2017年04月03日
漫画『タイムスリップオタガール』1巻の感想とあらすじ
『タイムスリップオタガール』1巻の感想。
タイムスリップオタガール
著者:佐々木陽子
掲載:COMICポラリス
1巻発売日:2017年1月12日
アニメや同人誌をこよなく愛する30歳のオタク女性・城之内はとこ。コミュケでの戦果を抱えてウキウキ気分で帰路に着こうとした矢先、駅のホームで事故に巻き込まれて同人誌と共に電車に轢かれて死亡・・・と思いきや、気づけばなぜかイベント1日前に時間を跳躍。
その後も何度かタイムスリップを繰り返したことでたどり着いた先は、なんと城之内はとこがまだ中学生の13歳、元いた時代から17年も巻き戻った1996年だった。体が軽い、働かなくても良い、遊んで暮らせる、中学生最高と大喜びのはとこだったが、重大な事実にふと気づく。―――「わしのお宝さま(同人誌)がひとっつも無い。」
城之内はとこ、カラダは13歳、心はアラサーオタク女性、舞い込んできたやり直し人生を痛々しくも駆け抜けていく。
腐女子の30歳オタク女性がなぜか事故に合うたび過去へタイムスリップしてしまい、何度か繰り返したことで中学生時代(13歳)に行き着き、そこでオタクとしてのアイデンティティを忘れず第二の人生を駆け抜ける姿を描いた物語。
アラサーオタク女性が中学生時代にまでタイムスリップするコメディ漫画。ハイテンションなコメディ一辺倒ではなく、しんみり切なさもある作品。どちらかと言うと女性向きではあるのでしょうが、私のような男性でも十分楽しめるかと。
タイムスリップ、あるいはタイムリープを扱った作品というのは、漫画・アニメ・小説・ドラマ・映画など、あらゆる媒体で今も昔も数多く登場しています。昔から知られている有名どころで言えば『時をかける少女』や『バックトゥザフューチャー』があり、最近でも『僕だけがいない街』や私が好きな『アシガール』なんかもその類ですね。
手垢のついた設定とはいえ人の妄想や想像をかき立てるはこれ以上ないジャンルであるため、方向性も多岐に及び衰えることのない人気を博しています。元祖を辿ったらどこまで遡ることになるのか―――全然分かんないです。
あの頃に戻ってやり直したいという気持ちは、全ての人ではないにしろ、多くの人が1度は考えたことある妄想・願望であると思います。・・・たぶん。かくゆう私は恥ずかしながら1度どころか頻繁に妄想してます。
読み終えてまず自分が思ったこと、私はオタクとしてはまだまだお子ちゃまだなということ。この作品では実際に若かりし過去へ戻ってしまったらどうなるのかという姿を描いているわけですが、30歳オタク女性というのはちょっと斬新で、その主人公キャラがなかなか強烈。
大まかないきさつは上のあらすじに書いた通り。30歳オタク女性がコミュケで入手したお宝(同人誌)を抱え、家でのお楽しみにウキウキ気分で帰る途中、事故で駅のホームから落下し、運悪く調度入ってきた電車に轢かれて生涯を終えたかと思ったら、次の瞬間にはなぜか1日前に戻っていました。
その後こりずに2回目も同じいきさつでお亡くなりになって再び1日前に戻り、そこでは注意をはらったことで自宅へ帰ることはできたものの、階段で頭から綺麗に落下し3回目の死を迎えようとして今度は3日前まで戻ることに。そして、トラックに吹っ飛ばされて4回目の人生を終えようとした主人公は、最終的(?)に1996年の中学生時代(13歳)にまでタイムスリップしてしまいました。
主人公・城之内はとこは、30歳のオタク女性、アルバイトをしながら実家で暮らし、もちろん彼氏はナシ。タイムスリップしたことで内面や頭脳はそのままに、見た目だけは13歳の少女になりました。
とにかくオタク思考全開放してる主人公。最初のホームで電車が迫り来る一瞬の間にも、駅のロッカーに預けた同人誌やグッズのことや、押入れの同人誌やPC・SNSの中身を遺品整理で見られてしまった場合の状況を思考し、さらに遺品回収の際にぶちまけた同人誌(まぐわう裸体の男子)のせいで各所に迷惑をかけないため自分の体で守ろうとする立派なオタク。はとこの叫びというより、多くのオタクたちの心の叫びでしょうね。既にこの世を去っていたとしても、PC・HDD・SNSの中身を見られたとしたら、いったい何度死ぬハメになることか・・・。考えただけでも恐ろしい。
