東大生の知恵袋 [宝島社/東大家庭教師友の会]
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難関中学を目指す子供たち、またその親御さんたちのために書かれた算数の本です。もしお子さんの中学受験を考えておられるのでしたら、ぜひ一度手に取って読んでいただきたいと思っています。なぜかサブタイトルは「中学受験に算数脳はいらない!」となっていますが、内容を読む限りは「しっかりと算数脳を鍛える本」です。
本書の構成は以下のようになっています。
Lesson1. 算数の素、「割合」と「比の」やさしい解き方
Lesson 2. 「線分図」「面積図」を使った「特殊算」のやさしい解き方
Lesson 3. 中学入試で定番の「速さ」のやさしい解き方
Lesson 4. 「整数問題」の基本、「倍数」をらくらくクリアする!
Lesson 5. 数字を並べる「規則性の問題」をらくらくクリアする!
Lesson 6. 実演 + 計算で、「場合の数」をらくらくクリアする!
Lesson 7. 中学受験の難所、「平面図形」をものにする!!
Lesson 8. 中学受験の難所、「立体図形」をものにする!!
Lesson 2. 「線分図」「面積図」を使った「特殊算」のやさしい解き方
Lesson 3. 中学入試で定番の「速さ」のやさしい解き方
Lesson 4. 「整数問題」の基本、「倍数」をらくらくクリアする!
Lesson 5. 数字を並べる「規則性の問題」をらくらくクリアする!
Lesson 6. 実演 + 計算で、「場合の数」をらくらくクリアする!
Lesson 7. 中学受験の難所、「平面図形」をものにする!!
Lesson 8. 中学受験の難所、「立体図形」をものにする!!
本書の特徴は、何と言っても 載っている問題数が少ない ということです。
ち、ちょっと待ってください!
「他所のサイトに行こう」とクリックする前に、もう少しだけ話を聞いてくださいな。
載っている問題数が少ない ということはつまり、1つの問題に対してたくさんのページを割いて懇切丁寧に解説しているということです。
・問題を解く前の必須知識
・情報整理のポイント
・問題をやさしく解くための手順
というようなことが順を追って丁寧に書かれています。問題の1部は最難関クラスで、私自身も「んん?」とペンを持った手が一瞬止まることがあるほどです(単に年のせいで脳が衰えてきただけかもしれません)。しかし、そういう難問に対して、正解を急がずに丁寧に噛み砕くように「手取り足取り」教えてくれる本なのです。その過程で論理的な思考力が培われますし、闇雲に多くの問題を解くよりも得るものが多いと思います。
難関中学の入試で要求される算数能力は非常にハイレベルです。はっきり言うと小手先の受験テクニックが通用するレベルではありません。どうしても数に対する本質的な理解が必要となります。なので、やはりどこかでしっかりと「論理的思考力」をしっかりと身につけておく必要があります。そうした意味で本書は思考力の訓練に最適で、また算数や数学に対する正しいフォームを身につけることができます。
問題作成者の立場として
私自身はブログやサイトにおける問題作成者・解説者という立場で「何か参考になる本はないかなー」と探していたのですが、本書を読んで色々と考えさせられました。この本の著者は「どんなことも手抜かず、しっかり説明する」という姿勢を貫いているからです。もちろん私自信も常日頃から丁寧な解説を心がけていますが、時々は「このぐらいのことは、わかりきったことだし、省いてもいいよね」という心の声に負けて楽をしてしまうことがあります。反省しなくてはいけませんね。子供に算数を教えたいと思う親御さんや、塾や家庭教師のアルバイトをしている大学生の皆さんにとっても本当に参考になる本だと思うので、ぜひ御一読ください。