2023年03月18日
いちばん
Sと初めて逢ったのは昭和53年、1978年だから、もう45年の付き合いになります。
Sは私と同学年ですが、同じクラスになったことは一度もありません。ただ中学校の3年間、同じ部活で苦楽を共にしました。
私は中学への入学と同時に東京から北海道へ。Sは高校を卒業すると同時に東京へ。ちょうど入れ替わった感じです。
SからLINEで連絡が来たのは2月8日でした。10年振りの里帰りで北海道へ来るというのです。Sの実家はここ札幌ではありません。でも3月17日に札幌に一泊してから翌日、実家へ行くと言います。
で、17日の昨夜、一緒に飲み会をしてきました。
Sと二人きりではなく、SとSの奥様、そして同じ部活だったもう一人の男、合わせて4人でです。
19:30分から居酒屋を予約していました。
私、本当はSと二人きりで良かった。でもSの奥様だって良い人なんだ。
居酒屋は2時間の飲み食い放題コース。21:30過ぎに店を出ると、同じ部活だった男は、明日仕事だから帰ると言います。
私は帰るにはまだ早い。
Sに聞くと、Sも奥様も、もう一軒行くと言います。
もしかしたらSも奥様も私と同様に、最後は少人数でじっくり飲みたいと思ってくれていたのかも知れません。結局、0時過ぎまで。私は珍しく酔っぱらいました。
☆
人は誰かと親密になるとき、「認める」というプロセスを踏むんじゃないでしょうか。その人の才能や長所とか、同じ価値観であったりとか。
私が最初にSを認めたのは、彼の着想でした。中学2年に進級したとき、クラスで班分けをし、班ごとに壁新聞を作ろうということになりました。
他の皆は平面で2次元の壁新聞を作っていたとき、私は立体的な壁新聞にしたいと考えました。ハッキリ言って私のスタンドプレーでした。強引に立体的な壁新聞を作り始めたんです。
立体的というのは壁新聞へ、半球状に真っ二つにした地球儀を装着。しかもモーターで回転させるというもの。ただその回転させるのが上手くいかなかったんです。
私の構想は、モーターにプーリーを付け、ベルト駆動させるというものでした。でも半球の地球儀が大きすぎて上手く回らなかったんです。
そこでクラスが違うSに相談しました。そしたらSはいとも簡単に、
「下にゴムタイヤを付け、駆動させたら?」
と言ったんです。
これが大成功。以来、私はSの才能に一目置いています。さらに大人になって、とても穏やかな性格のS。
一昨年、私は東京へ遊びに行きました。そのとき、もちろんSと飲みに行きました。遅くまでしっかり付き合ってくれました。
☆
六十近いこの歳になって、少し変わってきたことがあります。
友人って何人もいて、いろんな友人がいると思います。仕事上の同僚、中には親しい親友も。特に親友は皆、それぞれ甲乙つけがたいと思ってきたんです。
変わったのは、甲乙つけられるようになったことです。私はSにいちばん、信頼を寄せていると実感します。他にも、一番愛した女性は〇〇だったと自分にとっての唯一無二を感じるようになったんです。
なぜこうなったのか。
私はこの歳になって、将来を断ち切ったんだと思います。
もうこれ以上、自分にとって信頼できる人間、異性ならばあれ以上、愛せる人間と巡り合うことはないだろうと判断を下したんだと思います。無意識に。
だから唯一無二の人、大切にしたいと思います。
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