ゼネコン施工管理、建設コンサルタント会社など公共事業での従事で
長年解消されない大きな問題は長時間労働であると思う。
最近、少子高齢化で若者が減少した中、仕事がきつい土木の業界への入職者も減少しており、
特に施工管理、建設コンサルタントでの若者が少ない。
施工管理や建設コンサルタントなどの頭脳労働系の職種は長時間労働が常態化し労働環境が過酷だ。
もう60歳近い私が、土木業界への入職をためらう、または早期退社する若者に同感することが多い。
考えてもみれば、20歳代で毎日残業で年間で定時である5時半に帰宅できる日数が数えるほどしかない
建設コンサルタントは過酷な仕事だったと思う。
その過酷な労働環境で仕事で必要な国家資格を取得する必要があったり、
とても大変で、若かったからできたと思う。
それととても後悔していることに、結婚ができなかったことがあげられる。
私は性格に問題があったために結婚は難しかったと自分では思っているが、
人間性がよく、まじめな人間でも仕事が多忙すぎて恋愛もできずに結婚できない同僚や先輩後輩が多くいた。
一体なぜこのようなことになったのかといえば、
一口に言えば「高い技術知識や豊富な経験が必要な専門職なのに儲からない業界体質である」ということだ。
その元は我々技術者が能力が低いことが問題ではなく、発注者である役所が適正な報酬を支払わないことが大きな原因だと思う。
東京都内で設計の仕事をした際にはそれが顕著であった。
競争入札で仕事を受注すると、役所からどのような仕事を依頼するかの詳細項目が契約書で交わされるのだが、
役所がその契約書にない内容まで無償でやらせることが多く、
その無償の業務が結構、業務の中で圧迫となる。
そのようなことが、どこの発注者でも行っているのが問題だ。
私の経験だと、例えば道路の設計などで、交通渋滞の解消、地域の利便性、交通安全、
自然環境や住環境への影響、施工のしやすさ、維持管理のしやすさ、用地買収や補償、
電柱や地下埋設物の移設など多くの検討事項を検討し、比較案での設計図をおのおの考え提案し、
発注者が地元での合意形成で最も好ましい案が決まると、そこから現場での詳細設計となる。
ところが、詳細設計に入った後に、地権者や利害関係人が用地買収に応じない箇所がでるなどで
どうしてもまた最初から道路のルートから詳細設計までやり直すことがよくある。
しかし、発注者である役所は地権者が原因だったり、自分たちの合意形成のやり方の不備で
私たちの請け負った道路設計のやり直し手間の分の報酬は全く支払わない。
それどころか、発注者である役所は「こうやったらどうかなどと意見を言い」
わかりやすいように設計図面を描いては訂正をし、の繰り返しの作業をさせても報酬を一切支払わない。
そのような、発注者の姿勢はいまだに変わっていない。
よって、受注業者は利益が出ず、サービス残業と長時間勤務が増加して、労働環境が悪化する中で
給与も低水準ということになり、その事実を知り、この業界を避けるのだと思う。
ゼネコンでの工事の場合、実際に多くの材料が必要であったり、専門工事が必要になったりする場合は
変更契約で上乗せで報酬をもらえるが、コンサルの場合そのような例が少ない。
正直、ゼネコンの監督や建設コンサル技術者は能力が低い人間は少ないと思う。
もう建設コンサル側では企業努力の域を超えている。
そのような中でもなるべく労働環境や賃金が改善されるように、力のあるコンサルタントや
会社の将来の存続を考える少数の経営者は取り組みを行っている。
しかし、ほかの仕事では当たり前のことである定時退社ができずに水曜日ノー残業デーなど行っている。
毎日が残業が少ない業種から見たら、水曜日だけ残業なしの特別な日を設けることが不思議だと思うだろう。
それだけ、土木での施工管理やコンサル業界では感覚がマヒしているのが問題だし、
発注者である役所も、自分たちはもうすでに30年以上前から完全週休二日制の中で
業者へのしわ寄せは見ても無関心できたことが問題である。
ゼネコンの施工管理や建設コンサルでも少数だが労働環境がよいところがある。
だが、ほとんどの会社は給与水準がとても低いのが現状だ。
その原因は中小企業だと、市役所や都道府県の仕事が主であり、役所の算定する報酬額が低い。
したがって、もうからない。
大手も中小も建設コンサルタントは高い専門性を要求される割に報酬が低く、いまだに労働環境が悪い。
よって、建設コンサルタント技術者ではうつ病などのメンタル疾患にり患するものが多発する。
この原因は役所が適正な報酬を支払わないことが大きな原因だと思う。
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