題材は大学で扱うルジャンドル多項式ですけど、 3 次関数の積分を知っていれば解ける易しい問題です。「直交多項式ってどんなかなー」ということを感覚的に知ってもらいたいと思って作った問題です。
問題21 多項式の直交性を確かめます [高3★☆☆☆☆]
区間 [−1, 1] において多項式 Pn(x) を次のように定義します。ただし n は 0 以上の整数です。dn/dxn は n 階微分の記号です。
d0/dx0 は 1 度も微分しないという意味です。
(1) P0(x), P1(x), P2(x) の表式を求めて 1 枚のグラフに重ねて描いてください。
(2) P0P1, P0P2, P1P2 を −1 から 1 まで積分して値を求めてください。
(3) P02, P12, P22 を −1 から 1 まで積分して値を求めてください。
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解答21
(1) 定義から P0(x) = 1 はすぐにわかります。P1(x), P2(x) についても定義に従って計算すると、
となります。グラフは下図のようになります。
(2) 番号 n が異なるルジャンドル多項式の積をつくると、その積分は全て 0 です:
(3) ルジャンドル多項式の 2 乗の積分は値をもちます:
採点アルバイト
大学院生になると学部生の定期試験の採点アルバイトの口なんかもあったりしますが、私は絶対にやりませんでしたね。もともと小心かつちょー心配性なので「定期試験とはいえ、採点ミスなんてしたら、もしかするとその人の留年が決まって人生狂わせてしまうかもしれないぞ」などと想像したり、食事のときも眠るときにも「あの問題の採点は本当にあれで正しかったのかな」などと思い出して悩むに決まっていますからね。だいたい、相対論の難しい問題などで手元に用意された解答以外の手順を見せられても、「んん? どうなのかな? すごそうな気がするぞ。でも本当に合ってるのかな?」と悩むことになり、曖昧で怪しげな知識と照らし合わせながら混乱し、時空ではなく私の頭の中身が歪んだような気になって、しまいには「○○教授、これ合ってますかねー?」と質問するはめになるのです。世間の人は「物理で大学院まで進んだ人なら、相対性理論だって何だって軽々使いこなせるだろう」などと思うかもしれませんが、「そんなわけないでしょー」というのが答えです。