2017年12月15日
漫画『4分間のマリーゴールド』1巻の感想とあらすじ 死の運命が視える救命士の切ない愛の物語を綴ったヒューマンドラマ
『4分間のマリーゴールド』1巻の感想。
4分間のマリーゴールド
著者:キリエ
掲載:週刊ビッグコミックスピリッツ
1巻発売日:2017年8月10日
1秒で1年分、この女(ヒト)を愛そう――。
救命士になったばかりの青年・花巻みこと(はなまき みこと)。9歳のときに父が再婚したことで、母と3人の兄弟ができ、憧れていたにぎやかな食卓が実現するも、その後すぐに父は亡くなってしまった。しかし、血は繋がっていなくても、母も、兄も弟も、そして姉も、みんな大切な家族。
みことは救命士になって人の生死にふれてきたことで、自分には特殊な能力があることに気づく。それは、人の“死ぬ運命”が視えてしまう能力。しかし、手を重ねた相手の最期の姿を視ることはできても、その運命はどんなに手を尽くしても回避することはできず、かならず現実になってしまう。
視ることはできても、抗う術を見つけられず、誰の命も救えない己の無力さに嘆くみこと。運命を変えることはできない。それがたとえ、自分にとってどれだけ大切な相手だとしても・・・。
みことにとって最愛の義姉・沙羅(さら)。画家を生業とする愛する彼女は、今から1年後、365日後、8760時間後、たった3153万6000秒後、27歳の誕生日にこの世を去る。
人の死の運命を視ることができる救命士の青年が、最愛の義姉に残された命があと一年しかないことを知り、キセキを祈るように寄り添い彼女を見守り続ける愛の物語。
「救命医療」×「純愛ストーリー」。帯での謳い文句は「義姉・沙羅の命はあと365日」「泣きたいあなたにこのマンガを薦めます」。週刊漫画雑誌「週刊ビッグコミックスピリッツ」の2017年25号にて連載開始。
作者は「第74回小学館新人コミック大賞」の青年部門で、大賞を受賞した姉妹2人組の漫画家・キリエ先生。
感動したときや、悲しくなったとき、人は涙を流しやすくなりますね。でも、別にそのような感情に浸っていなくても、なんか霧消に泣きたくなってしまうことありません?
どうも人間というのは、ストレスを発散せずに溜め込んでしまうと、泣きたくなってしまうように出来てるらしいです。なので、泣きたいときは我慢しないで思いっきり泣いてしまい、スッキリさせた方がリラックスできるので、体にも心にも良いとのこと。
私は涙脆くても人前で泣くなんてのは絶対にイヤな人間なので、そんなときには漫画でも小説でも映画でも、泣ける作品の力にあやかり、ひっどい顔で一人号泣することもしばしば。
涙を誘う作品といえば、『四月は君の嘘』や『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』あたりが一般的には有名ですね。個人的には『1/11じゅういちぶんのいち』もおすすめ。
ということで本日は、泣けるかどうかは分かりませんが、切なさが心に響く漫画『4分間のマリーゴールド』を紹介させていただきます。
簡単に説明しますと、手を重ねた相手の死の運命が視えてしまう救命士の主人公は、最愛の人の命があと僅か一年しかないことを知ってしまいます。そんな彼が、運命を覆せない己の無力さに苦悩し、それでも奇跡を起こすため懸命に手立てを模索しながら、不安と恐怖を抱きつつも愛しい彼女に寄り添い続けるお話。
切なくも美しい“愛の物語”を紡いだヒューマンドラマです。
とにかく切ない作品。胸を締め付けられる気分になりますが、その結末が非常に気になってしまう物語です。
主人公は救命士になった青年・花巻みこと(はなまき みこと)。9歳のときに父親が再婚したことによって、母、兄、姉、弟が出来るも、父はそれからしばらくして他界。母親もフリーカメラマンで不在がちでしたが、兄弟は血の繋がりはなくても仲が良く、それなりに幸せな日々を送っていました。
子供の頃からみことは、人と手を重ねると妙なビジョンを視ることがありました。当時はその意味を知ることはありませんでしたが、救命士になって多くの死に触れたことで、それはその相手の「最期の姿」だということに気づきます。つまり、みことは手を重ねた相手の「死の運命」が視える特殊な能力持ち。
そして、さらに気づくわけです。子供のときに見たある人の命があとたったの1年しかないことに。その相手というのは、マリーゴールドの花が好きな義理の姉・沙羅(さら)。
沙羅はみことにとって、大切な家族であるのと同時に、一人の女性としても愛してしまった相手。その彼女が、365日後の27歳の誕生日にこの世を去ってしまう。