根暗感皆無で非常にポジティブな主人公の、過去に戻ろうとも、人生やり直せようとも、自分がオタクであることに対して一切ブレることのない姿勢は素晴らしい。
もちろん、せっかくなのだから前の人生よりは良くしたいという思いを持ってはいますが、結局オタクとしての自分がズズイっと前に出てきてしまう“はとこ”。若返ったことよりも、やろうと思えば金儲けできることよりも、漫画や同人誌が読めないことの方が重大な問題。知識と技術があっても、下手にこの業界へ手を出したら未来にあった形を崩しかねないと思案したりと、その姿はまさにオタクの鏡。
周囲の反応も面白いですね。元々のはとこの中学生時代はコミュ力低い根暗少女だったわけですが、30年の人生経験でそこそこ対人スキルをアップさせていたことから、悪意あるかうような言動に対しても華麗にスルー。あの清清しい態度はちょっとカッコいいとも思ってしまいました。昔は薄かった母のことや祖母のことを思いやれる思考もあることから、自覚はほとんどないにしろ、少し明るい人生を歩みだしているようにも見えますね。
30代女性が特に楽しめる作品であることは確かだと思います。ただ、私のような男ではとこよりも若い年代の立場でも、共感できる部分は結構多かったので楽しめました。
現状はギャグテイスト強めでハイテンションに飛ばしまくってストーリーは展開されています。今後は1巻のような懐古ネタでのギャグはもちろんのこと、はとこのやり直し人生での成長と、もしかしたら恋愛も絡んでくるかもしれません。
もし自分が中学生に戻ったらどうするか・・・そういったことを考えながら読むのも楽しいですね。表紙にはちょっとダマされましたけど、予想以上に面白かったので続きも楽しみに期待しています。
【eBookJapan】 タイムスリップオタガール
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タイムスリップオタガール
著者:佐々木陽子
掲載:COMICポラリス
1巻発売日:2017年1月12日
アニメや同人誌をこよなく愛する30歳のオタク女性・城之内はとこ。コミュケでの戦果を抱えてウキウキ気分で帰路に着こうとした矢先、駅のホームで事故に巻き込まれて同人誌と共に電車に轢かれて死亡・・・と思いきや、気づけばなぜかイベント1日前に時間を跳躍。
その後も何度かタイムスリップを繰り返したことでたどり着いた先は、なんと城之内はとこがまだ中学生の13歳、元いた時代から17年も巻き戻った1996年だった。体が軽い、働かなくても良い、遊んで暮らせる、中学生最高と大喜びのはとこだったが、重大な事実にふと気づく。―――「わしのお宝さま(同人誌)がひとっつも無い。」
城之内はとこ、カラダは13歳、心はアラサーオタク女性、舞い込んできたやり直し人生を痛々しくも駆け抜けていく。
腐女子の30歳オタク女性がなぜか事故に合うたび過去へタイムスリップしてしまい、何度か繰り返したことで中学生時代(13歳)に行き着き、そこでオタクとしてのアイデンティティを忘れず第二の人生を駆け抜ける姿を描いた物語。
アラサーオタク女性が中学生時代にまでタイムスリップするコメディ漫画。ハイテンションなコメディ一辺倒ではなく、しんみり切なさもある作品。どちらかと言うと女性向きではあるのでしょうが、私のような男性でも十分楽しめるかと。
タイムスリップ、あるいはタイムリープを扱った作品というのは、漫画・アニメ・小説・ドラマ・映画など、あらゆる媒体で今も昔も数多く登場しています。昔から知られている有名どころで言えば『時をかける少女』や『バックトゥザフューチャー』があり、最近でも『僕だけがいない街』や私が好きな『アシガール』なんかもその類ですね。
手垢のついた設定とはいえ人の妄想や想像をかき立てるはこれ以上ないジャンルであるため、方向性も多岐に及び衰えることのない人気を博しています。元祖を辿ったらどこまで遡ることになるのか―――全然分かんないです。
