2016年11月12日
漫画『おはようとかおやすみとか』1巻の感想とあらすじ
『おはようとかおやすみとか』1巻の感想。
おはようとかおやすみとか
著者:まちた
掲載:ゼノンコミックス
1巻発売日:2014年10月20日
長ら実家で父親と2人暮らしをしていたが、余生は放浪しながら絵を描くと言い残て父が旅立ったことで、古民家から離れて念願の新築マンションでの1人暮らしを始めていた男性・日向和平(27)。
ある日、仕事を終えて自分の城へ帰宅する途中で、自分が住んでいるマンションを探していた3姉妹と出会う。しかも、マンションまで案内した彼女たちが尋ねようとしていたのは他でもない和平自身。そのことに気づいた3姉妹は彼を「お兄ちゃん」と呼びながら抱きつき、更に和平の家に自分たちを置いて欲しいと願い出てきた。
君の妹だという衝撃の事実を父の手紙で知らされた和平は、行く場所を失った姉妹を仕方なくマンションに連れて行き、夢に見た1人暮らしのために手に入れたマンションで一緒に暮らすことになった。
念願の1人暮らしを新築マンションで満喫しようしていた男性の目の前に、突然腹違いの妹が3人現れて一緒に暮らすことになり、不満を抱きながらも妹たちと過ごす中で家族や愛情を知っていく・・・という話です。
謳い文句は、『「ただいま」から「いってきます」までの物語』。表紙から伝わってくる印象通りの温かい話でした。
一応血は繋がっていますが、この場合もいわゆる擬似家族ものになるのかな?3人の妹は和平の父親と内縁の妻との間に生まれていた子たちですが、和平本人には今の今まで一切知らされていなかったようです。
和平の父親は母親とは離婚、内縁の妻という関係も既に解消しており、決めるだけ決めて自分では責任を持たず姉妹の世話は息子に丸投げ。自由奔放というより自分勝手。
穂高たち3姉妹の母親に関してはもう親とは言えませんね。再婚するにあたり「子供がいると不都合」などという理由から子を捨て彼女たちから居場所を奪った人。
考えると腹立たしいので姉妹の母のことは横に置いておきましょう。前述にも書いたようにこれは家族の温かい話です。正確にはこれから家族になっていく段階ですね。
主人公の和平は建築関係の職に就いている27歳のサラリーマン。古民家から解放されて念願の1人暮らしを満喫しようとした矢先、突然3姉妹が転がり込んで来たことで夢は泡と消えました。このあたりは少し同情。
どんな事情があるにせよ、たとえ血の繋がっている妹だとしても、今までその存在も知らされていなかったわけですから、可哀想であっても彼にとっては迷惑でしかないんですよね。最初の頃の冷徹にも見える彼の態度は決してありえないことではないですし、自分に置き換えたら同じような反応を示してしまうと思います。
とはいえ、転がりこんできた妹たちは可愛い。こんな状況なのに明るく振舞い、和平のことも気遣う優しい子達でした。
家事が得意な妹たちを支えるしっかり者の長女・穂高、無邪気で人懐っこい天真爛漫な双子姉妹・千世(ちせ)と千苗(ちな)。
和平にとっては迷惑でしかない話。でもこの出来事は彼にとっても妹達にとっても良い巡り合いになりましたね。
妹達は住む家だけではなく頼るべき親も同時に失い、身の置き場所のない状況にいました。妹たちはお互いを心の拠り所にはしているものの、まだ幼い彼女たちにはその心を大きく包んでくれるものがないというのは不安でしかなかったと思います。
和平は嫌っていたはずの実家が綺麗さっぱりなくなっている光景を見て、場所ではなく『家』を失ったのだということを実感します。「住む場所はあるけど、帰る家はもうないんだ」というセリフは印象的。
最初はぎこちない関係、でも一緒に暮らしているうちに心境にも変化が現れてきます。妹達はわがままを言えるまでに心を開くことができましたし、騒がしくはあるけど家の中は明るくなりましたね。
和平は生活面でも心の面でも妹たちに頼られる存在。でも、誰かに甘えることや家庭の温かさを知らずに育ってきた和平にこそ、この生活は救いになっているんじゃないかと思えます。
和平にも妹たちにも『家』ができつつあり、お互いの心の中にも居場所ができようとしています。
おかえり、ただいま、おやすみ、おはよう、何気ない言葉、でもそこには温かさがあり、これこそが家族の証のように思えました。この言葉が当たり前になり、毎日繰り返していくことで、和平たちは家族になっていくんでしょうね。
帰る場所があることや、そこには迎えてくれる誰かがいてくれること、その大切さを思い起こさせてくれる作品でした。
【eBookJapan】 おはようとかおやすみとか
↑無料で立ち読みできます
おはようとかおやすみとか
著者:まちた
掲載:ゼノンコミックス
1巻発売日:2014年10月20日
