整数次ベッセル関数を再掲しておきます。
ベッセル関数は三角関数によく似た周期関数ですが、 x の増加と共に(1 / √x に比例して)振幅を減衰させていきます。
内側の楕円と外側の楕円を行ったり来たりするグラフ
三角関数を用いてx = a cosθ , y = a sinθ
という媒介変数で関数を定義すると、半径 a の円を描くことはよく知られていますね。これと同じようなことをベッセル関数を用いて試みます。媒介変数θの範囲は -4pi < θ < 4pi とし、番号 n は 0, 1 を選択します。つまり、
x = J0(θ) , y = J1(θ)
によって (x, y) を定義し、グラフを描いてみます:
楕円の内側に楕円が入っています。θの範囲を広げれば、内側の楕円の数はどんどん増えていきます。青い点で示してあるのがスタート地点の (J 0(-4pi), y = J 1(-4pi)) で、θの増加と共に順次外側の楕円へ出て行き、1周するとまた内側の楕円へ戻っていきます。ちょっと疲れますけど、眼で追って行けば軌道がわかります。
上の組合せは楕円を描きましたが、 n の選択の仕方によってはまた異なる軌道が描かれます。n = 3, 5 を選択してみましょう。すなわち、
x = J3(θ) , y = J5(θ)
で関数を定義してグラフを描きます:
最初は内側から楕円のような軌道を描きますが、次第に崩れて外側で大きな8の字軌道を描き、再び内側の軌道へ戻って来ます。
⇒ なんとなくの数学日記(線形代数学を予定しています)