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2016年03月08日
エデンの園
エデンの園の新参者である人間(アダムとイブ)は、とんだ乱暴者で、園にいる全ての動物が迷惑していた。そこで、園の賢者だった蛇は、人間に知恵の実を喰わせたら、利口になって、皆に乱暴しなくなるのではないか、と考える。
蛇の目論みは成功したが、その行為は神の怒りを買ってしまい、一番他人思いの善人だったにも関わらず、蛇は悪者扱いされ、エデンの園から追い出されてしまう。
蛇の目論みは成功したが、その行為は神の怒りを買ってしまい、一番他人思いの善人だったにも関わらず、蛇は悪者扱いされ、エデンの園から追い出されてしまう。
このネタも、中学生の頃に考えたものです。少し加工したら使えるんじゃないかと思っていたのですが、ブックショートの過去の優秀作品をチェックしてみますと、エデンの園ネタがしっかり存在しています。内容も何となく似てますし、もし比較されたら、分が悪いなぁ、と思いまして、作品化は断念しました。
【裏ワザ】覚えやすいメールアドレスでEメール上級者の仲間入り!
タグ:エデンの園
2016年03月06日
少年マンガ風「桃太郎」
桃から生まれた(正確には、中身をくりぬいた桃の中に入れられて、川から流れてきた捨て子だった)という特殊な出生のおかげで、類いまれの勇気と怪力の持ち主でありながら、桃太郎はすっかりやさぐれた性格に育っていた。
そんな桃太郎が英雄に変わっていくきっかけとなったのは、他でもない、遠い鬼ヶ島に拠点をかまえる鬼の一族が、桃太郎の住む村にまで強盗しにやって来たからだった。鬼たちは、村の若い娘たちを次々に捕えてしまい、桃太郎の唯一の理解者だった阿曽姫(あそひめ)をもさらっていった。
鬼の一族は異形の人種であり、劣性遺伝の問題で、角が生えた同族は男しか生まれないのだ。そのため、子孫を作る時は、このように人間の部落にまで攻めてきて、女子衆を奪うと、彼女たちに自分の子供を産ませたのである。
鬼の傍若無人ぶりに怒った桃太郎は、鬼ヶ島まで乗り込んで、心の妻であった阿曽姫を取り返す決意を固めるが、屈指の戦闘集団である鬼たちの事を誰もが恐れ、桃太郎に手を貸してくれる村人は一人もいなかった。こうして、桃太郎は一人で鬼退治に旅立つ事になるのだ。
桃太郎を育ててくれた優しい老夫婦は、桃太郎との別れを悲しみつつも、餞別としてきびだんごを作って、渡してくれる。このきびだんごは、のちに、桃太郎とその子分たちの絆の象徴ともなるが、同時に、桃太郎自身の未知のパワーの源ともなる。きびだんごを食べた時、桃太郎は皆の優しさや友情を思い出して、気力が満ちあふれ、従来の十人力の怪力を発揮できるようになるのだ。まるで、ほうれん草を食べた時のポパイのように。
さて、桃太郎が旅の途中で最初に召し抱えた仲間は犬だった。犬は、動物の森のリーダーだったのである。しかし、犬が暮らしていた森は、恐ろしい怪物である大ムカデの襲撃を受けていた。桃太郎は、正義心あふれる犬に共感して、この手強い大ムカデ退治の手助けをする。大ムカデは桃太郎の機転によって見事に撃退され、忠義心の強い犬は、桃太郎に借りを返すため、鬼ヶ島まで同行する事を意思表明する。
続いて、桃太郎の前に現れた猿は、実は、鬼の一族と裏でつながっていたスパイだった。桃太郎のそばにはさも味方のフリをして近づいたが、最初は、隙あらば桃太郎を殺してしまおうと策を巡らせていた。しかし、桃太郎の優しさや正義の心に接して、自身も命を助けられたりしてゆくうち、猿の心は揺らぎ始め、ついには鬼たちを裏切ってしまう。こうして、猿も桃太郎の子分の一人となったのだ。
しかし、お調子者で陽気な猿の事を、熱血漢で生真面目すぎる犬だけは、根っから信用していた訳ではなかった。実際、心の弱い猿は、桃太郎の子分になったあとも、時々、裏切るような事もしてしまうのだ。こうして、対照的な犬と猿は、道中、頻繁にケンカする事になり、桃太郎チームの凸凹コンビとなるのだ。