長ら実家で父親と2人暮らしをしていたが、余生は放浪しながら絵を描くと言い残て父が旅立ったことで、古民家から離れて念願の新築マンションでの1人暮らしを始めていた男性・日向和平(27)。
ある日、仕事を終えて自分の城へ帰宅する途中で、自分が住んでいるマンションを探していた3姉妹と出会う。しかも、マンションまで案内した彼女たちが尋ねようとしていたのは他でもない和平自身。そのことに気づいた3姉妹は彼を「お兄ちゃん」と呼びながら抱きつき、更に和平の家に自分たちを置いて欲しいと願い出てきた。
君の妹だという衝撃の事実を父の手紙で知らされた和平は、行く場所を失った姉妹を仕方なくマンションに連れて行き、夢に見た1人暮らしのために手に入れたマンションで一緒に暮らすことになった。
念願の1人暮らしを新築マンションで満喫しようしていた男性の目の前に、突然腹違いの妹が3人現れて一緒に暮らすことになり、不満を抱きながらも妹たちと過ごす中で家族や愛情を知っていく・・・という話です。
謳い文句は、『「ただいま」から「いってきます」までの物語』。表紙から伝わってくる印象通りの温かい話でした。
一応血は繋がっていますが、この場合もいわゆる擬似家族ものになるのかな?3人の妹は和平の父親と内縁の妻との間に生まれていた子たちですが、和平本人には今の今まで一切知らされていなかったようです。
和平の父親は母親とは離婚、内縁の妻という関係も既に解消しており、決めるだけ決めて自分では責任を持たず姉妹の世話は息子に丸投げ。自由奔放というより自分勝手。
穂高たち3姉妹の母親に関してはもう親とは言えませんね。再婚するにあたり「子供がいると不都合」などという理由から子を捨て彼女たちから居場所を奪った人。
考えると腹立たしいので姉妹の母のことは横に置いておきましょう。前述にも書いたようにこれは家族の温かい話です。正確にはこれから家族になっていく段階ですね。
主人公の和平は建築関係の職に就いている27歳のサラリーマン。古民家から解放されて念願の1人暮らしを満喫しようとした矢先、突然3姉妹が転がり込んで来たことで夢は泡と消えました。このあたりは少し同情。
どんな事情があるにせよ、たとえ血の繋がっている妹だとしても、今までその存在も知らされていなかったわけですから、可哀想であっても彼にとっては迷惑でしかないんですよね。最初の頃の冷徹にも見える彼の態度は決してありえないことではないですし、自分に置き換えたら同じような反応を示してしまうと思います。
とはいえ、転がりこんできた妹たちは可愛い。こんな状況なのに明るく振舞い、和平のことも気遣う優しい子達でした。
家事が得意な妹たちを支えるしっかり者の長女・穂高、無邪気で人懐っこい天真爛漫な双子姉妹・千世(ちせ)と千苗(ちな)。
和平にとっては迷惑でしかない話。でもこの出来事は彼にとっても妹達にとっても良い巡り合いになりましたね。
妹達は住む家だけではなく頼るべき親も同時に失い、身の置き場所のない状況にいました。妹たちはお互いを心の拠り所にはしているものの、まだ幼い彼女たちにはその心を大きく包んでくれるものがないというのは不安でしかなかったと思います。
和平は嫌っていたはずの実家が綺麗さっぱりなくなっている光景を見て、場所ではなく『家』を失ったのだということを実感します。「住む場所はあるけど、帰る家はもうないんだ」というセリフは印象的。
最初はぎこちない関係、でも一緒に暮らしているうちに心境にも変化が現れてきます。妹達はわがままを言えるまでに心を開くことができましたし、騒がしくはあるけど家の中は明るくなりましたね。
和平は生活面でも心の面でも妹たちに頼られる存在。でも、誰かに甘えることや家庭の温かさを知らずに育ってきた和平にこそ、この生活は救いになっているんじゃないかと思えます。
和平にも妹たちにも『家』ができつつあり、お互いの心の中にも居場所ができようとしています。
おかえり、ただいま、おやすみ、おはよう、何気ない言葉、でもそこには温かさがあり、これこそが家族の証のように思えました。この言葉が当たり前になり、毎日繰り返していくことで、和平たちは家族になっていくんでしょうね。
帰る場所があることや、そこには迎えてくれる誰かがいてくれること、その大切さを思い起こさせてくれる作品でした。
おはようとかおやすみとか 1 (ゼノンコミックス) まちた 徳間書店 2014-10-20 売り上げランキング : 50262
|
【eBookJapan】 おはようとかおやすみとか
↑無料で立ち読みできます
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/5613193
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック