とはいえ、この幕末の動乱が始まる段階では、心友は心友のままです。
 





2018年04月09日

中村吉右衛門主演「鬼平犯科帳スペシャル 山吹屋お勝」

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 4月7日の午後8時から、CS放送の時代劇専門チャンネルで、中村吉右衛門主演「鬼平犯科帳スペシャル 山吹屋お勝」が放送されました。
 ある日のこと。長谷川平蔵(中村吉右衛門さん演じる)の従兄・三沢仙右衛門(橋爪功さん演じる)とその息子の初造(金田明夫さん演じる)父子が、平蔵の役宅を訪れた。
 何の用向きかと思えば、実は最近、仙右衛門が山吹屋という茶屋に通いつめ、そこで働いている女中のお勝(床嶋佳子さん演じる)という女をを嫁にもらいたいと言い出した、というのだ。息子の初造としては、茶屋に勤めている女など三沢家に相応しくないと思っているし、いきなりの話なので困り果てているという。一方の仙右衛門は、お勝に惚れぬいているため、平蔵に息子を説得してほしいと思っている。
 平蔵は笑いながら、「よし、引き受けた」と、その山吹屋のお勝という女ががどんな女性か見きわめてやろうか、と言って同心の木村忠吾(尾美としのりさん演じる)をともなって山吹屋を訪れた。
 平蔵はわざと姓名や店に来た理由を明かさず、お勝を呼んだ。平蔵たちの前に現れたお勝は、仙右衛門が語った通り女だったが、本当にまじめな女か見極めるために敢えて平蔵がお勝の手を握ったところ、笑顔を浮かべながら手首をひねってかわした。
 ふつうの女ならば、いきなり手を握られたら驚いて身を引くが、手首をひねるようなことはしない。このようなやり方は、「護身術」の心得のある女のものだ。
 だとすれば、お勝は武家育ちか、それとも……。
 不審に思った平蔵は、後日、念のために密偵の五郎蔵(綿引勝彦さん演じる)に相談し、お勝の素性を調べるよう命じた。
 五郎蔵は、元盗賊の密偵・関宿の利八(吉田栄作さん演じる)を使うことを考えた。利八は以前、平蔵に命を救われたことがあり、平蔵に恩義を感じていた。
 利八は五郎蔵の指示で、白子屋という大店の主人を名乗り、山吹屋を訪れ、お勝を呼んだ。
 利八に呼ばれて、利八が待っている部屋の隣に現れ、利八の声を聴いたお勝は、驚愕した様子で、とんでもないことを言い出す。
 「あなたはもしや、関宿の利八さんでは?」
 と。
 その名前を知っているのは盗賊関係の者しかいない。堅気の者なら知るはずもない。血相かえて利八がとびかかり、お勝の顔を見ると、なんとお勝の正体は、むかし、盗賊として彼といっしょに働き、男女の仲にまでなった「おしの」だったのだ。であった。
 この後、利八とお勝の消息はぷっつりと途絶えた。
 突然のことに、平蔵も五郎蔵も、わけがわからない。
 与力・同心だけでなく、おまさ(梶芽衣子さん演じる)や小房の粂八(蟹江敬三さん演じる)らも利八・お勝の行方を捜すことになった。
 やがて分かったことは、お勝(おしの)は、仙右衛門を狙った「引き込み」で、お勝(おしの)を使っている盗賊の頭は凶賊の「霧の七郎(平泉成さん演じる)」だということ。
 五郎蔵は利八を「お頭(平蔵)に助けられた恩がありながら裏切った許せないやつ」と思い、一方の七郎はお勝(おしの)を「生かしておけない裏切り者」とみた。
 はたして、利八とお勝(おしの)はどこへ消えたのか。二人の運命と事件の顛末は?

