2017年08月22日
コードブルー3rd第7話
【コード・ブルー 〜ドクターヘリ緊急救命〜 THE THIRD SEASON STORY7】
【失敗の代償】
西条章(杉本哲太)の部長室を訪ねた藍沢耕作(山下智久)はトロント大へのレジデント候補の件を辞退すると伝えた。天野奏(田鍋梨々花)の術後経過が原因かと尋ねる西条に、藍沢は特に理由はないと部長室を出て行く。入れ替わりに来た新海広紀(安藤政信)は西条から藍沢の辞退を聞いて驚いた
救命フロアに向かう途中、藍沢は白石恵(新垣結衣)と会う。白石は奏の手術と救命の手術が重なったこと、藍沢が手術記録を書いていないことを心配していた。だが、藍沢は白石には関係ないと言ってその場を去る
緋山美帆子(戸田恵梨香)は緒方博嗣(丸山智己)のリハビリ中。間もなくリハビリテーション科に移る緒方のためだが、患者とは思えない手厳しさ。2人を夫婦みたいだと眺める名取颯馬(有岡大貴)は緒方のどこが良いのか? と、緋山をからかう
CS室では藤川一男(浅利陽介)が横峯あかり(新木優子)たちに医者を目指した理由を聞いていた。灰谷俊平(成田凌)は幼い時にドクターヘリに助けてもらった経験からと答える
そんな時、ドクターヘリ要請が入った。踏切事故で3人が負傷。すぐさまドクターヘリは現場へと飛び立つのだが、不測の事態が発生してしまって…
《全面バックアップで医療監修を務めている千葉北総病院救命救急センターのブログより》
第7話はこのドラマのもう一人?の主役であるドクターヘリが怪我を負ってしまいました。ドクターヘリで現場に向かうときには、患者の状態が無線を通して入ってきます。「ショック状態!」なんて情報を聴けば、医師・看護師のみならず、機長さん、整備士さんだって早く患者に接触したいと思うのは当然でしょう。何故なら、ドクターヘリのスタッフは早く治療を開始すれば救命の可能性がそれだけ高くなることを知っているからです。このことは北総救命のデータでも証明されています。それでも、ドクターヘリの安全な運航が優先されなければいけませんから、医療スタッフが機長に「急いでくれ」とリクエストすることは我慢しなければなりません。事故の原因が灰谷の言葉にあったかどうかはわかりませんが、ドクターヘリで現場に向かう医療者には、少なくとも機長の操縦に影響を与える可能性のある言動を控えることが求められているのです。今回は幸いにも深刻な事態には至りませんでした。しかし万が一、飛行中のヘリがこのような事態になった場合に搭乗者はどのような対応をすれば良いのか、北総救命のスタッフは毎日の出動待機前に安全管理の確認作業を行っています
白石は大島将さんのかすかな意識(これを「signs of life」と言います)にわずかな救命のチャンスを感じ取り、現場での「蘇生的開胸(resuscitative thoracotomy)」を決断しました
蘇生的開胸の目的は@胸郭内臓器の損傷に対する止血(修復)A大動脈遮断による出血の一時的な制御と脳血流・冠血流の維持、の2つに大別できます。@やAに加えて心マッサージが行われることもあります。第2話で藍沢が心損傷の心タンポナーデの解除と一時的止血のために行ったのが、この@の目的になります
第7話の場面では、白石の決断とほぼ同時に心停止に至ったために心マッサージのみが行われました。灰谷の懸命な心マッサージで大島さんの手が少しだけ動きます。私もその昔、開胸心マッサージ中に患者さんとほんの一瞬だけ、コンタクトが取れたことがあります。でも実際には、北総救命でさえも心停止してから蘇生的開胸を行って救命された例はありません
逆に、心停止前であれば心マッサージをしながらでも救命できた症例は何例もあります。心停止前に患者さんにアクセスできるかどうかが生死を分けることになるのです。つまり、ドクターヘリはそのチャンスを大きく増やす重要な医療ツールなのです
大動脈損傷の患者さんは病院にまでたどり着ければ救命の可能性が高くなります。大島さんには大動脈の断裂がありました。これではどんなに急いでも救命することは不可能です
白石と藍沢の蘇生中止の判断は間違っていません。医師2名のところに、重症患者2名、死者1名であれば、何を優先すべきか誰にでもわかることです。しかし、灰谷は諦めきれませんでした。人命救助に向かった人が死んでしまうなんてことが許せなかったのでしょう。ましてや結婚相手の声が聞こえればなおさらです。救急現場の辛い状況が伝わってくるシーンでした
《命から逃げない、藍沢先生より 賭けに負けたドクターへ》
『外科医を続けるなら賭けに勝ち続けろ』
『かつて、恩師から言われた言葉だ』
『たった一度の負けが人生を変えてしまうから…そう教わった』
『だが、本当は違う』
『医者が負けて、その代償をはらうのは、たいていの場合、患者だ』
『失われるのは患者の人生だ』
『医者の人生ではない』
『医者が賭けに負けて、大きな代償をはらわされた患者を見て、医者は思う』
『自分も何かを失うことで、背負った重荷をおろすことができれば、どんなにいいかと…』
『しかし、それは許されない』
第7話平均視聴率13.4%
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