2017年09月26日
「Choosing Wisely(賢い選択)」 〜エビデンスのない無駄な医療を受けない賢い選択をしましょう〜
おはようございます!
2018年10月8日(日)に郡山でシンポジウム
「増えている大腸癌 診断と治療における最新の進歩」が開催されます。
大腸がんの最新情報が満載です!!
是非、ご参加ください!
PubMedから、今日のつぶやき − 79 −
Livingston CJ, et al. Choosing Wisely in Preventive Medicine: The American College of Preventive Medicine's Top 5 List of Recommendations. Am J Prev Med 2016;51(1):141-9.
今日は取り上げたのは、「Choosing Wisely(賢い選択)」です。
簡単にいうと「エビデンスのない無駄な医療を受けない賢い選択をしましょう」
というキャンペーンですね。
Wikipediaに詳細がありますので、ご興味ある方はご覧ください。
医療に携わっている皆さんも、
何かしらか無駄な医療にお気づきではないでしょうか?
今回は、米国予防医学会がChoosing Wiselyとして、
予防・検診医療の無駄トップ5を取り上げた論文になります。
この論文は以前の抄読会(検診開発研究部、検診研究部、がん対策情報センター合同)
で取り上げられた論文です。
部内でピカイチ優秀なSさんがピックアップしてくれたとても面白い論文です。
ありがとう〜〜
さて、気になる「予防・検診医療の無駄トップ5」とは
ジャーン!!
その1
心血管疾病の予防のためのマルチビタミン、
ベータカロチンの摂取はやめましょう。
その2
前立腺がん検診としてPSAを活用するのはやめましょう。
その3
無症状の人に初期の腫瘍を見つけるために全身のCT撮影はやめましょう。
その4
安価な後発品があれば高価な薬の使用は控えましょう。
その5
65歳以上の低リスクの女性に対して、子宮頸がん検診はやめましょう。
なるほどですね〜
【ご注意とお願いです】
エビデンスのない無駄な医療としてあげられている上記項目は、
私の個人的見解ではありません。
あくまで、今回取り上げた論文に記載されている内容です。
ご意見などがある場合には私宛ではなく、ジャーナルに「Letter to Editor」
として著者宛にご質問くださいね。
今まで紹介してきた研究・論文と異なるタイプの論文です。
なかなか面白く考えることにつながる論文ですので、
また次回に続きます〜〜
それでは、また。
原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27155735
ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。
★★重大ニュース!!━━━━━━━━━━━━━━━
日本消化器がん検診学会とGAIAの共催で実施した
「大腸CT検査の実態全国調査【臨床研究 GAIA-03】」
が放射線領域の代表的なジャーナル
「European Radiology(2016 Impact Factor: 3.967)」
に掲載されました!!
https://link.springer.com/article/10.1007/s00330-017-4920-y
PubMedにも掲載済みですよ
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28674967
委員の先生方に大変」ご尽力いただきました。
ご協力いただいた施設の医師や技師の皆様にも感謝です!
皆さま、本当にありがとうございました!!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★★
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大腸CT検査のポイント集
毎日のつぶやきを経て増えていきますね。
<適応>
・閉塞性大腸がんに対して大腸CT検査は有用だが、手技に工夫が必要。
・完全閉塞症例には「PET/CT colonography」。
・内視鏡の検査待ちの日数を減らす役割もあり。
<腸管前処置>
・内視鏡後にガストログラフィン30mLを服用したら約4時間後に大腸CT検査をしよう。
・自動送気装置の使用は穿孔頻度を下げる。
<腸管拡張>
・右側臥位は最適な腸管拡張を得るためのベストポジションである。
・炭酸ガス自動送気装置は良好な腸管拡張を得るのに有用である。
・ブスコパンは腸管拡張の改善に寄与しない。
・自動送気装置の使用は穿孔頻度を下げる。
<読影>
・読影の飛ばしすぎは読影精度を下げるので要注意。
・トレーニングを積めば、都市部の病院でなくとも高い精度の検査が可能。
・検診目的の大腸CT検査は有症状者に対する大腸CT検査よりも、病変をみつけづらく読影には注意が必要。
<診断>
・C-RADSにおけるC1の5-10年の検査間隔は妥当
・大腸CT検査の中間期癌の頻度は非常に低い(0.1%、2/1429)
・便潜血陽性後から内視鏡を受けるまでの期間が10ヶ月以上になると大腸がん全般・進行がんのリスクが高まる。
<受診者の受容性>
・患者さんの苦痛度は炭酸ガス自動送気装置の使用やブスコパンの使用は影響しない。
<偶発症>
・閉塞性大腸がんでは穿孔のリスクが高くなるので注意しましょう。
・術前検査目的の大腸CT検査の穿孔率は0.028%。
・検診目的の大腸CT検査の穿孔率は0.003%。
・精検目的の大腸CT検査の穿孔率は0.014%。
・穿孔率は術前検査目的に比べて検診目的で有意に低い。
・穿孔症例の81%では外科治療が不要。
・自動送気装置の使用は穿孔のリスクを低減する。
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メルマガタイトル:大腸CT検査アカデミー
http://www.mag2.com/m/0001679515.html
日本の大腸CT検査の知識のボトムアップを狙っています。
最新の世界の知識を身につけることで、患者さんに還元するのはもちろんですが、きっと新しい研究の芽も生まれると信じています。
皆でパワーアップしていきたいですね!!
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ライン参加者の皆様も過去の記事を読むのに便利ですよ〜
応援いただけると嬉しいです。
☆☆大腸CT検査ってなあに? 〜大腸がんをへらせるの?〜☆☆
Q&A方式で、一般の方の素朴な疑問に答えます!
ご質問もお待ちしています。
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・画像が共有できる!
・最新の情報を入手できる。
・仲間と意見を交換できる。
・待ち時間に気軽にみられる。
・配信されたことがすぐに分かる。
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(恐れ入りますが、ラインコミュニティは医療関係者の方に限定させていただいております)
■読影トレーニングに関して重要なお知らせです。■
ここ数年、ボランティアで読影トレーニングを行ってきましたが、自身の業務が膨大になってきたこともあり、残念ながら永続的に続けることは困難な印象です。
一方で、学会で認定制度の設立に向けた動きが活発化してきました。
そこで申しわけありませんが、読影トレーニングの個人的な実施は今年一杯までとさせていただきたいと思います。。
トレーニングのレポートの受付と解答送付は今年一杯までとさせていただきます。
何卒、ご理解のほどよろしくお願い致します。
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それでは、また。
原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27155735
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