最後に桃太郎が出会ったキジは、元々は、火ふき鳥と呼ばれている妖怪だった。人間の村を襲って暴れていたが、桃太郎チームによって成敗される。桃太郎の采配で、命は助けられたものの、プライドの高いキジは、それだけでは納得できず、敗者の決まりと称して、自分から桃太郎への隷属を申し出る。かくて、キジは桃太郎にとっては三番めの子分となったのだが、元が妖怪だったので戦闘力はかなり高く、感情に走りやすい犬や猿に比べると、いかなる状況でもクールで、桃太郎チームの優秀な参謀格となる。
こうしてメンバーも揃った桃太郎一行は、ついに鬼ヶ島が見える海岸にまでやって来るのだが、彼らにとっての厳しい戦いの始まりはこれからだった。
もはや、鬼ヶ島も目の前だったと言うのに、この島は南蛮渡来のミサイルで守られた要塞になっており、舟を出して近づこうにも、船影が見つかった途端に、すぐさま撃沈されてしまうのである。
はたして、桃太郎たちは、いかなる策略を用いて、鬼ヶ島に上陸するのだろうか。
そして、目的地の鬼ヶ島で待ち構えていた鬼の大将の温羅(うら)こそは、桃太郎の本当の父親だったのだ。
以上のシノプシスを、そのまま出品してみたのですが、まるで相手にされませんでした。
本人は「シノプシスだけ提示したギャグ作品」のつもりだったのですが。まぁ、そんな発想が通用するほど、コンテストは甘くないと言う事です。
作品自体も、そこまで面白い内容じゃありませんでしたし。(ちなみに、これも、中学生の頃に思い付いたネタです)
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そんな桃太郎が英雄に変わっていくきっかけとなったのは、他でもない、遠い鬼ヶ島に拠点をかまえる鬼の一族が、桃太郎の住む村にまで強盗しにやって来たからだった。鬼たちは、村の若い娘たちを次々に捕えてしまい、桃太郎の唯一の理解者だった阿曽姫(あそひめ)をもさらっていった。
鬼の一族は異形の人種であり、劣性遺伝の問題で、角が生えた同族は男しか生まれないのだ。そのため、子孫を作る時は、このように人間の部落にまで攻めてきて、女子衆を奪うと、彼女たちに自分の子供を産ませたのである。
鬼の傍若無人ぶりに怒った桃太郎は、鬼ヶ島まで乗り込んで、心の妻であった阿曽姫を取り返す決意を固めるが、屈指の戦闘集団である鬼たちの事を誰もが恐れ、桃太郎に手を貸してくれる村人は一人もいなかった。こうして、桃太郎は一人で鬼退治に旅立つ事になるのだ。
桃太郎を育ててくれた優しい老夫婦は、桃太郎との別れを悲しみつつも、餞別としてきびだんごを作って、渡してくれる。このきびだんごは、のちに、桃太郎とその子分たちの絆の象徴ともなるが、同時に、桃太郎自身の未知のパワーの源ともなる。きびだんごを食べた時、桃太郎は皆の優しさや友情を思い出して、気力が満ちあふれ、従来の十人力の怪力を発揮できるようになるのだ。まるで、ほうれん草を食べた時のポパイのように。
さて、桃太郎が旅の途中で最初に召し抱えた仲間は犬だった。犬は、動物の森のリーダーだったのである。しかし、犬が暮らしていた森は、恐ろしい怪物である大ムカデの襲撃を受けていた。桃太郎は、正義心あふれる犬に共感して、この手強い大ムカデ退治の手助けをする。大ムカデは桃太郎の機転によって見事に撃退され、忠義心の強い犬は、桃太郎に借りを返すため、鬼ヶ島まで同行する事を意思表明する。
続いて、桃太郎の前に現れた猿は、実は、鬼の一族と裏でつながっていたスパイだった。桃太郎のそばにはさも味方のフリをして近づいたが、最初は、隙あらば桃太郎を殺してしまおうと策を巡らせていた。しかし、桃太郎の優しさや正義の心に接して、自身も命を助けられたりしてゆくうち、猿の心は揺らぎ始め、ついには鬼たちを裏切ってしまう。こうして、猿も桃太郎の子分の一人となったのだ。
しかし、お調子者で陽気な猿の事を、熱血漢で生真面目すぎる犬だけは、根っから信用していた訳ではなかった。実際、心の弱い猿は、桃太郎の子分になったあとも、時々、裏切るような事もしてしまうのだ。こうして、対照的な犬と猿は、道中、頻繁にケンカする事になり、桃太郎チームの凸凹コンビとなるのだ。
最後に桃太郎が出会ったキジは、元々は、火ふき鳥と呼ばれている妖怪だった。人間の村を襲って暴れていたが、桃太郎チームによって成敗される。桃太郎の采配で、命は助けられたものの、プライドの高いキジは、それだけでは納得できず、敗者の決まりと称して、自分から桃太郎への隷属を申し出る。かくて、キジは桃太郎にとっては三番めの子分となったのだが、元が妖怪だったので戦闘力はかなり高く、感情に走りやすい犬や猿に比べると、いかなる状況でもクールで、桃太郎チームの優秀な参謀格となる。
こうしてメンバーも揃った桃太郎一行は、ついに鬼ヶ島が見える海岸にまでやって来るのだが、彼らにとっての厳しい戦いの始まりはこれからだった。
もはや、鬼ヶ島も目の前だったと言うのに、この島は南蛮渡来のミサイルで守られた要塞になっており、舟を出して近づこうにも、船影が見つかった途端に、すぐさま撃沈されてしまうのである。
はたして、桃太郎たちは、いかなる策略を用いて、鬼ヶ島に上陸するのだろうか。
そして、目的地の鬼ヶ島で待ち構えていた鬼の大将の温羅(うら)こそは、桃太郎の本当の父親だったのだ。
以上のシノプシスを、そのまま出品してみたのですが、まるで相手にされませんでした。
本人は「シノプシスだけ提示したギャグ作品」のつもりだったのですが。まぁ、そんな発想が通用するほど、コンテストは甘くないと言う事です。
作品自体も、そこまで面白い内容じゃありませんでしたし。(ちなみに、これも、中学生の頃に思い付いたネタです)
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タグ:桃太郎
2016年03月05日
特撮ヒーロー「うさぎとかめ」
正義の味方ラビットマンとトータスマンの二人のヒーローがいたが、トータスマンはやって来るのが遅いので、いつも手柄はラビットマンが独り占めにしていた。
ある時、ラビットマンは卑劣な罠にはまって、海で溺れかけるが、その窮地を救ったのは、遅れて到着したトータスマンだった。
ある時、ラビットマンは卑劣な罠にはまって、海で溺れかけるが、その窮地を救ったのは、遅れて到着したトータスマンだった。
このネタ、どんなに頭を絞っても、なんだか、誰でも思い付きそうな話にしかならなかったので、途中で放棄してしまいました。
昔話を特撮ヒーローに喩えた物語は、ちょっと書いてみたかったんですけどね。
他にも、「さるかに合戦」の猿をヒーローに見立てて、栗や蜂などの怪人を次々に打ち破っていった猿が、ラストでは最強最後の怪人・臼目がけて飛びかかってゆく、なんて話も考えていました。(ちなみに、カニが悪の大首領ないし大幹部)
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2016年03月02日
さるかに合戦いろいろ
コルベスさまが、自宅に潜入していた鶏、猫、石臼、卵、あひる、針たちによって、虐殺されてしまう。実は、コルベスさまは「さるかに合戦」の猿の生まれ変わりであり、彼を殺した連中も前世はカニや栗や蜂や臼だったのだ。彼らは、輪廻転生したあとも、因果応報で、前世と同じ事を無意識に繰り返したのである。
グリム童話に「コルベスさま」という話があるのですが、その内容が「さるかに合戦」の後半部分にそっくりです。しかし、「さるかに合戦」のような前半部分が存在しないため、なぜコルベスさまが皆によってかかって乱暴されなくてはいけなかったのかが理由が分かりません。執筆したグリムも、結び部分で「コルベスさまはとても悪い人だったに違いありません」と書き足したぐらいです。
そこで、私は、この「コルベスさま」と「さるかに合戦」の類似性に着目して、上記のようなネタを考えました。
しかし、この話を実際に作品化できなかったのは、実は、ブックショートのコンテストは、元ネタが何かも事前に発表する必要がありまして、しかし、それをやっちゃいますと、この話は、最初っからオチがバレてしまうと言う大きな欠点がありまして、それで、作品化にこぎつけなかったのでした。
他にも、「さるかに合戦」をオチに持ってきたアイディアとして、「再集結した桃太郎と犬とキジが、今度、退治に向かった相手とは、戦友の猿を殺したカニたちだった」とか、「西遊記」ネタで「三蔵一行がカニや蜂や臼などの妖怪に襲われるが、彼らの目的は、三蔵法師ではなく、恨み重なる仇敵の猿=孫悟空の方だった」などが思いついていたのですが、いずれも「コルベスさま」と同じ理由でボツにするしかありませんでした。
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2016年03月01日
『西遊記』より「師匠の憂鬱」
孫悟空の術の師匠の名は、須菩提と言う。須菩提は悩んでいた。自分の弟子であった孫悟空が今や、天界をも揺るがす問題児となっていたからである。このような事態になる事は早くに予測できていたので、すでに悟空との師弟関係は切っていたのだが、それでも悟空に術を教えた責任を追求され、天界よりお咎めがあるのではないか、とヒヤヒヤする毎日を送っていた。
やがて、釈迦如来が悟空を捕まえたと言う情報が入ってきて、須菩提もようやく安心できる日々を送れるようになったのだった。
ところが、それから500年経った時、今度は、仏教に帰依した悟空が、三蔵法師を守って、上を下への大活躍をしていると言う話が聞こえてくると、須菩提は急に悟空の事が妬ましくなってきた。そもそも、悟空に術を教えたのは自分であり、自分だって悟空並みかそれ以上の活躍は出来るのだ。それなのに、師匠の自分を差し置いて、悟空ばかりがチヤホヤされているとは!
ついに、須菩提は毛むくじゃらの猿の正体を現して、悟空と入れ替わってやる事を決心した。須菩提の正体は、六耳び猴と言う。
やがて、釈迦如来が悟空を捕まえたと言う情報が入ってきて、須菩提もようやく安心できる日々を送れるようになったのだった。
ところが、それから500年経った時、今度は、仏教に帰依した悟空が、三蔵法師を守って、上を下への大活躍をしていると言う話が聞こえてくると、須菩提は急に悟空の事が妬ましくなってきた。そもそも、悟空に術を教えたのは自分であり、自分だって悟空並みかそれ以上の活躍は出来るのだ。それなのに、師匠の自分を差し置いて、悟空ばかりがチヤホヤされているとは!
ついに、須菩提は毛むくじゃらの猿の正体を現して、悟空と入れ替わってやる事を決心した。須菩提の正体は、六耳び猴と言う。
私は、「悪の組織の大研究」に「西遊記」の研究文を載っけちゃうほど、原作「西遊記」が大好きなのですが、そんな訳で、ブックショートの「昔話や古い小説を題材にした小説を書く」と言うお題を見た時、真っ先に「西遊記」ネタで何か書こうと思い立ちました。
で、まずひらめいた話が、上記したものだったのですが、面白い内容だと思うものの、よくよく思案すると、とても使えそうにないのでした。
と言うのも、オチの六耳び猴が、一般の人にはよく分からないでしょう。この六耳び猴とは悟空に化けた悪者妖怪の一つで、原作に詳しい人ならすぐピンとくるはずですが、そうじゃない人には馴染みがなさすぎるかもしれません。
てな訳で、誰でもすぐ分かるようなオチじゃなければ、小説としては失敗ですので、このネタはお蔵入りしてしまった次第です。
「西遊記」ネタはいろいろ考えてはみたのですが、「西遊記」はプロの作家もすでに頻繁に活用している原作ですので、とびっきり斬新な発想はなかなか見つからないのでした。
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タグ:西遊記
2016年02月29日
ブックショート用ボツネタ順次公開いたします!
