2019年04月21日
想起法
前回は、平成30年(2018年)7月中に感じていた、
記憶力の低下による症状についてお伝えしました。
今回は、前回の続きです。
ちょうどこの頃、夫がおそらく意識的に、
私に過去の話をすることが多くなっていました。
その際に、ただ思い出話をするのではなく、
私の脳の海馬を刺激するため、
つぎのような試みをしてくれました。
1.たとえば、テレビ番組を見ている最中、
前に2人で行った地方の観光地が出てきたときに、
「ほら、ここは前に一緒に行ったところだけど、
覚えている? 地名の名前は何でしょう?」
とか、
「あの時、この場所で何を食べたでしょう?」
という風に、クイズ形式で名前を思い出させる問題を出す。
2.旅行の時に撮った写真などを私に見せながら、
「このとき、この場所で俺の知り合いに会ったんだけど、
その人は誰だったでしょう? その時に、
何を話したかも思い出してごらん」
という風に、過去の出来事を思い出させようとする。
すぐには思い出せませんでしたが、じっくり考えたり、
夫がヒントを出してくれると、
ぼやっとした感じで輪郭が浮き出てきて、
やがてその時の情景が浮かんだり、
パッと答えが脳裏に浮かんだりして、
割合、問いに答えることができました。
思い出しながら、脳が明らかに刺激されているという、
確かな手応えを感じていました。
夫も同じだったと思います。
また、私自身も夫との会話中、
2人が出会った大学時代の思い出や、
結婚前の出来事など、
古い記憶がぱっと頭に浮かぶことが時々ありました。
そんなときは、それを思い出しながら、
言葉にして夫に伝えるようにしていました。
不思議と、昔の記憶は最近の記憶よりも
ずっと思い出しやすく、
いつもは「あれ、何だっけ?」と、
途中で言葉に詰まることが多かったのですが、
思い出話をしているときは、
言葉がすらすら出てくることが多く、
ふだんとの違いをはっきりと感じました。
実は、病気になる前に新聞か何かで、
「想起法」といって、認知症患者に
昔のことを思い出してもらうと、
記憶力の回復や情緒の安定に
良い効果がある、という内容の記事を
読んだことがありました。
そのため、
「夫が今、私にしてくれているのは、
まさに『想起法』と同じ手法であり、
きっとこうしたやり取りを続けていたら、
今よりも記憶力が回復するに違いない」と、
内心、期待していました。
同時に、遠い過去のことだけではなく、
近い過去のことも思い出すようにしたら、
より良い効果があるのではないか。
そう思いました。
長くなりましたので、今回はこれで終わりにします。
ブログ記事の無断転載を禁じます。
このブログを気に入って頂けました場合、
Facebookなどでシェアして頂けましたら、
うれしいです。お願いします。
これまでの記事を最初からご覧になりたい方は、
こちらから→https://fanblogs.jp/hinketu/archive/3/0
記憶力の低下による症状についてお伝えしました。
今回は、前回の続きです。
ちょうどこの頃、夫がおそらく意識的に、
私に過去の話をすることが多くなっていました。
その際に、ただ思い出話をするのではなく、
私の脳の海馬を刺激するため、
つぎのような試みをしてくれました。
1.たとえば、テレビ番組を見ている最中、
前に2人で行った地方の観光地が出てきたときに、
「ほら、ここは前に一緒に行ったところだけど、
覚えている? 地名の名前は何でしょう?」
とか、
「あの時、この場所で何を食べたでしょう?」
という風に、クイズ形式で名前を思い出させる問題を出す。
2.旅行の時に撮った写真などを私に見せながら、
「このとき、この場所で俺の知り合いに会ったんだけど、
その人は誰だったでしょう? その時に、
何を話したかも思い出してごらん」
という風に、過去の出来事を思い出させようとする。
すぐには思い出せませんでしたが、じっくり考えたり、
夫がヒントを出してくれると、
ぼやっとした感じで輪郭が浮き出てきて、
やがてその時の情景が浮かんだり、
パッと答えが脳裏に浮かんだりして、
割合、問いに答えることができました。
思い出しながら、脳が明らかに刺激されているという、
確かな手応えを感じていました。
夫も同じだったと思います。
また、私自身も夫との会話中、
2人が出会った大学時代の思い出や、
結婚前の出来事など、
古い記憶がぱっと頭に浮かぶことが時々ありました。
そんなときは、それを思い出しながら、
言葉にして夫に伝えるようにしていました。
不思議と、昔の記憶は最近の記憶よりも
ずっと思い出しやすく、
いつもは「あれ、何だっけ?」と、
途中で言葉に詰まることが多かったのですが、
思い出話をしているときは、
言葉がすらすら出てくることが多く、
ふだんとの違いをはっきりと感じました。
実は、病気になる前に新聞か何かで、
「想起法」といって、認知症患者に
昔のことを思い出してもらうと、
記憶力の回復や情緒の安定に
良い効果がある、という内容の記事を
読んだことがありました。
そのため、
「夫が今、私にしてくれているのは、
まさに『想起法』と同じ手法であり、
きっとこうしたやり取りを続けていたら、
今よりも記憶力が回復するに違いない」と、
内心、期待していました。
同時に、遠い過去のことだけではなく、
近い過去のことも思い出すようにしたら、
より良い効果があるのではないか。
そう思いました。
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