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2018年04月20日

大腸CTアカデミア 大腸がんの生存率を国際比較してみよう! 日本の大腸がんの5年生存率は世界的にみるとどうなの!?

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PubMedから、今日のつぶやき − 221 −


Allemani C, Matsuda T, et al. Global surveillance of trends in cancer survival 2000-14 (CONCORD-3): analysis of individual records for 37?513?025 patients diagnosed with one of 18 cancers from 322 population-based registries in 71 countries. Lancet 2018 doi: 10.1016/S0140-6736(17)33326-3. [Epub ahead of print]

【昨日ご紹介したラインコミュニティでの議論続きの御紹介です】

K先生:
さきほどは大変失礼いたしました

→問診を見直し拾い上げ
→検査不可にするのではなく、股関節に人工関節がある場合、
一部腸管の観察が不十分になる可能性があることを検査前に説明。

同意を得て施行

という方針を医師と話し合い対応してまいります

ナガイチ先生、助言ありがとうございました!

その他に何かアドバイスございましたら御指導よろしくお願いします


I先生:
ナガイチ先生のおっしゃる通りだと思います。

検査してはじめて気付くはありがちです。

両側人工股関節だと直腸への影響は多少ありますが
そのために中止する必要はないかと思います。

もともと人工関節のためCFで側臥位がとれないとの理由で
CTCにまわってくる症例もありました。

むしろ体位変換時の脱臼注意のための確認の意義が大きいのではと考えております。

経験は少ないですが、脊椎固定による影響はあまりなかったと思います。

多くはありませんが当院での経験からの意見です。


ナガイチ:
I先生、適格なアドバイスをありがとうございます!!

今まで、問診票に入れていないことが多かったと思います。

皆で意見を交換すると気づきと学びがありますね!


K先生:
I先生、ナガイチ先生、アドバイス御指導ありがとうございました!
すぐに現場で活かせるようミーティングいたします


S先生:
当院でも問診票には入っておりません。
オーダーが出た時点で、医師がそれでも良いと判断したものとしております。

I先生が言われる通り、当院でも脊椎固定はそれほど影響ないです。
股関節の人工関節についても、粗大病変は十分に観察できます。

画像云々より、側臥位にした時に股関節への注意が重要だと思います。

そう考えると、問診票に入れる事も考えるべきかも知れませんね。


ナガイチ:
画質による読影への影響だけではなく、
検査中のポジショニングへの配慮もとても大切ですね!

次のテキスト改訂には取り入れる必要がありますね〜

良い議論をありがとうございました!


アカデミックかつ臨床現場に即したつぶやきになり
楽しいですね〜




さて、ボランティアによる読影トレーニングは昨年末に終了しておりますが、
本日は、また別に約2ヶ月と最速でトレーニングを完了されたI様からのご感想の
ご紹介です(承諾済み)。


〜〜〜〜〜以下引用〜〜〜〜〜
当院技師共々トレーニングでの御指導、感謝もうしあげます。

自分らの不甲斐なさに打ちのめされている日々であります。

間違った箇所の復習を共に報告、検討し次につなげ、
諸先輩方の築かれた精度を今以上下げる事がない様、
患者さまに支持していただける様努めてまいります。

これに懲りず御指導いただけます様よろしくお願いいたします。
〜〜〜〜〜引用終わり〜〜〜〜〜


I様もトレーニングスピードに加えて
復習もきちんとされていて素晴らしいですね!

間違えるためのトレーニングですから、
卑下される必要はないと思いますよ〜

間違えたという自覚と経験が、
必ず血となり肉となるはずです!

一番怖いのは臨床例を多くこなしているけれども
自分に生じやすい偽陰性や偽陽性の存在を自覚していないことです。

偽陽性は自施設検査や紹介からの返信などで
気付くことも可能ですが、偽陽性の多くは気付かずに
終わってしまうことがほとんどですから・・。

これからも皆で前進して
レベルアップしていきましょうね!




それでは本題です。
昨日に続いて論文
「がん生存率の推移に関する大規模国際共同研究 CONCORD-3
71の国と地域3750万症例の2000-2014年に診断されたがん生存率」の
ご紹介です。

最初にクイズの答えを見ていきましょう。

前回のCONCORD-2を調て予想してくれた方もいました。
ナイスですよ!

