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2019年09月16日
「超世界への旅」
福島正実が編集した日本のSF短編集「超世界への旅」(SF少年文庫・岩崎書店)は、中学生の時に図書室から借りた本の中でも、特に印象に残っていた本でした。その為、ネットで古本が安価で売り出されていたのを見つけると、つい手が出てしまいました。
収録作品の中でも「あばよ!明日の由紀」「色をなくした町」「ぼくたちは見た!」などは、今でも、内容をはっきり覚えていて、こんな40年も経ってから、再び読む事ができたのは感無量でした。あらためて読んでみると、他の収録作品も秀作が多いです。盛光社のジュニアSFシリーズにも参加していた、中尾明や北川幸比古の希少なショートショート作品を読めたのも嬉しい限りです。気が向いたら、収録作一つ一つの感想も書くかもしれません。
この本は、実は、2006年に復刻版も出ている(オリジナルは、1972年初版)ようなのですが、いずれも古本は数千円以上の値がついていて、手軽な購入が困難となっております。
収録作品の中でも「あばよ!明日の由紀」「色をなくした町」「ぼくたちは見た!」などは、今でも、内容をはっきり覚えていて、こんな40年も経ってから、再び読む事ができたのは感無量でした。あらためて読んでみると、他の収録作品も秀作が多いです。盛光社のジュニアSFシリーズにも参加していた、中尾明や北川幸比古の希少なショートショート作品を読めたのも嬉しい限りです。気が向いたら、収録作一つ一つの感想も書くかもしれません。
この本は、実は、2006年に復刻版も出ている(オリジナルは、1972年初版)ようなのですが、いずれも古本は数千円以上の値がついていて、手軽な購入が困難となっております。
「時の塔」
レイ・カミングズのSF小説「時の塔」は、中学生の時に、ジュブナイル版「時間ちょう特急」(SF世界の名作17・岩崎書店)で読み、悪役ターバーの設定に惹かれて、ずっと印象に残っていました。今回、その事を思い出して、大人向けに書かれた早川書房版の「時の塔」(ハヤカワSFシリーズ)を手に入れた次第です。
ところが、読み進んでいくうち、「時間ちょう特急」とは少し違う部分が見つかりました。「時間ちょう特急」では、ターバーがウルトラミサイルで未来都市を攻撃しようとするのを、それを上回る超兵器の原子分解器で反撃するような、ワクワクする展開だったと思ったのですが、「時の塔」では、これらのアイテムの名前が出てきません。その為、「時間ちょう特急」を読んだ時の興奮がイマイチ再現しなかったのでした。
あらためて、調べてみますと、「時の塔」が書かれたのは、1929年らしいです。第二次大戦前であり、そもそも、ミサイルなんてもの自体が存在してなかったのでした。「時間ちょう特急」の翻訳者(南山宏)が、現代向けに少しアレンジしてたんですね。
そんな訳で、思い入れある「時間ちょう特急」も欲しくなってきたのでした。
ところが、読み進んでいくうち、「時間ちょう特急」とは少し違う部分が見つかりました。「時間ちょう特急」では、ターバーがウルトラミサイルで未来都市を攻撃しようとするのを、それを上回る超兵器の原子分解器で反撃するような、ワクワクする展開だったと思ったのですが、「時の塔」では、これらのアイテムの名前が出てきません。その為、「時間ちょう特急」を読んだ時の興奮がイマイチ再現しなかったのでした。
あらためて、調べてみますと、「時の塔」が書かれたのは、1929年らしいです。第二次大戦前であり、そもそも、ミサイルなんてもの自体が存在してなかったのでした。「時間ちょう特急」の翻訳者(南山宏)が、現代向けに少しアレンジしてたんですね。
そんな訳で、思い入れある「時間ちょう特急」も欲しくなってきたのでした。
2019年09月14日
2019年07月25日
ジュブナイル大好き
2019年07月22日
「時間砲計画」
今回、買いまくったジュニアSFシリーズの一冊。角川文庫版の「時間砲計画」。
あらためて読んで、感じたのですが、本作は、タイムトラベルものと言うよりも、秘境探検ものに近いです。子供っぽい冒険シーンの数々を見ると、こんなに映像向けの作品が、なぜ今まで原作採用されなかったのだろう、と言う印象も受けました。
登場人物が沢山いて、いずれもステレオタイプのキャラばかりなのですが、逆に分かりやすくて、小気味がいいです。悪者のタイプも様々だし、男気のある漢も登場します。主人公の映二君は、いつも、真っ先に同級生の亜由子さんの事を思い浮かべるようで、その色気づきぶりは笑えました。でも、実際の亜由子さんも、話が進むほど、茶目っ気が出てきます。
この小説は、続編もあって、最初はそちらも読むべきかどうか悩んだのですが、でも、どうせ読まなきゃ、ずっと気になってしまうのだろうから、思い切って買う事にしました。
2019年07月11日
昔読んだSF小説
「黒の放射線」を買ったついでに、一緒に購入したジュニアSFの一冊「すばらしい超能力時代」(旺文社文庫)。
小学生の時に読んだジュニアSFシリーズのうち、この一冊は、なぜか、詳しい内容が思い出せません。その為、特に結末部分がずっと気にかかっていて、この度、再読させていただく事にしました。
で、つまるところ、結末部分が記憶になかった原因は、恐ろしいほど、オチがあっさりしていたからみたいなのでした。
同じジュニアSFでも、「時間砲計画」や「人類のあけぼの号」の悪者は、犯人当ての要素があった一方、「すばらしい超能力時代」(「博士超音速で走る」)に出てきた泥棒の正体は、途中の思わせぶりの伏線を全部ムシして、本当にタダの名もない泥棒だったのでありました。
もう一つの話(「博士テレポートする」)に出てくる悪者ヤーノフスキーにしても、正体が宇宙人だったらしい事を匂わせながらも、最後は、何の掘り下げもなく終わってしまっています。
この辺が、単純な子供心には物足りず、結果として、まるで頭に残らなかったみたいなのでした。
それにもう一つ、今回、読み直して気がついたのですが、この「すばらしい超能力時代」は、文面の大半が会話劇で進んでおり、状況説明の地の文がほとんどありません。この点も、幼かった頃の私では、十分にイメージを想像できずに、内容が把握しきれなかった一因だったようです。特に「博士テレポートする」は、題名通り、後半はテレポートしまくって、場所があちこちに移動してしまうので、当時の幼い私の頭では追いつかなかったみたいでした。
でも、こうして、現在、読み返してみると、なかなか楽しいジュブナイルSFではあったんですけどね。
タグ:すばらしい超能力時代 ジュニアSF
2019年07月05日
ジュニアSFシリーズ
「黒の放射線」の事を回顧したら、なんだか、ジュニアSF(盛光社)の事をもっと語りたくなってきました。
この単行本のシリーズは全部で10冊あり、半世紀前なら、多分、どこの小学校の図書室にも置かれていました。NHK少年ドラマシリーズの原作にも使われていたので、当時の子供ならば、必ず一冊は手にとって、読んでみた事があるはずです。
私も、自分の学校に置いていなかった「リュイテン太陽」と「時をかける少女」以外は全部、読みました。多感な少年期に読んだ本である為、強烈に心に残った本も少なくないです。
2012年には復刻したみたいですが、予約制の上、全巻揃いが2万円と超高額なので、もっと簡単に入手しやすい文庫本の発売状況は以下のようになっています。
「新世界遊撃隊」(矢野徹) 角川文庫
「夕ばえ作戦」(光瀬龍) 角川文庫
「黒の放射線」(中尾明) ソノラマ文庫
「リュイテン太陽」(福島正実) 鶴書房のSFベストセラーズ
「時をかける少女」(筒井康隆) 角川文庫
「なぞの転校生」(眉村卓) 講談社文庫/角川文庫
「時間砲計画」(豊田有恒) 講談社文庫/角川文庫
「すばらしき超能力時代」(北川幸比古) 旺文社文庫
「人類のあけぼの号」(内田庶) 秋元文庫
「見えないものの影」(小松左京) 角川文庫
2019年06月14日
水木しげるの妖怪資料
「美術手帖」(美術出版社)の1964年8月号。
一時、どこにも古書が置かれてなくて、購入を諦めかけていたのですが、パブー閉鎖前に、ぎりぎりセーフで手に入れられました。
水木しげる氏は、この本を見て、「化物づくし」バージョンの牛鬼とおどろおどろを知ったみたいです。その問題のページは、ネットのどこのサイトでも扱っていないようなので、私の方で、その証拠画像をアップしておきます。この雑誌には、他にも、髪切り、目ひとつ坊(青坊主)などの図版も掲載されています。
「化物づくし」は、かつては、誰でも鑑賞できるようなメジャーな巻物ではありませんでした。恐らく、最初の頃は、水木氏も「化物づくし」の完全版の実態は把握しておらず、氏の初期の著書では、「化物づくし」の怪物は、牛鬼、おどろおどろ、髪切りぐらいしか取り上げられていなかったのは、要するに、この雑誌しか資料に使ってなかったからなのであります。
「悪の組織の大研究」
2019年03月26日
ライディーン問題
ほんの以前に「勇者ライディーン(ロマンアルバムアーカイブ)」(徳間書店)を購入したのですが、いまいち、私の期待していた内容とは違いました。そこで、もう一度ネットでじっくり探してみて、あらためて購入したのが、こちらの「勇者ライディーン超百科」(立風書房)です。
これは、見事に、私の希望通りの内容でした。全敵キャラのデータが揃っているのはもちろん、1話限りのチョイメカまできちんと紹介されています。なんと、カバーの裏側にまで特別コーナー(お色気迷場面集)が掲載されており、昭和のノリがたまりませんでした。
このポケットジャガー超百科シリーズで、もっと古い作品(当時)の百科をいろいろ出してもらいたかった気もするのですが、他に目ぼしいのが出ていなかったようなので、ひどく残念です。
2019年02月09日
水木しげるの元ネタ本
「日本のユーモア」C.ネット、G.ワーグナー・共著。雄山閣芸術全書。
水木しげる氏の創作した妖怪・百目(ガンマー)には、元ネタとなった絵があった事は古くから知られており、それはユングの本「変容の象徴」内に掲載されていたイラスト「百目鬼」じゃないかと疑われ続けていたのですが、残念ながら、この「変容の象徴」の邦訳本の発売は1985年なので、時系列的に、水木氏が参考にした可能性はあり得ないのでした。
ところが、この「変容の象徴」の「百目鬼」自体が、「日本のユーモア」からの引用でして、wikipediaを久々に覗くと、この「日本のユーモア」に関しては、1958年に邦訳本が発売されていたと言う事なのでした。水木作品での百目の初出は1966年ごろなので、水木氏が邦訳版「日本のユーモア」を持っていた事はほぼ確定です。
長いこと、出典が謎となっていた百目の元ネタ本まで分かるとは、全く、インターネットの情報網とは大したものです。