2017年08月28日
コードブルー3rd第8話
【コード・ブルー 〜ドクターヘリ緊急救命〜 THE THIRD SEASON STORY8】
【孤独な夜】
藍沢耕作(山下智久)は天野奏(田鍋梨々花)のリハビリの様子を離れて見ていたがおはじきを裏返すことさえなかなかできない奏に声もかけられない
その日、灰谷俊平(成田凌)が駅のホームから転落し負傷して以来はじめて救命の職場に復帰した。灰谷の事故は睡眠薬の効き過ぎでホームから落ちたという説明になっていたが、白石恵(新垣結衣)らは灰谷が自殺しようとしていたのではないかと疑っていた。そんな空気を灰谷に悟られまいと普段通りでいようとするのだが、白石や藤川一男(浅利陽介)もぎこちなくなってしまう
そんな時、成田空港到着ロビーで男性が倒れたとドクターヘリ要請が入る。緋山美帆子(戸田恵梨香)名取颯馬(有岡大貴)雪村双葉(馬場ふみか)が現場に向かうと、男性はショック状態でエコノミー症候群が疑われるとのこと。名取がラインを取ろうと患者の腕に針を刺すとその刺激で患者が覚醒、突然暴れて腕を振り払った。そのせいで、名取は一度患者の体に入った針を緋山の指に刺してしまう。初療室に運び込むとその患者、堀内豪(天田暦)は吐血。エコノミー症候群ではなく何か別の要因があると考え橘啓輔(椎名桔平)は急遽スタッフたちにゴーグル、ガウン、マスクなどを着用するよう指示を出す。感染症研究センターにも連絡し堀内の検体を採取して送ることに。緋山は処置を続けるが顔色を失っていく。名取も気にしないではいられない
密かに緋山は藍沢に、名取のことには触れずに患者のラインを取る際あやまって針が指に刺さったと告げ、自身の血液サンプルも感染症研究センターに送って欲しいと依頼する。そこへ堀内がICUで亡くなったと冴島はるか(比嘉愛未)が告げに来た。堀内はジャーナリストで西アフリカ各国を回っており、自然保護団体の取材のため動物との接触もあったという…
《全面バックアップで医療監修を務めている千葉北総病院救命救急センターのブログより》
「針刺し事故」というのは実際の医療現場ではある一定の確率で起こってしまう事象で、もちろんその予防のため様々な対策が取られているのですが、なかなかゼロにはできない悩ましい事故なのです。今回は「エボラ出血熱」疑いでしたが、多くはウイルス性肝炎(B型、C型)やHIVなどが問題になります
緋山の針刺しは実際にも起こりえることです。放送では画面の切り替わりが早かったのでわかりにくかったかと思いますが、名取が静脈路確保のために留置針を刺そうとしたとき、患者さんは痛み刺激でそれを撥ね除けてしまいました。名取は針を患者さんから遠ざけようとしたのですが、聴診中の緋山の手にあたってしまったのです
では、これを回避できた可能性を探ってみましょう。二人とも患者さんの右側にいて距離が近かったですね。診察は患者さんの右側で行うのが普通なので、名取が緋山の反対側に位置すればよかったかも知れません。名取が針を刺す前に「痛いですよー」と声をかけなかったのも一因かも知れません。ただ、患者さんの意識レベルは呼びかけてかろうじて反応する程度だったので、声かけに予防効果があったかは分かりません。雪村が患者さんの腕を保持していれば避けられたかも知れません。誰が悪かったというわけではありませんが、救急の現場ではこんな細かい部分への配慮や予見をしながら診療を進める必要があるのです
第8話の医療シーンのメインは、フェロー達が川田慎一君(何故か灰谷にそっくりなのですが…)の脾損傷による仮性動脈瘤の破裂に対する治療場面です
仮性動脈瘤というのは、動脈壁は破壊されているのですが、出血が周囲の結合組織によって抑えられて瘤状になった状態を言います
病院に来た時点で診断できることもありますが、時間の経過とともに瘤が大きくなる場合もあります。慎一君は後者のケースであったと思われます。入院中に瘤が見つかればいいのですが、時には退院してから瘤が破裂することもあります。この場合には治療開始までに時間がかかりますから危険です。灰谷が慎一君に「何か」を感じていなかったなら、彼は自宅でショック状態に陥っていたことでしょう
治療は一般的に血管造影といって、動脈を造影剤で映しながらこの瘤にコイルなどを詰めて止血する方法が取られます
もう一つこのシーンでは「REBOA(レボア)」という言葉が出てきました。これは、resuscitative endovascular balloon occlusion of the aortaといって内腔でバルーンを膨らませて大動脈を遮断する方法です
“大動脈遮断”と言えば「コード・ブルー」では外科的に開胸して行うシーンが定番です。慎一君に心停止が切迫していたとき、普段であれば開胸下大動脈遮断を行って心停止を回避するところですが、近年ではREBOAがトレンドです
《音楽の重要性》
1stシーズン、2ndシーズンはストーリーとBGMのバランスが良かったのですが、3rdシーズンはストーリーとBGMが合わないシーンが多く残念です
第2話の藍沢が救急車の中で治療しているシーン、第4話の少年の首にバーベキュー用の串が刺さるという緊迫感のある手術シーン、そして『半人前の3人が揃うことで12歳の子供の命を救った』『救命はチームだ』藍沢先生の指導理念がフェロー達を成長させる第8話のメイン、フェロー達が少年の脾損傷による仮性動脈瘤の破裂に対する治療シーンを、またあのBGMが台無しにしてしまったと思う
不安、緊張、怒り、悲しみ、喜びなどの感情を音楽で奏でる重要性
ひとつのストーリーを音楽でみせることの重要性を理解していないのだろうか…
第8話平均視聴率15.4%
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