2015年12月25日
超初心者向け知的財産のお話 その48
かえるくんです
意匠の国際出願についてです。
パリルートは”その45”でお話したとおりですが、意匠にも
特許や実用新案のPCTのような制度があります、それが
”ハーグ協定”といわれるものです。
スキームはPCTとよく似ています。
実は日本でハーグ協定ルートの国際出願ができるように
なったのは今年(2015年5月31日から)のことです。
それまでは未締約でした。
先進国の日本が??と思うかもしれませんが知的財産権
は激しい利害のせめぎ合いの世界なのがわかります。
日本と同時期に発効した国があります、米国です。
ハーグ協定も国際条約なので何度も改定が行われてきました。
日米が締約したのは”ハーグ協定のジュネーブ改正協定”
というものです。
現在、49カ国が締約していますが、中国、英国、ロシア
カナダ、ASEAN諸国(シンガポール、ブルネイは締約済)も
検討中、つまり現在未締約です。
ハーグ協定ジュネーブ改正協定の出願スキームは以下の
ようになってます。
出願人は日本の特許庁経由(間接出願)もしくは直接WIPO
国際事務局に出願します。間接出願は書面のみですが直接
出願はオンラインでもできます。
出願の際は意匠権を取得したい締約国を指定して(図では3
カ国)、ジュネーブ改正協定で認められている3つの言語、
英語、フランス語、スペイン語のいづれかで書類をつくる必要
があります。手数料はWIPOに支払いますのでスイスフラン建て
のみ可能です、ドルでもユーロでも円でもだめです。
WIPOで出願が受理されると、方式審査などを経て、国際登録
後、通常6ヶ月(即時公表、遅延公表も可能)国際公表されます。
そして指定国へ出願される仕組みです。
次回はハーグ協定ルートのメリットなどのお話です。
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