桜の咲く頃、盛岡を家族で訪れた。昨年の7月、一人で大人の休日倶楽部パスを使い訪ねてから、約1年ぶりである。盛岡は、何度も行っているが、盛岡八幡宮は見たことがなく、テレビなどで見た朱塗りの重厚な大社殿を、一度は見たいと思い訪ねたものである。私は、大社造りも素晴らしいと思ったが、境内から中津川まで続く真直ぐな参道に感動した。今は、参道沿いに住宅や店舗が建っているが、300年前はどのような風景であったのであろうか。
今回は、家族とともに、盛岡八幡宮を訪ね、その近くを半日程度で散策しようということで訪れたものである。実際は、車と歩きで半日以上かかったが、次のようなコースを歩いた。
私の盛岡市半日コース
盛岡八幡宮盛岡城跡公園 地下駐車場盛岡城跡公園下ノ橋南昌荘旧石井県令邸旧盛岡銀行本店盛岡信用金庫本店(旧盛岡貯蓄銀行)紺屋町番屋石割桜盛岡城跡公園 地下駐車場啄木新婚の家
桜の咲く季節に行ったためか、盛岡城跡公園、石割桜は多くの観光客で賑わっていた。ニューヨークタイムズで紹介された影響も大きいのであろうか。
やはり、盛岡八幡宮は、今から300年以上昔の延宝八年(1680年)に建立された歴史と重みを感じさせる大社であり、真直ぐな参道にはあらためて感動した。
私が、初めて訪れたのは、「南昌荘」である。恥ずかしい話であるが、その存在自体知らなかった。ホームページによれは、盛岡出身の実業家頼川安五郎が明治18年頃に邸宅として建て、築庭も含め数年かけ完成した。池泉回遊式の庭園を有し、原敬など数多くの著名人も訪れ、盛岡市の保護庭園・景観重要建造物。庭園は国の登録記念物に指定されているとのことである。
建築後、ほぼ130年の間に所有者が次々変わる中で、今日まで継承されてきたが、1987年、盛岡市民生協は、南昌荘が大手マンション業者により買収されという話を聞き、購入し、1990年からは、現在のいわて生活協同組合が維持管理しているそうである。
当日は、訪問者も少なく、中2階の南昌の間の椅子に座り、池泉回遊式の庭園を眺めた。寒い日であったが、ひざ掛けも備えてあり、暖かくゆっくりできた。窓ガラスは、昔のガラスでやや歪んでおり、ガラスを通してみる庭園は一層趣があった。
行政等ではなく、生協が文化財を管理している話は、あまり聞いたことはない。
庭園の素晴らしさに感動するとともに、岩手県民の文化財への愛情を感じた時間であった。
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