ENTER
" キーの役割について, マニュアルには次のように説明されている.ENTER
は X レジスタの内容を Y レジスタにコピーし, スタックの上昇を禁止するので, 後から入力した数値は, X レジスタにある初めに入力した数値の上から重ね書きされます。このようにして, 続けて入力された 2 つの数値を区分しているのです。例: 2 つの数値 17, 23 を入力するとき,
(1) 最初に入力した数値 17 は X レジスターに書き込まれる. スタックが上昇する.
(2) "
ENTER
" を押す. X レジスターの内容 17 を Y レジスターにコピーし (コピー操作を "→" で表わすと正確には Z → T, Y → Z, X → Y), (次に数値が入力されたときに) スタックの上昇を禁止する.(3) 2 番目に入力した数値 23 は X レジスターに書き込まれる. スタックは上昇しない.
初期状態を (0) とすると, 上記の (1), (2), (3) により以下のようにスタックの状態が遷移する.
\begin{align*}
& ~ & &\mathbf{17} & &\mathbf{ENTER} & &\mathbf{23} \\
&\mathrm{T}: 4 & &\mathrm{T}: 3 & &\mathrm{T}: 2 & &\mathrm{T}: 2 \\
&\mathrm{Z}: 3 & &\mathrm{Z}: 2 & &\mathrm{Z}: 1 & &\mathrm{Z}: 1 \\
&\mathrm{Y}: 2 & &\mathrm{Y}: 1 & &\mathrm{Y}: 17 & &\mathrm{Y}: 17 \\
&\mathrm{X}: 1 & &\mathrm{X}: 17 & &\mathrm{X}: 17 & &\mathrm{X}: 23
\end{align*}
このように計算対象の 17, 23 がスタックの Y レジスターと X レジスターに保持されることになる.
(3) において X レジスターの内容 23 を修正したいときには "$\blacktriangleleft$" キーを用いて修正を行う. たとえば 23 を 8 に修正するには次のように "$\blacktriangleleft$" を 2 回押して入力した 23 を消去してから 8 を入力する.
\begin{align*}
& ~ & &\blacktriangleleft\blacktriangleleft\ & &\mathbf{8} \\
&\mathrm{T}: 2 & &\mathrm{T}: 2 & &\mathrm{T}: 2 \\
&\mathrm{Z}: 1 & &\mathrm{Z}: 2 & &\mathrm{Z}: 1 \\
&\mathrm{Y}: 17 & &\mathrm{Y}: 17 & &\mathrm{Y}: 17 \\
&\mathrm{X}: 23 & &\mathrm{X}: & &\mathrm{X}: 8
\end{align*}
"$\blacktriangleleft$" キーを押したときにもスタックは上昇しない.
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