問題42 食塩水を薄めます [高2★★☆☆☆]
容器 A には濃度 25 % の食塩水が 100 g 入っています。ここから 10 g を取り出して容器 B に入れます。容器 A には 10 g の水を足して全体の量を 100 g に戻します。この操作を n 回繰り返すことにします。(1) 1 回目の操作で容器 A の濃度は何 % になりますか。
(2) 容器 A に入っている食塩水の最初の濃度(つまり 25 %)を a0 とします。 n 回目の操作が終わったときの容器 A の食塩水の濃度 an を求めてください。
(3) n 回目の操作が終わったときの、容器 B の食塩水の濃度 bn を求めてください。
[ヒント] 数列の問題です。(1) で操作の感覚を掴んで、(2) 以降で一般的な表式を書いてみましょう。
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解答42(最初に容器 A に入っていた食塩の量は ... )
(1) 濃度が 25 % ですから、最初に容器 A に入っていた食塩の量は 25 g です。ここから 10 g を取り出すと食塩は25 / 10 = 2.5 g
含まれています。したがって、容器 A の食塩の量は
25 − 2.5 = 22.5 g
となり、10g の水を足して全体の量は 100 g に戻すのですから、
1 回目の操作終了後の A の濃度 = 22.5 %
となります。
(2) (1) の操作をそのまま一般化します。全体の量が 100 g に保たれていますから、 an は濃度であると同時に、食塩の量でもあることに注意してください。 n + 1 回目の操作で取り出される食塩の量は n 回目の濃度 an を用いて
an / 10
と表されます。容器 A の食塩の量(つまり濃度)は
an+1 = an − an / 10 = (9 / 10) an
と表されます。これは公比 9 / 10 の等比数列ですね。初項 a0 = 25 、項数 n + 1 個 (a0 から始まっていることに注意です!)の等比数列の一般項ですから、
an = 25 (9 / 10)n
となります。
(3) 容器 B には容器 A から取り出された食塩水が次々と足されていきます。 n 回目の操作終了後の食塩水の量を cn とおくと、最初の操作では
c1 = a0 / 10
となります。このように番号 n が1つずれていることに注意して
cn = a0 / 10 + a1 / 10 + ...... + an−1 / 10 = (1 / 10) [a0 + a1 + ...... + an−1]
[ ] の中は初項 a0、公比 9 / 10 、項数 n の等比数列の和となっていますから、
cn = (1/10) [25 (1 − (9/10)n] / [1 − 9/10] = 25 [1 − (9/10)n]
となります。容器 B の溶液全体の量は 1 回ごとに 10 g ずつ足されていくので、n 回目の操作で 10 n となっています。よって容器 B の濃度は
bn = [cn / 10 n] × 100 = (250 / n) [1 − (9/10)n]
となります。
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いつも数学記事の末尾に載せてある、私のおしゃべり(最近ではネタに困ってなぜか「ブログの始め方」とか書いてる)を別ページに分離することにしました。「1ページにあまり縦長に記事がずらずら載っているのも、レイアウト的に見づらいだろうな」と思ったからです。しかも「ブログの始め方」なんて全く興味のない人にとって邪魔以外の何物でもありませんしね。しかし以前にも書いたように、ブログシステムでは「最新の日付の記事」がトップにあがってしまいます。やはりここは数学ブログですので、トップページには常に数学の問題やグラフに関する記事が載っているようにしたいのです。なので基本的に「なんとなくの数学日記」は最新記事の少し前の時刻設定で入れるようにします。トップページの右サイドバーに並びますし、数学記事の末尾にもリンクを入れるので、迷うことはないと思います。気が向いたらお寄りくださいな。