2019年12月02日
環境大国ドイツのリサイクル精神 ボトルのデポジットについてのご紹介
この記事は3〜5分で読めます。
こんにちはニールです。僕は現在、ノードライン=ヴェストファーレン州の村でウーファーとして暮らしています。
ウーファーって何ぞやというご紹介
今回はドイツが環境大国と言われる一面を見ていきたいと思います。
ドイツのデポジット制度
ドイツでは、ボトルなどのデポジット制度を導入しています。
今回はそれについて詳しく見ていこうと思います。
ペットボトルや缶にも価値がある!
ドイツで売られているボトル又は缶入り商品には基本的にPfand(プファンド)と呼ばれるデポジットがかけられています。
ペットボトルと缶は0.25€、ビンは0.08€が基本です。
ただ缶やビンはデポジットがかけられていないものもあるので、下記のマークかPfandの字を探しましょう。ついていないものについては、分別して捨てることになります。またオレンジ系の物についてはなぜかプファンドがついていません。きっとリサイクルが難しいのでしょう。
このデポジット制のおかげで環境にもいいでしょうし、ポイ捨ての減少にも寄与できていると感じます。(実際のところ環境にいいかという点については意見が分かれるようですが、即ゴミになるよりはましですよね。)
他にもこんな一面もあります。
ホームレスへの救済措置?
いくらプファンドがあっても捨てる人は捨てます。僕自身、缶などに関しては手で持ち歩く必要があるので面倒くさくなってゴミ箱に捨ててしまったりしていました。
そして捨てられたプファンド容器を探す人がいます。もちろん普通の生活をしている人でもそういうことをしている人は多いですが、多くの場合ホームレスなどがそれを探しています。
それを返せばお金になるわけですから、環境としてだけでなくホームレスへの救済という一面も自然と兼ねるようになりました。実際4本でも集められれば1€になりますから飲み物とパンくらいは買えますので飢えをしのぐこともできます。
またバーベキューなどをしている場所に物乞いのごとく、ボトルや缶を捜し歩く光景はもはやドイツの日常です。
プファンド容器の返却方法
ではここでプファンド容器の返却方法についてみていきたいと思います。
多くの場合はスーパーなどにある専用の機械で返却作業をします。
やり方は簡単で基本的には2ステップです。
まずは容器を機械の丸くくりぬかれたところに入れます。
そうすると機会が容器を回転させて、プファンド容器かどうかを確認して吸い込まれていきます。
たまに戻ってきますが、空のプファンド容器であれば何回か試しているうちに吸い込んでくれます。(誤作動が非常に多いです笑 画像のやつも故障中…)
全部入れ終わったら、唯一ついているボタンか、スクリーンのチカチカしている部分を押すとレシートが出てくるので、それをレジに持っていけばお金が帰ってきます。
ちなみに別の買い物がある場合は、これも一緒にレジに持っていくことでプファンド分は値引きされて、差額の返金か追加で支払いをすることになります。
ずるいプファンドマシーン
空港などの大規模施設でもプファンドマシーンを見かけます。
しかしそこに容器を入れても返金が受けられない場合があります。
ではどうなるのかというと「どこの会社に寄付しますか?」と出てきます。
こういった場合スクリーンにKassenbon(カッセンボン、レシート)かBeitrag(バイトラグ、寄付)のような選択種が出ますので、返金が欲しければ、Kassenbonを押しましょう。
そもそも寄付が前提のプファンドマシーンもありますが…こういった場所ではボトルを入れる前に返金されるのかというところを見るようにしましょうね。
カートン容器ごとプファンド
時にはカートン容器ごと買うこともありますよね。そういった場合にはそのカートン容器にもプファンドがかけられるので、返却するとまたお金が戻ってくる仕組みです。
僕がシェアハウスを始めた当時は家具が足りなくて、いつか返すつもりで椅子代わりにしていました(笑)
このカートン容器もプファンドの機械で返金できますが、まれに対応していなかったり、カートンにちゃんと空瓶が全部入っていないと受け付けてくれない機械もあります。
そういった場合や機械が見当たらない時は、店員に聞きましょう。ドイツ語に自信が無い方はとりあえず「プファンドマシーン」と言えば、その店にその機会があるか無いか、あるいはどこにあるか身振りなどで教えてくれるはずです。
また機械が無い店ではレジで受け取ってくれるところもあります。
日本にもあったプファンドマシーン
そんなプファンドマシーンですが、なんと日本にもありました。
僕が初めてそれを見たのは海辺の自販機の隣で、機械に入れたら即現金10円が帰ってきたいました。その機会は現在見られなくなっているので、試験的なものだったのかもしれません。
また西東京のスーパーでもこの機械がありました。
たしか1本で0.2円だったので気持ち程度ですよね。そもそも5本単位でないと金として使えない(笑)
ただどちらも元々プファンドが追加で課金されていたわけではないので、店や企業の善意で行われていたものなので、金額が低くても納得ですね。
というよりポイ捨ての観点から言うと、ほぼ全員がちゃんとごみ箱に捨てますからね(笑)
最近は日本でもレジ袋が有料化されたり、ストローがプラスチック以外の物になったりとペットボトルに限らずプラスチック問題は重要な局面を迎えているのは確かです。
海に漂うマイクロプラスチックや、発展途上国に放棄された先進国からのプラスチック容器はドイツでは毎日のようにドキュメンタリーやニュースで取り上げられています。
日本ではあまり表だって出てきませんが、洋上には自然に還らないプラスチックが潮流に流されて巨大な浮島として漂流しているんです。これが細かくなって、プランクトンが食べ、魚が食べ回りまわって人間に帰ってきているんです。
このドイツが先駆けて導入しているプファンド制度は、これから世界に広がっていくのか僕たちの時代で明らかになるでしょう。
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