アフィリエイト広告を利用しています
ファン
検索
<< 2020年06月 >>
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
最新記事
写真ギャラリー
最新コメント
タグクラウド
カテゴリーアーカイブ
プロフィール
マフィンさんの画像
マフィン
活字中毒。 ホラー、ミステリー、サスペンスの傑作小説や映画、テレビドラマをご紹介します。好きな作家はスティーヴン・キング、クライヴ・バーカー、トマス・ハリスなど。ご紹介するのは同性愛を扱ったものが多いです。腐女子。
プロフィール
日別アーカイブ

広告

この広告は30日以上更新がないブログに表示されております。
新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
posted by fanblog

2020年06月17日

『香水 ある人殺しの物語』パトリック・ジュースキントの小説の感想レビュー

▼アマゾン


パトリック・ジュースキントの『香水 ある人殺しの物語』をご紹介します。

ずば抜けた臭覚を持つ男のクライム・サスペンスです。

映画にもなった大ベストセラーです。




■ 目 次 ■




あらすじ

18世紀、革命前のパリ。

ジャン=バティスト・グルヌイユは類い稀な臭覚を持っている。

生まれてすぐに母親を失ったため、孤児院の劣悪な環境で孤独の内に成長した。

彼が関心を持っているのは香りのみ。

彼は完全に香りの世界に生きていた。

ある日、彼の臭覚は非常に魅力的な香りの流れを捉えた。

香りの源泉を辿っていくと、少女がいた。

その匂いの原理を我がものとしたい。

そう考えたグルヌイユは衝動的に少女を殺す。

やがて、彼は香水の調合師となった。

彼の作った香水は大評判となるが、グルヌイユは名声や金には興味がなかった。

彼には香りが全てだった‥‥。




香水という、甘美な夢の世界

パトリック・ジュースキント『香水』感想レビュー
(カッパリーナさんによる写真acからの写真)

この小説を読むと、香水についての考え方が変わります。

香水は単なる良い香りのする液体ではなく、

「壮大な交響曲」であり、ひとつの物語です。


「限りなく自由になった心地」「夢のようなこころよさ」、

満開のバラの茂み、鳥のさえずり、甘い夜風、

「魔法の国のような豊かな世界。」に誘われます。

また、

調合師としての技術的なテクニックも興味深いです。

よく知られた蒸留法の他、解離法や冷浸法などの解説もあります。

ちなみに冷浸法は、気温の低い部屋で冷たい油脂を塗った板か布に花を包んで

油脂に匂いを移す方法。4〜5日毎になん十回も花を変えながら、

何ヵ月もかかって、やっと手に入る量はほんの僅か。

でも、ジャスミンや月下香は、そのかぐわしさ、自然らしさの点で

この方法が一番なのだそう。


或いは、

スイートレモンやベルガモット、水仙など、そのまま空気にさらすと

数時間で芳香が失せてしまうものについては、

「早々と消え失せるものに紐をかけ、いわばその自在さをつなぎとめる。

とはいえ、自在さをきつく縛り上げては何にもならない。」

「そこで少々のシベットとヴァニラ、ラグナムゴム、糸杉のエキスを加えて固定」。

そして、宝石の利用の仕方と同じように、

麝香、シナモン、竜涎香のような半永久的ににおい続けるものと一緒に

色々な匂いで王冠を作るというのです。

香水の世界は、実に幻想的で、魅惑的な世界ですね。

なんだか今すぐ香水を買いに行きたくなりました(笑)。

パトリック・ジュースキント「香水 ある人殺しの物語」感想レビュー
(おかよんさんの写真ACからの写真 )





映画「パフューム ある人殺しの物語」

2006年トム・ティクヴァ監督により映画化されました。

ドイツ・フランス・スペイン合作映画。

映画キャストは以下の通り。

グルヌイユ : ベン・ウィショー(佐藤淳)

グルヌイユが弟子入りする調合師バルディーニ : ダスティン・ホフマン(谷口節)

リシ : アラン・リックマン(五王四郎)

ローラ : レイチェル・ハード=ウッド(世戸さおり)

ナレーション : ジョン・ハート(納谷六朗)


映像ではとらえられない香りをテーマにしていますが

香りの表現は上手いなあと思いました。

ストーリーは原作に忠実です。

主役のベン・ウィショーは、この映画で初めて見たけど、

ある意味純粋無垢なグルヌイユを巧みに演じていて

グルヌイユに同情したくなります。






ネタバレ(↓↓↓)

以下ネタバレですので、ネタバレ大丈夫な方のみ

文字の色を反転させてお読みくださいね。

少女の匂いにとりつかれたグルヌイユは、その香りを手に入れるため

次々に殺人を繰り返します。

そして、とうとう究極の香りを手にすることができます。

しかし、殺人罪で逮捕され、処刑されることに。

処刑当日、グルヌイユは自分で作った究極の香水を自分に振りかけます。

すると、殺人者への憎悪に沸いていた観衆が豹変。

手のひらを返したように、グルヌイユ好意を表します。

からくも極刑を逃れたグルヌイユ。しかし、子供の頃から

他人から一度も好意を向けられたことがない彼にとって

好意は理解できないものでした。

人々が彼に与えるものは憎しみしか知りません。

結局は自分を破滅させることが彼の望みとなりました。

究極の香りが完成した以上、もうこの世に興味はありませんでした。



グルヌイユが不憫なんですよね〜、このラスト。

望み通り旅立ったグルヌイユに、取り残されたような読後感でした。





ま と め

香りというとらえがたいテーマを扱った

非常にユニークなクライム・サスペンスです。


香りの表現は凄くロマンティックで優雅ですが

18世紀パリの劣悪な環境や、倫理観は悪臭ふんぷんたるもの。

この小説『香水 ある人殺しの物語』は、甘美な夢と残酷な人間社会を描いた物語です。




※最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。


■一ヶ月間無料動画配信サービスの口コミ記事はこちら


■アマゾン・プライムの特典とメリット、デメリットはこちら


【楽天】






【アマゾン】








ブログランキング・にほんブログ村へ









※当サイトは、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイトプログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。
posted by マフィン at 14:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画
×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。