私の小説「裸の王様」の冒頭部分には、SF解釈の昔話ネタがいくつも登場しますが、実はこれ、全部ボツネタなのでした。
そもそも、どれもが、私が中学生の頃、SF童話集でも作ろうかと思ってひらめいたネタばかりで、このたび、ブックショートのコンテストのお題とテーマが一致してましたので、活用できないか、部屋の奥から久しぶりに引っぱりだしてきたものなのでした。
しかし、実際にこれらのネタをきちんとした一本の小説にしてみると、明らかに小品にしか成らなさそうです。かと言って、お蔵入りさせちゃうのも勿体ないな、と思いましたので、それなら、このたびの「裸の王様」みたいなスタイルで、ネタだけをいっきに羅列しちゃった次第です。
と言う訳で、実を言いますと、あらたにブックショート用に考えたネタと言うのも、いっぱいありました。しかし、話を煮詰める過程において、ほとんどがボツになってしまいました。
これらのアイディアも、ただお蔵入りしてしまうのは残念な感じがしますので、こちらのブログにて順次、紹介していこうかと思います。
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そもそも、どれもが、私が中学生の頃、SF童話集でも作ろうかと思ってひらめいたネタばかりで、このたび、ブックショートのコンテストのお題とテーマが一致してましたので、活用できないか、部屋の奥から久しぶりに引っぱりだしてきたものなのでした。
しかし、実際にこれらのネタをきちんとした一本の小説にしてみると、明らかに小品にしか成らなさそうです。かと言って、お蔵入りさせちゃうのも勿体ないな、と思いましたので、それなら、このたびの「裸の王様」みたいなスタイルで、ネタだけをいっきに羅列しちゃった次第です。
と言う訳で、実を言いますと、あらたにブックショート用に考えたネタと言うのも、いっぱいありました。しかし、話を煮詰める過程において、ほとんどがボツになってしまいました。
これらのアイディアも、ただお蔵入りしてしまうのは残念な感じがしますので、こちらのブログにて順次、紹介していこうかと思います。
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2016年02月28日
「大きなガブ」解説
「大きなガブ」、いかがだったでしょうか。
元ネタは、言うまでもなく「大きなカブ」で、auのCMで、この昔話のギャグをやっているのを見かけたら、突然、このストーリーが思い浮かび、いっきに書き上げてしまいました。
「大きなカブ」は、もともとはロシアの昔話なのですが、私の「大きなガブ」の場合、前半は原作に忠実であるにも関わらず、後半はタヌキやら河童やらが出てくる和風昔話へと変化していき、最後はトンデモないオチへとたどりつきます。
パロディとして、十分に笑える作品だと作者は思っていたのですが、どうも、それだけでコンテストで勝負するのは分が悪かったようです。そもそも、他の出品者の皆さんが色々とテーマやメッセージを盛り込んだ重厚な作品を提出していると言うのに、こんな一発ギャグみたいな作品があっさり入選してしまったら、それらの皆さんの立場がないではありませんか。
そんな訳で、どんなスゴいオチがひらめいたとしても、それだけに頼って、コンテストで入選を狙うのは難しいみたいです。これは、どの小説コンテストにおいても、同じ事が言えます。つまり、一つのアイディアだけに過信しすぎない事が、入選への道みたいなのです。
私のこの「大きなガブ」も、作品としては十分に完成されていますので、まぁ、anurito作品集内の収録作品の一本としてなら通用するのでしょうが、コンテスト入選作にはなり得ないと言う事なのでしょう。
小説コンテストに参加なされます方は、どうぞ、このへんを参考にしてくださいませ。
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元ネタは、言うまでもなく「大きなカブ」で、auのCMで、この昔話のギャグをやっているのを見かけたら、突然、このストーリーが思い浮かび、いっきに書き上げてしまいました。
「大きなカブ」は、もともとはロシアの昔話なのですが、私の「大きなガブ」の場合、前半は原作に忠実であるにも関わらず、後半はタヌキやら河童やらが出てくる和風昔話へと変化していき、最後はトンデモないオチへとたどりつきます。
パロディとして、十分に笑える作品だと作者は思っていたのですが、どうも、それだけでコンテストで勝負するのは分が悪かったようです。そもそも、他の出品者の皆さんが色々とテーマやメッセージを盛り込んだ重厚な作品を提出していると言うのに、こんな一発ギャグみたいな作品があっさり入選してしまったら、それらの皆さんの立場がないではありませんか。