当然何もせずにいられるわけがありません。救命の仕事をするなかで、患者の死の運命を回避するため奮闘したようです。しかし、どれだけ手を尽くし、最善の処置を施そうとも、未だに一人たりとも運命を変えることは出来ていません。
知っているのに誰も救うことが出来ない無力さに苦悩し続けるみこと。そして、事情は何も知らなくても、みことが苦しんでいることは察知し、彼を優しく抱きしめる沙羅。
そして、1巻終盤では沙羅のみことに対する気持ちも判明したことで、来年も再来年も、これから先ずっと一緒にいたい、何度でも誕生日にマリーゴルドの花を贈りたいと、抑えていたみことの気持ちがあふれ出してきました。
ということで、「死」の運命が視えてしまう救命士が、抗えない運命だろうと懸命に手を尽くしながら、死が訪れようとしている最愛の人に寄り添うラブストーリー『4分間のマリーゴールド』1巻の紹介でした。
タイトルの「4分間」は、救命において呼吸停止からの蘇生を行った場合、2分以内なら90%、3分なら75%、そして4分になると50%になり、それを過ぎると蘇生の可能性が格段に下がってしまうことから、4分というのは重要なラインとのこと。
それと「マリーゴールド」の花をちょこっと調べてみたところ、春に種をまいてから夏に花を咲かせ、冬には枯れてしまう「一年草」と呼ばれる短命の花。花言葉は「絶望」や「悲しみ」などマイナスイメージが強いです。でも、「変わらぬ愛」や「信じる心」という意味もあり、花が黄色だと「健康」、オレンジだと「予言」とも言われています。
このタイトルからして切なく悲しい展開と結末になってしまう匂いがぷんぷんしてますが、希望は決してゼロではないような気もします。
もちろん気になるのは、運命を覆して沙羅の死を回避することができるのかどうか。それと、義理とは言え姉弟での恋愛が、この2人に、そして家族になにをもたらすのかですね。
綺麗なストーリーだけど切なくて苦し過ぎます。持っていても苦しくなるだけの能力に加え、祝福され難い姉弟の恋愛。前者がメインの作品かと思っていましたが、むしろ悲恋になりそうな禁断の関係の方がメインになりそうな雰囲気。
沙羅の死の原因は何なのかな?病気か事故か、はたまた2人の恋が関係してくるのかも。ハッピーエンド好きな私としては、是非とも手を取り合う笑顔の2人を見たいものですが、果たしてどうなることやら。
先が読めない繊細かつ情熱的なストーリー、とても楽しませてもらえました。みことがこれから何をするのか、27歳の誕生日に何が起きるのか、要注目ですね。
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4分間のマリーゴールド
著者:キリエ
掲載:週刊ビッグコミックスピリッツ
1巻発売日:2017年8月10日
あらすじ・概要
1秒で1年分、この女(ヒト)を愛そう――。
救命士になったばかりの青年・花巻みこと(はなまき みこと)。9歳のときに父が再婚したことで、母と3人の兄弟ができ、憧れていたにぎやかな食卓が実現するも、その後すぐに父は亡くなってしまった。しかし、血は繋がっていなくても、母も、兄も弟も、そして姉も、みんな大切な家族。
みことは救命士になって人の生死にふれてきたことで、自分には特殊な能力があることに気づく。それは、人の“死ぬ運命”が視えてしまう能力。しかし、手を重ねた相手の最期の姿を視ることはできても、その運命はどんなに手を尽くしても回避することはできず、かならず現実になってしまう。
視ることはできても、抗う術を見つけられず、誰の命も救えない己の無力さに嘆くみこと。運命を変えることはできない。それがたとえ、自分にとってどれだけ大切な相手だとしても・・・。
みことにとって最愛の義姉・沙羅(さら)。画家を生業とする愛する彼女は、今から1年後、365日後、8760時間後、たった3153万6000秒後、27歳の誕生日にこの世を去る。
人の死の運命を視ることができる救命士の青年が、最愛の義姉に残された命があと一年しかないことを知り、キセキを祈るように寄り添い彼女を見守り続ける愛の物語。
「救命医療」×「純愛ストーリー」。帯での謳い文句は「義姉・沙羅の命はあと365日」「泣きたいあなたにこのマンガを薦めます」。週刊漫画雑誌「週刊ビッグコミックスピリッツ」の2017年25号にて連載開始。
作者は「第74回小学館新人コミック大賞」の青年部門で、大賞を受賞した姉妹2人組の漫画家・キリエ先生。
紹介・感想
感動したときや、悲しくなったとき、人は涙を流しやすくなりますね。でも、別にそのような感情に浸っていなくても、なんか霧消に泣きたくなってしまうことありません?