 盗賊ながら、惚れた男に命をかけるお勝(おしの)。密偵となりながら、むかし愛した女の為に密偵稼業を捨て女を守り抜こうとする利八。そんな二人の激しい愛を床嶋佳子さんと吉田栄作さんが好演しています。
 余談ながら、五郎蔵が利八に「湯島天神近くに店を構える白子屋」と名乗らせたときに、「おっ?」と思いました。池波正太郎氏の小説の愛読者ならピンと来るはずです。湯島天神ではなく神田明神と言ったならばなおさら。が、結局、やはりといいますか、「仕掛人・藤枝梅安」に登場する「あの人物」とは全く関係ありませんでした。







「男と女のミステリー時代劇」第12話(最終回)「老いての楽しみ」

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 4月6日の午後10時から、CS放送の時代劇専門チャンネルで、「男と女のミステリー時代劇」第12話(最終回)「老いての楽しみ」が放送されました。
 骨董・小道具の店を経営している老人・善助(柴俊夫さん演じる)は、或る日、掏摸(すり)の被害に遭って困っているという女・つや(白羽ゆりさん演じる)を助けた。
 つやの身の上を聞いた善助は、初めて会った相手ではあったが、彼女に4両もの大金を用立ててやった。4両といえば簡単に出せる金額ではない。
 つやは、お礼にといって、或る儲け話をする。実は自分は博打の「壺振り」をしているが、その壺の中の目が分かるのだ、というのだ。だから、自分が「半」のときはこういう合図を、「丁」のときはこんな合図をと秘密の合図を送れば、博打に勝ち続けることができるのだ、と。
 そう誘われて、言われるままに賭場に出入りする善助。
 つやが言ったことは本当で、善助は勝ち続ける。
 面白くなってきた善助は、賭場に頻繁に通うようなる。
 しかし、これは仕組まれたことで賭場を取り仕切っているやくざ者の伝三郎(ユキリョウイチさん演じる)が自分の女・つやを使って善助を罠にはめようとしていたのだ。
 伝三郎は、善助の店を狙う商人と結託していて、善助の店をだまし取ろうとしていた。
 やくざ者の伝三郎に命令されて仕方なく善助に近づいたつやは、徐々に、善助に情が移る。
 善助は伝三郎らの企みを知り「最後の大博打」に打って出て、自分が勝ったら、おつやさんを自由の身にしてくれ、と言う。
 はたして、善助は自分の店を守り、つやをやくざ者から解放することが出来るのか?

 なんか、ミステリーものらしく趣向が凝らされたものとは全然違いますが、最後の賭けに入ってからが、安易な展開にならず興味深いものに感じました。
 善助が運の強い男だというわけでもなく、「力」で解決するわけでもなく、いかにも庶民的で善良な老人ですが、最後の最後で「あっ」と驚くことをします。「あっ!!」ではなく「あっ」ですが。
 そのあたりが何とも爽やかな作品にしています。



