今回は円順列の問題。
問題が長くて難しそうに思えますが、それほど難しいわけではありません。
問題19 中華料理店でテーブルを囲みます [高2★☆☆☆☆]
真理子さん、涼音さん、こばとちゃんに加えて、アルバイトの達郎君と梢ちゃん、それにイラストレーターの若命雅一さんの 6 人が中華料理店で食事をすることになり、丸いテーブルの席につきます。しかし梢ちゃんのことが好きな達郎君は「自分は梢ちゃんの隣がいいっす」と我儘を言ってききませんから、基本的に達郎君は梢ちゃんの隣に座ることになります。しかし自由気ままなこばとちゃんだけは、そんな事はお構いなしに自分の座りたいところに座ります。さてこの 6 人の並び方は何通りありますか?[ヒント] こばとちゃんだけが、達郎君と梢ちゃんの間に割り込む可能性があります。
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解答19(達郎君と梢ちゃんはセットで考えます)
まず、こばとちゃんを除いた 5 人の並び方を考えます。梢ちゃんと達郎君は隣り合っていますから、この 2 人をセットで固定し、
[梢・達郎]、真理子、涼音、雅一
の円順列を考えると並び方は
(4 − 1)! = 3! = 6 通り
となります。さらに梢ちゃんから見て達郎君が右隣に座る場合と、左隣に座る場合がありますから、こばとちゃんを除いた 5 人の並び方は、
6 × 2 = 12 通り
となりますね。最後にこばとちゃんの席を決めます。
たとえば図のような形で他の 5 人が並んでいた場合、各人の間を □ で表すと、こばとちゃんは 5 つの □ を選べるわけですから、
12 × 5 = 60 通り
が答えになります。
[注] 木下達郎君が丹羽梢ちゃんのことを気になっているのは事実ですが、ここまであからさまな我儘を言うことはさすがにありません。問題を作る上での都合ですので、そのあたりはご了承ください。
円順列の基本
A, B, C, D の 4 人が図のように円卓に座るときの並び方を考えます。図Tの並び方は回転させると図Uに一致しますから、同じ並び方ということになります。そこで図Vのように A を固定して残りの B, C, D が席に着く並び方を考えればよいので、
(4 − 1)! = 3! = 6 通り
となります。一般に、n 個のものを円順に並べる場合の数は
(n − 1)!
で与えられます。