問題32 2 等辺三角形に外接する円の面積 [高3★★☆☆☆]
図のように、 2 つの辺の長さがそれぞれ 1, もうひとつの辺の長さを x とする 2 等辺三角形に外接する円の面積 S(x) を求め、その増減の様子をグラフにしてください。[ヒント] グラフを描く前に三角形の変化する様子をイメージしてください。 x が限界まで小さくなる(或いは大きくなる)と円の大きさはどうなるか ...... 。
解答32(∠BAC を目一杯広げます)
底辺の長さ x の範囲は明らかに 0 < x < 2 です。∠BAC を目一杯広げて、ぎりぎり 2 に近づいていく様子をイメージしてください。そのとき外接円は際限なく大きくなっていくので、x → 2 の極限で外接円の面積は無限大となるはずです。また、x がぎりぎり 0 に近い値をとったとき (x → 0)、その細長い三角形は長さ 1 の線分と見分けがつかなくなり、外接円の直径は 1 、面積は π/4 となるはずです。
以上の事を数式で確認してみましょう。
外接円の面積を S, 三角形の面積を T とおきます。
各辺の長さが a, b, c の三角形の面積と、外接円の半径 R の関係は
T = a b c / (4 R)
によって与えられるので、 a = b = 1, c = x とおいて
T = x / (4 R)
となります。S = π R2 ですから、
S = x2 / (16 T2) [*]
と表すことができます。
ここで両辺を 2 乗した形のヘロンの公式は
T2 = p (p − a) (p − b) (p − c) (2 p = a + b + c)
ですから、 a = b = 1, c = x を代入して整理すると
T2 = (x2/4)(1 − x2 / 4)
となります。これを [*] に代入すると
という表式が得られます。 x で微分すると
ですから、0 < x < 2 の範囲で S' > 0, つまり S は単調増加関数です。また
x → 0 のとき S → π / 4, x → 2 のとき S → + ∞
ですから、グラフの概形は次のようになります。
[補足] ヘロンの公式を忘れても、三角形の高さを三平方の定理で求めて、面積 T を得ることができます。
理系英単語 17 積分@
primitive function 原始関数
integrand 被積分関数
integrable 積分可能である
integrate 積分する
definite integral 定積分
indefinite integral 不定積分
constant of integration 積分定数
integration by substitution 置換積分
integration by parts 部分積分
integrand 被積分関数
integrable 積分可能である
integrate 積分する
definite integral 定積分
indefinite integral 不定積分
constant of integration 積分定数
integration by substitution 置換積分
integration by parts 部分積分
integrate の印欧語源は tag(触れる、操作する)です。
これに否定の音 n をつけて n-tag-ro(触れられない、無傷の、完全な)という言葉が派生します。「触れることができない」ので「傷つくことのない」、すなわち「完全な」という意味をもつようになりました。この言葉はラテン語の integer(完全な、正直な)という単語を経て、現代英語の integer(整数)、integrate(積分する)という単語を生みました。ちなみに tag は tangent(接線、正接)の語源でもありますから、数学でお馴染みの integer, integrate, tangent という 3 つの言葉はすべて同じ言葉を祖先にもつのです。