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2018年04月07日

緒形拳主演「必殺仕掛人」第21話「地獄花」

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 4月6日の午前9時から、テレ玉(地上波のテレビ埼玉)で、緒形拳主演「必殺仕掛人」第21話「地獄花」が放送されました。
 私は「必殺仕掛人」にみならず「必殺シリーズ」を繰り返しみていますが、この「地獄花」という話は特に印象に残っている話です。
 主人公の藤枝梅安(緒形拳さん演じる)は、殺しの現場を神谷兵十郎(田村高廣さん演じる)という浪人者に目撃されてしまいます。
 そして、それをネタに金銭を要求されます。
 「仕掛人」は、殺しの現場を見られてはならない。特に、裏稼業の者以外に見られてはならない。見られたならば、見た人間を抹殺しなくてはならない。それが掟なのだ。
 だから、梅安は神谷兵十郎の命を狙う。掟の為でもあり、生かしておいてはまた強請られるかもしれないと思ったから。
 しかし、夜道を追跡して、「立ちしょんべん」で隙を見せた神谷兵十郎を「仕掛」ようと瞬間、逆に斬りつけられ、兵十郎の剣客としての「凄腕」を見せつけられます。
 そこへ声をかけたのが仕掛人の元締の音羽屋半右衛門(山村聰さん演じる)です。
 「音羽の元締」こと半右衛門は兵十郎の腕を見込み、仕掛人の世界に誘います。
 乗り気のようには見えなかった兵十郎でしたが、やがて、半右衛門にごちそうになりながら、半右衛門話を聞きます。
 兵十郎は、けっして生活に窮していたわけではなかったのですが、武士としての誇りを捨てず、再仕官の道を探っていました。
 彼の妻の「しず」(金井由美さん演じる)は針仕事の内職で「越後屋」という商人の家に出入りしていました。越後屋は親切ごかしに「御主人の再仕官の世話を」と、しずに申し出ます。浪人暮らしから足を洗って再仕官するには、仕官運動の為の資金が必要でした。
 剣の腕だけでは再仕官は極めて難しい。再仕官には多額の金銭が必要だ。それは、兵十郎もじゅうぶん承知していることでした。
 或る晩、兵十郎はしずに言いました。おれに再仕官してほしいか、と。しずは、腹から吐き出すかのように強く本音を言いました。「浪人暮らしはもう嫌でございます!」と。
 同じころ、兵十郎の知人で同じく浪人暮らしをしている者が、喰いつめた挙句に罪を犯し、兵十郎の目の前で捕らえられる、ということがありました。
 兵十郎は決意します。音羽の半右衛門のもとへ行き、仕掛を引き受ける条件を言います。それは相当な金額でしたが、仕官の為の運動に必要な金額でした。
 このとき、梅安とともに音羽の半右衛門が頼りにしていた西村左内(林与一さん演じる)は不在でした。左内不在の間に仕掛の依頼がある。剣の腕がたつ男が必要だった半右衛門には、どうしても兵十郎の協力が欲しかったのです。
 半右衛門は兵十郎の要求通りの金額を出すと言います。
 さて、そのころ、しずに対して親切ごかしに「金を稼ぐ方法を教える」と言っていた越後屋は、その「金を稼ぐ方法」が何であるかを彼女に伝えます。それは、「一晩だけ、目をつぶっていただければ」というものでした。 
 つまり、一晩だけ、男に抱かれろ、ということです。
 どうやら、遊女相手ではなく、わけありの人妻を抱きたいという「好き者」がいて、越後屋にあっせんを頼んでいるらしい。
 もちろん、自らすすんで体を売るようなしずではありません。
 が、一晩だけのことなのに相当な金額が稼げるという。夫の仕官には金が必要だ。その金があれば、夫の仕官が叶うかもしれない。そうすれば、みじめな浪人暮らしから脱せられる。晴れて、武士らしい武士に戻れるのだ。
 「夫のために」自分が一晩だけ恥を忍べば……。
 しずは悩みます。
 そんな妻の葛藤を知らない兵十郎は、半右衛門、梅安とともに、仕掛の相手の邸宅へ向かいます。
 雪が激しく吹きすさぶ夜でした。
 仕掛ける相手は、永井監物(外山高士さん演じる)という、身分ある武士。
 監物の屋敷に乗り込んで、女と臥所を共にしている監物を仕留める兵十郎。布団の下で震えている女に声を掛けます。そなたに危害を加えるつもりはないから早く逃げろ、と。
 その兵十郎の声に、女は「ハッ?!」となります。
 監物に抱かれていた女は兵十郎の愛妻、しずでした。

 叫ぶしず。その騒ぎを聞きつけて、永井家の家臣・用心棒らが寝所に駆け付けます。
 兵十郎と梅安が吹雪の中、敵を倒しまくります。
 半狂乱になるしず。
 そして、しずと兵十郎に悲しい結末が待っているのでした。

 妻の願いの為に、あえて「一度だけ」殺し屋になる夫。夫の仕官の資金の為に、あえて自分の身を犠牲にする妻。お互いを想う気持ちは一緒だが、殺しの現場に偶然出会ったために起こった悲劇。
 夫婦がお互いの為を想って「大切なもの」を捨て「お金」を得る、というのはO・ヘンリーの「賢者の贈り物」を連想させるような設定・筋書ですが、この「必殺仕掛人」では、なんともやりきれない悲劇で終わっています。
 









 

