2023年03月20日
断わったった
昨年から今にかけて6か所のコールセンターを巡ってきました。
安定しない職業です。派遣だと特に。
先日の飲み会で一緒だった友人は、もう勤続35年くらいになるはずだから、聞いてみたんです。
「何か良い仕事ないか?」
って。
そしたら
「午前2時からの仕事しかないな。」
無理だ!
丑(うし)三つ時じゃないか。丑の刻参りじゃない!(笑)
その6か所のコールセンターのうち、5か所が受信業務のセンターです。
今の傾向なのか、たまたまなのか、一か所を除いてヒマなんです。ほとんど電話が鳴りません。
今のところも、その前のところも一日中、ただ座って終わる日がほとんどなんですね。
今のところはオペレーターが120人くらいいます。
その120人のオペレーターたちが、かかってくるか、こないかわからない電話をじっと待っている光景は、さぞ滑稽なものでしょう。生産性から考えると、親方日の丸だからこそできる業務なんです。
残業なしの一日8時間、ただ黙って座っているだけ、、というのも決して楽な仕事ではありません。
何もすることがないと、いろいろ考えてしまいます。
いえ、考えるというより、思い出すといった方が良いかも知れません。
私は田舎町に住んでいた19歳から、札幌へ来るまでの20数年間、副業で保険の代理店をしていました。
はじめは祖父の手伝いから始めて、やがて代替わりしました。
保険の代理店は専業代理店もありますが、副業でするにはちょうど良い手間暇だったんですね。手数料体系が合理化されるまでは。
私が二十代の頃、そりゃもう精力的に顧客を伸ばしました。そのほとんどが自動車保険でした。
団体契約ってありますね。20人以上でできる契約です。
20人以上の他にも、給与天引きできる団体であるとか、いくつか条件がありました。
その中に、1年以内に20人以上になるというのがあったんです。
皮肉なもので、あのとき1年を迎えようとしている頃、19人しかいませんでした。
しかし保険にはいろいろと裏技があります。コンプライアンスが厳しい今はわかりませんが。
たとえば給与天引きができる団体でも公務員はダメでした。ところが公務員で構成する職員組合はOKなど。そして一人足りなかった20人目は私が加入したんです。
私が加入しても、本当にその団体に所属しているかどうか、調べることはなかったんですね。
公務員だったら副業してはいけないから保険代理店になれるはずがありません。
しかも、私はすでに自分の自動車保険に入っていましたから、さらに団体保険に、、というのはできないはずです。しかしまだそれができた時代。
さらには自動車保険に二つ入るのにはいろいろ厄介なことがありますが、当時は特約だけ入ることができました。それでも立派な契約です。「危険担保特約限定A」ってやつです。
さて、なんやこんやで役所の職員組合に団体契約を作ることができました。
もちろん、いろんなお客様がいました。
その中のMさん。
話が長いんです。
自動車保険は1年更新だから、1年経つ前に更新の手続きに伺います。職場に行けばOKです。
「継続お願いします。」
って、ハンコをもらえば良いんですが、世間話にもなります。
ただMさん、話が長くなるほかに、話の内容にイラっとくるんです。
「保険代理店は他にもあるんだから、別にお前(私)のところに入らなくてもいいんだよな。」
普通、保険継続のハンコをもらうのにかかる時間は一人10分くらいだったと思います。
でもMさん、30分くらいかかるんです。
でもしょうがないから、
「お願いします。」
って、30分もかけて継続のハンコをもらう商談を毎年していました。
ある年、また
「他からも保険の勧誘はあるからな。」
Mさんがそう言ったので、私は
「じゃあ、そうすれば良いんじゃないですか?(サヨナラ)」
あのとき、Mさんの驚き様。
Mさん、商売人に対して自分に選択権がある。その立場は絶対という過信があったのでしょう。
収益を考えたら、団体契約で自動車保険の一人当たり、手数料はひと月に数百円程度。
それを更新のたび、イヤミを聞かされながらお願いするのはコスト割れだと思った私の判断でした。
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