またしばらく問題を載せることにします。なるべく幅広い分野から出題するようにします。おそらく 10 問ぐらい(問題 40 まで)続くと思いますので、チャレンジしてみてください。
問題31 正三角形と内接する円の面積比 [高1年★★☆☆☆]
ある正三角形の面積を St 、この正三角形に内接する円の面積を Sc とします。面積比 St / Sc を求めてください。
小説も書いています
少しずつではありますけれど、『言葉の工房あとりえこばと』に短編を溜めています。興味のある方は読んでみてください。今回紹介するのは 『シンデレラこばとちゃん』 です。ギャグなので笑ってもらえると嬉しいです。≫ [Amazon数学書籍] 名著講義(文春文庫)
図のように正三角形の辺の長さを x, 内接円の半径を r とおきます。
解答31 @(内接円の半径の公式を用います)
内接円の半径の公式を使ってみます。
各辺が a, b, c の長さをもつ三角形の面積と、内接する円の半径 r の関係は
St = (a + b + c) r / 2
です。今は正三角形なので、辺の長さを x とおくと
St = 3 r x / 2
となりますね。一方で内接円の面積は
Sc = πr2
ですから、比をとると
St / Sc = 3(x / 2) / (πr)
となります。なので x / 2 と r の比がわかればよいのですが、図にある角度 60 ° の直角三角形から
(x / 2) / r = √3
です。よって、
St / Sc = 3√3 / π
が答えとなります。ちなみに具体的に計算すると、
St / Sc = ≒ 1.65
です。
解答31 A(内接円の半径の公式を用いない場合)
公式を知らない場合は、角度 60 ° の直角三角形からx = 2√3 r
の関係を先に求めます。正三角形の面積は
St = (x2 / 2) sin60° = (√3 / 4) x2
ですから、x を r に変えると
St = 3√3 r2
となります。Sc = πr2 との比をとって
St / Sc = 3√3 / π
が答えとなります。
内接円の半径の公式を知っていても知らなくても、この問題に関してはさほど手間は変わりませんけど、色々な問題で応用できる公式なので、ぜひ覚えておいてください。