「男と女のミステリー時代劇」第11話「上州からの客人」








 4月5日の午後10時から、CS放送の時代劇専門チャンネルで、「男と女のミステリー時代劇」第11話「上州からの客人」が放送されました。
 舞台は或る宿場町の旅籠。
 お米(鮎川桃果さん演じる)、お充(野村真由美さん演じる)、みの吉(柾木玲弥さん演じる)の三姉弟は、亡き親から受け継いだ旅籠の三春屋を必死に切り盛りしていた。
 ある日のこと、姉のお米が人殺しの罪だといって役人に捕まってしまう。殺された男とお米はケンカをしていたが、もちろん、お米は殺しなどしていない。
 だが役人たちはお米の言い分に耳を貸さない。
 その頃、三春屋に、瓢助(本田博太郎)という老人が客として来ていた。上州から来たというその老人は謎めいた雰囲気をもっていた。
 お充とその弟のみの吉は、向かいにある旅籠の池田屋の主人、清兵衛(ジジ・ぶぅさん演じる)や池田屋番頭の弁吉(大浦龍宇一さん演じる)らに「人殺しを出した責任をとって営業をやめろ」と迫られるが、そこへ瓢助が割って入って追い払う。
 瓢助はなにかと姉弟の相談に乗り助言する。
 しかし、みの吉は、姉のお米が無実の罪で捕まったのは池田屋の陰謀だと考え、清兵衛のあとをつける。その結果、一瞬のうちに清兵衛は何者かに殺され、その刺殺死体に駆け寄ったみの吉が清兵衛殺しの嫌疑を受けてしまう。
 窮地に追い込まれたみの吉。
 そこへ瓢助が現れ……。


 相当に個性的で、「怪しい」人物の役を演じることが多い本田博太郎さんが登場したので、「この冤罪事件を仕組んだのは瓢助?」と思われがちですが、やがて事件の黒幕の正体が判り、瓢助とその黒幕の関係も明らかになります。そして瓢助が上州から来た理由も。
 ミステリーのように始まりながら、時代劇らしく痛快な懲悪物語で終わっています。





2018年04月06日

「男と女のミステリー時代劇」第10話「深川お初」







 4月4日の午後10時から、CS放送の時代劇専門チャンネルで、「男と女のミステリー時代劇」第10話「深川お初」が放送されました。
 物語の冒頭で、惚太郎(篠原湊大さん演じる)という幼い男の子が登場します。
 惚太郎は切羽詰まった様子の母親・「たの」(高橋海幸さん演じる)に、押し入れに入っているよう、きつく言われます。 
 何があっても押し入れを開けてはならず、声を出してもいけない。そのように厳命され、人形を渡されます。この人形を母だと思えと。
 押し入れに入って息をひそめた惚太郎が、ちょっとした隙間から覗くと、母親が何者かに惨殺されてしまいました。
 翌日、役人がこの家を調べます。そして惚太郎を押し入れの中から発見しました。惚太郎はショックのあまり口がきけなくなっていました。
 水茶屋を経営しているお初(秋野暢子さん演じる)は、たのの姉だった。異母姉妹だということもあり、疎遠だったが、岡っ引きの弥太吉(伊藤克信さん演じる)に、他の身寄りのない惚太郎を預かってくれ、と、強引に頼まれる。
 おびえていて口も利かない惚太郎に、「あいさつぐらいしたらどうなんだい!」と口調強く言うお初だったが、母親を目の前で殺された衝撃で口がきけなくなったことを知り、渋々ながら家に入れる。
 その頃、お初の水茶屋に銀二郎(大谷亮平さん演じる)という男が客としてやってくる。水茶屋というものは男が女郎と遊ぶ場所だ。なのに銀二朗は、相手となった女郎のお蝶(岩井七世さん演じる)には全然触れず抱こうともしない。
 それでいながら泊まり続ける様子。
 惚太郎は犯人を見ている。犯人がそのことを知ったら、ここに来て口封じに惚太郎を殺そうとするかもしれない。
 まさか、銀二郎が?…。
 と、だんだん、怪しく思えてくるのだが、真犯人は別の者で……。

 真犯人は、親切ごかしに近づいてくる人間。そして、「怪しい?」と思われた 銀二朗の意外な正体がラストの方で判明します。
 また、最初の方では惚太郎を厄介者扱いしていたお初も、深い愛情持って接するようになります。