あの頃に戻ってやり直したいという気持ちは、全ての人ではないにしろ、多くの人が1度は考えたことある妄想・願望であると思います。・・・たぶん。かくゆう私は恥ずかしながら1度どころか頻繁に妄想してます。
読み終えてまず自分が思ったこと、私はオタクとしてはまだまだお子ちゃまだなということ。この作品では実際に若かりし過去へ戻ってしまったらどうなるのかという姿を描いているわけですが、30歳オタク女性というのはちょっと斬新で、その主人公キャラがなかなか強烈。
大まかないきさつは上のあらすじに書いた通り。30歳オタク女性がコミュケで入手したお宝(同人誌)を抱え、家でのお楽しみにウキウキ気分で帰る途中、事故で駅のホームから落下し、運悪く調度入ってきた電車に轢かれて生涯を終えたかと思ったら、次の瞬間にはなぜか1日前に戻っていました。
その後こりずに2回目も同じいきさつでお亡くなりになって再び1日前に戻り、そこでは注意をはらったことで自宅へ帰ることはできたものの、階段で頭から綺麗に落下し3回目の死を迎えようとして今度は3日前まで戻ることに。そして、トラックに吹っ飛ばされて4回目の人生を終えようとした主人公は、最終的(?)に1996年の中学生時代(13歳)にまでタイムスリップしてしまいました。
主人公・城之内はとこは、30歳のオタク女性、アルバイトをしながら実家で暮らし、もちろん彼氏はナシ。タイムスリップしたことで内面や頭脳はそのままに、見た目だけは13歳の少女になりました。
とにかくオタク思考全開放してる主人公。最初のホームで電車が迫り来る一瞬の間にも、駅のロッカーに預けた同人誌やグッズのことや、押入れの同人誌やPC・SNSの中身を遺品整理で見られてしまった場合の状況を思考し、さらに遺品回収の際にぶちまけた同人誌(まぐわう裸体の男子)のせいで各所に迷惑をかけないため自分の体で守ろうとする立派なオタク。はとこの叫びというより、多くのオタクたちの心の叫びでしょうね。既にこの世を去っていたとしても、PC・HDD・SNSの中身を見られたとしたら、いったい何度死ぬハメになることか・・・。考えただけでも恐ろしい。
根暗感皆無で非常にポジティブな主人公の、過去に戻ろうとも、人生やり直せようとも、自分がオタクであることに対して一切ブレることのない姿勢は素晴らしい。
もちろん、せっかくなのだから前の人生よりは良くしたいという思いを持ってはいますが、結局オタクとしての自分がズズイっと前に出てきてしまう“はとこ”。若返ったことよりも、やろうと思えば金儲けできることよりも、漫画や同人誌が読めないことの方が重大な問題。知識と技術があっても、下手にこの業界へ手を出したら未来にあった形を崩しかねないと思案したりと、その姿はまさにオタクの鏡。
周囲の反応も面白いですね。元々のはとこの中学生時代はコミュ力低い根暗少女だったわけですが、30年の人生経験でそこそこ対人スキルをアップさせていたことから、悪意あるかうような言動に対しても華麗にスルー。あの清清しい態度はちょっとカッコいいとも思ってしまいました。昔は薄かった母のことや祖母のことを思いやれる思考もあることから、自覚はほとんどないにしろ、少し明るい人生を歩みだしているようにも見えますね。
30代女性が特に楽しめる作品であることは確かだと思います。ただ、私のような男ではとこよりも若い年代の立場でも、共感できる部分は結構多かったので楽しめました。
現状はギャグテイスト強めでハイテンションに飛ばしまくってストーリーは展開されています。今後は1巻のような懐古ネタでのギャグはもちろんのこと、はとこのやり直し人生での成長と、もしかしたら恋愛も絡んでくるかもしれません。
もし自分が中学生に戻ったらどうするか・・・そういったことを考えながら読むのも楽しいですね。表紙にはちょっとダマされましたけど、予想以上に面白かったので続きも楽しみに期待しています。
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