キスの味

10月に入って、日の出もずいぶん遅くなった。
朝5時ではまだ暗い。
夏のうちは朝4時にはもう明るいのにねぇ。
早朝は天気も良かったけど、少し曇ってきた。
何とか1日、お天気が持つといいよねぇ。

今朝、朝ご飯を食べていた時、家族の一人が、
卵焼きを食べた瞬間にオエッと言って吐いた。
「生々しいよぉ、これ」と涙目になっていた。

もう一人の家族のお弁当のおかずになっている卵焼き。
その家族は、おいしいよ、それにこの卵焼きは最高だよと言っていた。

今日の卵焼きはみじん切りにしたベーコンと玉ねぎとケチャップを入れ、
少し、オムレツ風に近い卵焼きだ。

私はどれどれと言って食べてみたが、ジューシーでおいしい。

この吐いた家族は、結構味にうるさい。
豆腐の味にもうるさい。
お気に入りの豆腐以外の豆腐をだすと、
「いつものじゃないから、まずいよねぇ」って。

ちなみに男である。
しかもまだ年端もいかない。

あと驚くべきことで、
私が作るお弁当で、私の体調が分かるとも言っていた。

あっ、今日は元気そうだなぁとか、
今日は調子が悪いから、お弁当も手が抜かれているなぁって。

それを最初に聞いた時はビックリした、と同時に作る人の感情が
物を媒介して伝わっていくのだなって実感したよ。

実は今日、卵焼きははっきり言って失敗だったのだ。
いつもの量より少し多めで、しかもちょっと小さめのフライパンで作ったから。

見抜かれた生々しい卵焼きに、余熱で温まってくださいのキッス。