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2018年04月05日

「男と女のミステリー時代劇」第9話「鋳掛け屋」







 4月3日の午後10時から、CS放送の時代劇専門チャンネルで、「男と女のミステリー時代劇」第9話「鋳掛け屋」が放送されました。
 研屋の友吉(金子貴俊さん演じる)は、研屋という本業がありながら、下っ引きとして、岡っ引きの寅助(井田國彦さん演じる)とともに働くこともある。
 そんな彼には、人知れず恋仲になっている女がいた。後家のおふく(宮地真緒さん演じる)である。
 友吉は、ことあるごとに「いっしょにならないか」とおふくを口説いていたが、おふくはなかなか色よい返事をしない。
 そんなある日、おふくの家に盗人が入った。後家の一人暮らしの家にあったとは思えないほどの金が盗まれたということで、単なる物取りではないのでは、とおふくの周囲のものが調べられる。
 この事件は寅助と友吉が捜査を担当することになり、寅助は、「おふくには人知れずいい仲になっている男がいて、その男が怪しいのでは?」と考えた。
 その寅助の推理を聞いて、友吉は、自分のことがバレるのでは、とヒヤヒヤしてしまう。
 ところで、友吉の住む家の隣には鋳掛け屋の親子が住んでおり、友吉は何かと世話になっていた。とくに鋳掛屋の勘市(有福正志さん演じる)の娘おくみ(舞優さん演じる)は、優しく面倒を見る友吉になついていて、友吉の為に「なっぱ汁」を作るなど、世話を焼いていた。そのおくみが、おふくの家に唄を習いに出入りしていたことが分かる。
 友吉がいろいろとおくみに話を聞くと、顔に傷のある怖そうな男がおふくの家を出入りしていたとおくみが教えてくれた。
 顔に傷のある男はやくざ者で、おふくの情夫だということが分かり、友吉はその男と対峙することになるが…。
 盗人の真犯人が思わぬことで明らかになる。

 友吉のおくみに対する思いと、おくみの友吉への想いが何とも哀しく、切ない思いで終わる物語です。



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2018年04月04日

「男と女のミステリー時代劇」第8話「宿場の大盗」







 4月2日の午後10時から、CS放送の時代劇専門チャンネルで、「男と女のミステリー時代劇」の第8話「宿場の大盗」が放送されました。
 物語の舞台は或る街道の宿場。
 正右衛門(うじきつよしさん演じる)の宿屋に、江戸からといって捕り方二人がやってきた。伝八(中野英雄さん演じる)と幸吉(結城洋平さん演じる)である。
 同心と岡っ引きらしいが、役目によって来たにしては軽薄そうな者たちだ。
 その二人が言うには、正右衛門の宿屋に泊まっている客の中に、「大盗」といわれる盗人の丹次郎が潜んでいるはずだという。丹次郎とは何者かというと、大名や大店ばかりを狙う、当世の石川五右衛門と噂される盗賊だった。
 伝八と幸吉は、正右衛門の宿屋に泊まっている客すべてを足止めして一人ひとり改める、といった。客の中には、医者を名乗る木俣幸庵(池野武範さん演じる)、長唄の師匠という「杵屋左太夫」こと杵屋新吉(渡邊聡さん演じる)、行商人の栄三郎(生島翔さん演じる)、そして身分ありげな侍夫婦などがいた。
 彼ら宿泊客たちは、大広間に集められ、出身地、姓名などを聞かれたが、これといって不審な点はなかった。
 大広間に現れずにそのまま部屋にいた侍・与田庫之助(高木トモユキさん演じる)は、伝八たの言動に腹を立て、妻を名乗る女が取った刀(刀掛けから取った)を抜いて、伝八らを追い出した。
 しかし、いろいろ調べていくうちに、宿泊客たちの嘘がばれて、正体が明らかになっていく。
 はたして、大盗賊は誰なのか?

