保険代理店をしていたときの話です。
損害保険代理店は、火災保険、傷害保険、旅行保険、工事保険、賠償責任保険、自動車保険などなど扱います。
中でも、ある指標とされるのが自動車保険の扱い高。
お客様が何種類かの保険を持つ場合、自動車保険は信頼を置ける代理店に任せるからです。
代理店としても自動車保険は欲しい。
新規のお客様を募集します。
でも、ご存知の通り、自動車保険には「等級制度」があります。
初めて自動車保険に加入するときは「6F(ろくフラット)」という等級からスタートします。
※現在、前契約なしの新規なら「6S」という等級が適用されます。この記事は私が代理店をしていた当時の話としてお読みください。
「6F」の割引率は0%です。
さらに、年齢条件があります。
0%なのは26歳以上で、21歳未満不担保なら10%割り増し。全年齢なら20%割り増しでした。
新規のお客様を募集するなら、代理店として少しでもお客様に便宜を図りたいものです。
例えばお客様が2台目に購入した車に保険を掛ける場合、1台目の保険が一定以上の割引になっていたら、2台目は10%引きから始められる。
という制度もありました。
しかし、欲張れば10%引きでは足りないかも知れない。もっといい方法はないものか?
裏技的なものがありました。
今、自動車保険に入るとき、また自動車を入れ替えたときには当然、車検証のコピーを添えます。
ところが昔はその必要がなかったのです。
おそらくはまだ、すべての保険契約にコンピュータ管理が追いついていなかったからでしょう。
するとどうなるか?
実存しない登録ナンバーの車に保険を付けられました。
だから代理店では例えば、昔扱ったお客様の車、またすでに廃車にした自分の車。
そのナンバーで架空の保険を掛けていたのです。
しかも、、
特約だけ付ける。
車両保険ってありますね。
車両保険は大きく二つに分けられ、自分の不注意で車庫にこすった場合でも下りる「一般の車両保険」と、相手が車で、相手を特定できた場合のみ下りる「車対車特約」。
さらに、もうひとつ。
「一般の車両保険」と「車対車特約」の差を吸収するように、相手が車でなくてもある条件なら補償しますという、「車両危険限定特約A」というものがあります。
よくあるケースとして、「車対車特約 + 限定A」と呼ばれ、相手が車の場合だけでなく「飛び石」とか、「盗難」「火災」でも補償される特約がありました。
裏技というのは、この「車両危険限定特約A」だけ、掛けるのです。
しかも、実存しない車に。
「車両危険限定特約A」の年間保険料は年、700円程度。
毎年、700円くらい払っていけば、毎年無事故なので等級だけ上がっていきます。
ありもしない車なので、事故が起こるわけないのです。
そういった契約を、きっと、たぶんきっときっと
各代理店は、いくつも持っていたのだと思います。
でも、ここで疑問に思っている方もいらっしゃるかと思います。
「契約者は誰なのか?」
と。
自分で良いのです。
ここで新規の契約者様が現れたとき、まず
自分の名前、姓名の名を、架空の女性の名前(お客様が男性だった場合)、尚子さんとか真弓さんなどに異動します。
そして同時に車両を新規お客様のものにします。
そして数か月後に、苗字をお客様のものに異動します。
理由は婚姻です。
そしてまた、数か月後に今度は下の名前を新規お客様のものにします(家族間での異動です)。
こうすることで、全く新規のお客様を、高い割引で「優待」することができるのです。
なんとこれは、私が保険会社から教わった方法なのです。こともあろうか、、
今はそんなことできません。できるわけがありません。
古き良き時代だったんですね。
2017年07月20日
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