どうも人間というのは、ストレスを発散せずに溜め込んでしまうと、泣きたくなってしまうように出来てるらしいです。なので、泣きたいときは我慢しないで思いっきり泣いてしまい、スッキリさせた方がリラックスできるので、体にも心にも良いとのこと。
私は涙脆くても人前で泣くなんてのは絶対にイヤな人間なので、そんなときには漫画でも小説でも映画でも、泣ける作品の力にあやかり、ひっどい顔で一人号泣することもしばしば。
涙を誘う作品といえば、『四月は君の嘘』や『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』あたりが一般的には有名ですね。個人的には『1/11じゅういちぶんのいち』もおすすめ。
ということで本日は、泣けるかどうかは分かりませんが、切なさが心に響く漫画『4分間のマリーゴールド』を紹介させていただきます。
簡単に説明しますと、手を重ねた相手の死の運命が視えてしまう救命士の主人公は、最愛の人の命があと僅か一年しかないことを知ってしまいます。そんな彼が、運命を覆せない己の無力さに苦悩し、それでも奇跡を起こすため懸命に手立てを模索しながら、不安と恐怖を抱きつつも愛しい彼女に寄り添い続けるお話。
切なくも美しい“愛の物語”を紡いだヒューマンドラマです。
とにかく切ない作品。胸を締め付けられる気分になりますが、その結末が非常に気になってしまう物語です。
主人公は救命士になった青年・花巻みこと(はなまき みこと)。9歳のときに父親が再婚したことによって、母、兄、姉、弟が出来るも、父はそれからしばらくして他界。母親もフリーカメラマンで不在がちでしたが、兄弟は血の繋がりはなくても仲が良く、それなりに幸せな日々を送っていました。
子供の頃からみことは、人と手を重ねると妙なビジョンを視ることがありました。当時はその意味を知ることはありませんでしたが、救命士になって多くの死に触れたことで、それはその相手の「最期の姿」だということに気づきます。つまり、みことは手を重ねた相手の「死の運命」が視える特殊な能力持ち。
そして、さらに気づくわけです。子供のときに見たある人の命があとたったの1年しかないことに。その相手というのは、マリーゴールドの花が好きな義理の姉・沙羅(さら)。
沙羅はみことにとって、大切な家族であるのと同時に、一人の女性としても愛してしまった相手。その彼女が、365日後の27歳の誕生日にこの世を去ってしまう。
当然何もせずにいられるわけがありません。救命の仕事をするなかで、患者の死の運命を回避するため奮闘したようです。しかし、どれだけ手を尽くし、最善の処置を施そうとも、未だに一人たりとも運命を変えることは出来ていません。
知っているのに誰も救うことが出来ない無力さに苦悩し続けるみこと。そして、事情は何も知らなくても、みことが苦しんでいることは察知し、彼を優しく抱きしめる沙羅。
そして、1巻終盤では沙羅のみことに対する気持ちも判明したことで、来年も再来年も、これから先ずっと一緒にいたい、何度でも誕生日にマリーゴルドの花を贈りたいと、抑えていたみことの気持ちがあふれ出してきました。
締めにだらだらと
ということで、「死」の運命が視えてしまう救命士が、抗えない運命だろうと懸命に手を尽くしながら、死が訪れようとしている最愛の人に寄り添うラブストーリー『4分間のマリーゴールド』1巻の紹介でした。
タイトルの「4分間」は、救命において呼吸停止からの蘇生を行った場合、2分以内なら90%、3分なら75%、そして4分になると50%になり、それを過ぎると蘇生の可能性が格段に下がってしまうことから、4分というのは重要なラインとのこと。
それと「マリーゴールド」の花をちょこっと調べてみたところ、春に種をまいてから夏に花を咲かせ、冬には枯れてしまう「一年草」と呼ばれる短命の花。花言葉は「絶望」や「悲しみ」などマイナスイメージが強いです。でも、「変わらぬ愛」や「信じる心」という意味もあり、花が黄色だと「健康」、オレンジだと「予言」とも言われています。
このタイトルからして切なく悲しい展開と結末になってしまう匂いがぷんぷんしてますが、希望は決してゼロではないような気もします。
もちろん気になるのは、運命を覆して沙羅の死を回避することができるのかどうか。それと、義理とは言え姉弟での恋愛が、この2人に、そして家族になにをもたらすのかですね。
綺麗なストーリーだけど切なくて苦し過ぎます。持っていても苦しくなるだけの能力に加え、祝福され難い姉弟の恋愛。前者がメインの作品かと思っていましたが、むしろ悲恋になりそうな禁断の関係の方がメインになりそうな雰囲気。
沙羅の死の原因は何なのかな?病気か事故か、はたまた2人の恋が関係してくるのかも。ハッピーエンド好きな私としては、是非とも手を取り合う笑顔の2人を見たいものですが、果たしてどうなることやら。
先が読めない繊細かつ情熱的なストーリー、とても楽しませてもらえました。みことがこれから何をするのか、27歳の誕生日に何が起きるのか、要注目ですね。
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