 まともな人間であると言い張っていた者たちの嘘が次々にバレ、ついにはどんでんがえしで、大盗の意外な正体が判明する。
 しかし、盗人の正体が判りながら、何故か、ラストは清々しく感じるものとなっていました。





2018年04月03日

中村吉右衛門主演「鬼平犯科帳」第7シリーズ第2話「男のまごころ」







 4月1日の午前9時から、CS放送の時代劇専門チャンネルで、中村吉右衛門主演「鬼平犯科帳」第7シリーズ第2話「男のまごころ」が放送されました。
 「鬼の平蔵」こと長谷川平蔵(中村吉右衛門さん演じる)の部下である火付盗賊改方の同心・田中貞四郎(片岡弘貴さん演じる)は、生真面目ではあるが融通の利かない性格のようで、同僚たちとも打ち解けず、同心としての実績はあまり目立つものではなかった。
 そんな彼がある日、火付けの犯人を捕まえた。
 蕎麦屋に火事があり、その蕎麦屋の金・八両が盗まれた。現場の焼け跡に亀吉(小倉久寛さん演じる)という男がボーッと立っていたので田中が使っている密偵の源助(大杉漣さん演じる)が捕まえ、田中と源助が取り調べを行い、自白させたのだ。
 自白したというその男は、「柏屋」という菓子屋の奉公人で、頭脳の働きは少々よろしくないが正直者で働き者だとの評判の青年だった。
 自白した後、他の鬼平の部下たちが亀吉を見ると彼の顔には激しく殴られた痕があった。そして「やったか?」と言われて薄ら笑いを浮かべて「へえ」というばかりだった。
 田中や源助がひどい拷問を行ったことは明らかだった。
 彼が火を付けたこと、八両の金を盗んだことを認めたことで、金の行方は分からないにもかかわらず、亀吉の火あぶりの刑が確定してしまった。
 処刑は間近に迫ったのを知りつつ、平蔵は「本当に亀吉がやったのか?」と不審を抱く。
 亀吉の周囲の者の話によると、亀吉は『鈍牛』とあだ名されており、火事場泥棒などできる人間ではないとのこと。
 平蔵は、奉行所に部下を派遣し待ったをかけ、処刑を延期するよう申し入れてこの事件を念入りに調べ直すことにした。
 
 亀吉が無実である可能性は大だったが、肝心の亀吉は、誰かをかばっている様子で、自分がやったと言い張る。
 はたして、誰をかばっているのか。かばっているとしたら、身寄りのない亀吉とその者との関係は?
 亀吉の哀しい生い立ちが明らかになり、クライマックスでは亀吉がかばった相手が明らかになるとともに不幸な人生を歩んできた亀吉の心情が分かり、平蔵が代弁します。





2018年04月02日

村上弘明主演、渡瀬恒彦出演「侠客 幡随院長兵衛」







 3月31日の午後8時から、CS放送の時代劇専門チャンネルで、村上弘明主演「侠客 幡随院長兵衛」が放送されました。
 塚本伊太郎(村上弘明さん演じる)は父を殺され、自身も複数の刺客に襲われます。
 それを助けたのが、旗本の水野十郎左衛門(渡瀬恒彦さん演じる)だった。
 伊太郎は江戸の町の口入屋・山脇宗右衛門(神山繁さん演じる)とその娘・お金(野村真美さん演じる)に傷の手当てを受ける。
 傷が回復する中で、父がなぜ殺されたか、自分がなぜ襲われたかを知る。それは肥前唐津藩主・寺沢兵庫頭の命令によるものだった。
 唐津藩の藩主は、正気の沙汰とは思えぬ暴虐ぶりで、領民も家臣も苦しめて、他人の妻や娘をおのれの淫欲の毒牙にかけ、家臣の諫めを聞かず、ちょっとでも気に入らない者がいれば殺そうとしていた。
 伊太郎はそんな暴君を父のかたきとし、命を狙う。
 旗本奴の頭領格である水野十郎左衛門は義侠心から伊太郎の仇討に協力しようとする。

 伊太郎はのちに幡随院長兵衛と名乗り、町奴の頭領格となり「侠客」の元祖ともいわれるようになります。町奴は旗本奴と対立し、旗本奴たちの憎しみを買うことになり、そのために幡随院長兵衛は水野十郎左衛門に殺された、といわれるのだが、このドラマでは、若いころの二人には熱い友情があった、としています。

 ドラマの中で際立っているのは唐津藩主・寺沢兵庫頭の暴虐ぶりです。とにかく酷い。狂気とか病的という以上のとんでもない行動です。
 そしてそのバカ殿に振りまわされる唐津藩士たち。
 対比的に、美しく描かれる伊太郎とお金の恋模様。
 さらには伊太郎と十郎左衛門の友情。

見ごたえのある作品です。



 

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