2010年−2014年に【結腸癌】と診断された
患者さんの5年生存率の順位は下記となります

アルジェリア 74.2% (1位)
イスラエル 71.7% (2位)
オーストラリア 70.7% (3位)
アイスランド 68.2%
ベルギー 67.9%
日本 67.8%
カナダ 67.0%
米国 64.9%
ドイツ 64.8%
カタール 63.5%
オランダ 63.1%
シンガポール 61.7%
中国 57.6%
アルゼンチン 54.4%
ポーランド 52.9%
ブラジル 48.3%
ロシア 44.9%
インド 38.9% (ワースト3位)
ナイジェリア 17.4% (ワースト2位)
南アフリカ 12.3% (ワースト1位)

ちなみにリストしていない国でアルジェリアより
よかったのはヨルダン(76.1%)だけのようですね。


では、参考までに【直腸癌】と診断された
患者さんの5年生存率の順位はどうでしょうか!?

オーストラリア 71.0% (1位)
イスラエル 67.8% (2位)
アルジェリア 67.3% (3位)
カナダ 66.8%
ベルギー 66.6%
オランダ 65.3%
日本 64.8%
米国 64.1%
アイスランド 63.0%
ドイツ 62.3%
シンガポール 60.5%
中国 56.9%
アルゼンチン 49.9%
ポーランド 48.4%
カタール 43.6%
ブラジル 42.4%
ロシア 41.9%
インド 30.0% (ワースト3位)
ナイジェリア 16.9% (ワースト2位)
南アフリカ 9.1% (ワースト1位)

ちなみにリストしていない国でオーストラリアより
よかったのはモーリシャス(72.9%)、キプロス(75.9%)、ヨルダン(73.2%),、韓国(71.1%)といった国々があげられます。


さらに、参考までに【胃癌】と診断された
患者さんの5年生存率の順位はどうでしょうか!?

日本 60.3% (1位)
アルジェリア 41.6% (2位)
ベルギー 37.5% (3位)
中国 35.9%
ドイツ 33.5%
米国 33.1%
イスラエル 32.3%
オーストラリア 31.8%
シンガポール 30.3%
カナダ 29.6%
アイスランド 27.6%
南アフリカ 25.6%
オランダ 25.0%
アルゼンチン 21.5%
ロシア 21.0%
ポーランド 20.9%
ブラジル 20.6% (ワースト3位)
カタール 17.5% (ワースト2位)
インド 8.9% (ワースト1位)
ナイジェリア NA

ちなみにリストしていない国で日本より
よかったのは韓国(68.9%)だけのようですね。


いかがですか?
いろいろと考えれることがありますね〜

それでは、また。



原文
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(17)33326-3/abstract


ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。



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■読影トレーニングに関して重要なお知らせです。■
ここ数年、ボランティアで読影トレーニングを行ってきましたが、
自身の業務が膨大になってきたこともあり、
残念ながら永続的に続けることは困難となりました。
2017年の春から予告しておりましたように、
ボランティアによる読影トレーニングの実施は
2017年末で終了いたしました。
何卒、ご理解のほどよろしくお願い致します。


●お願いとお断り●
 本ブログの無断転用および複製を禁止いたします。
 著者に無断で各種メディアに貼り付ける
 などの行為は著作権違反となります。


読者の皆さまの大腸検査に対する知識のお役に立ちましたら幸いです。



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大腸の専門家 ナガイチ
大腸を専門に外科、内視鏡、画像診断のキャリアがあります。               経歴のご紹介:               1996年 国立医学部医学科卒業。       1996〜2007年 消化器外科、内視鏡医として従事。                    2007〜2011年 ハーバード大学 医学部 放射線科、マサチューセッツ総合病院に留学。 2009年〜国内のナショナルセンターに外来研究員として併任。               2011年 帰国し内視鏡医として従事。     2015年〜国内のナショナルセンターに常勤勤務。 2019年〜某国公立大学医学部医学科の特任教授として働いています。                  資格: 外科認定医・認定登録医、消化器内視鏡認定医・専門医・指導医、消化器病専門医、H. pylori(ピロリ菌)感染症認定医、消化器がん検診認定医、胃腸科専門医・指導医、アメリカ消化器内視鏡学会(American Society for Gastrointestinal Endoscopy) 国際会員、アメリカ消化器病学会(American College of Gastroenterology) 国際会員                    どうぞよろしくお願いいたします。              ご注意)個人的な病状に関するご相談、診療に準じるご相談にはお答えできませんので、何卒、ご容赦ください。
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