そんな訳で、どんなスゴいオチがひらめいたとしても、それだけに頼って、コンテストで入選を狙うのは難しいみたいです。これは、どの小説コンテストにおいても、同じ事が言えます。つまり、一つのアイディアだけに過信しすぎない事が、入選への道みたいなのです。
私のこの「大きなガブ」も、作品としては十分に完成されていますので、まぁ、anurito作品集内の収録作品の一本としてなら通用するのでしょうが、コンテスト入選作にはなり得ないと言う事なのでしょう。
小説コンテストに参加なされます方は、どうぞ、このへんを参考にしてくださいませ。
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小説「大きなガブ」
ある日、おじいさんが畑にカブの種をまきました。
何日かたってから畑に行ってみると、そこには大きなガブが埋まっていました。
「よし。今日は、このカブを引き抜こう」
と、おじいさんは大きなガブの葉っぱを両手で握りました。
うんとこしょ、どっこいしょ
しかし、おじいさん一人の力では、相手が大きすぎて、どうしても引き抜く事ができませんでした。
そこへ、おばあさんが通りかかりました。
「おばあさん、いいところに来てくれた。引き抜くのを一緒に手伝ってくれないか」
おじいさんはおばあさんに言いました。
そして、今度は、おじいさんの後ろからおばあさんが引っぱって、試してみました。
うんとこしょ、どっこいしょ
しかし、二人掛かりでも、やっぱり引き抜く事はできませんでした。
そこへ、今度は孫娘が通りかかりました。おじいさんとおばあさんは、孫娘にも手伝ってもらう事にしました。
おばあさんの後ろから孫娘が引っぱります。
うんとこしょ、どっこいしょ
しかし、三人でも、まだ引き抜く事はできませんでした。
今度は犬がそばを通りかかりましたので、犬にも手伝ってもらう事になりました。
孫娘の後ろから犬が引っぱります。
うんとこしょ、どっこいしょ
しかし、三人と一匹でも、まだ引き抜く事はできませんでした。
今度は猫が現れました。猫にも手伝ってもらう事になりました。
犬の後ろから猫が引っぱります。
うんとこしょ、どっこいしょ
しかし、三人と二匹でも、まだ引き抜く事はできませんでした。
今度はネズミが現れました。ネズミにも手伝ってもらう事になります。
猫の後ろからネズミが引っぱりました。
うんとこしょ、どっこいしょ
しかし、三人と三匹でも、やっぱり引き抜く事ができません。
次は、ウサギがそばを通りかかりました。ウサギにも手伝ってもらいました。
ネズミの後ろからウサギが引っぱります。
うんとこしょ、どっこいしょ
三人と四匹でも、引き抜く事はできませんでした。
その次に現れたのはタヌキです。タヌキにも手伝ってもらいました。
ウサギの後ろからタヌキが引っぱります。
うんとこしょ、どっこいしょ
三人と五匹でも、まだ引き抜く事はできませんでした。
今度はサルが現れます。サルにも手伝ってもらう事になりました。
タヌキの後ろからサルが引っぱりました。
うんとこしょ、どっこいしょ
三人と六匹でも、まだびくとも動きません。
近所の川に住む河童がやって来たので、河童にも手伝ってもらう事になりました。
サルの後ろから河童が引っぱります。
うんとこしょ、どっこいしょ
三人と七匹になって、ちょっとだけ動いたような感じがしました。これなら、引き抜けるのも、きっともう一息です。
そこへ、大男の鬼が現れました。ここは、もちろん鬼にも手伝ってもらうしかありません。
河童の後ろから鬼にも引っぱってもらう事になりました。
うんとこしょ、どっこいしょ
力持ちの鬼が加わった事で、ついに相手はグラグラと揺れ始めました。引き抜けるのも、もはや目前です。
そこへ、いじわるな隣のおじいさんが通りかかりました。
隣のおじいさんは、三人と八匹がやっている事を見て、びっくりしました。
「お前たち、何やっているんだ。それはカブじゃない。ガブだぞ。そんなものを引き抜いたら、地面の底が抜けてしまうぞ!」
そうです。実は、昨日の真夜中に、いじわるな隣のおじいさんは、この畑にやって来て、本物のカブを引き抜いて、盗んでしまっていたのです。カブの抜け跡に、地中からガブが顔を出していたのでした。
しかし、もう手遅れでした。
うんとこしょ、どっこいしょ
隣のおじいさんが怒鳴った時には、三人と八匹はすでにガブを引っぱっていました。
そして、とうとうガブは引き抜けてしまったのです。
途端に、地面は大きく裂けて、地球は真っ二つになってしまいました。
了
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何日かたってから畑に行ってみると、そこには大きなガブが埋まっていました。
「よし。今日は、このカブを引き抜こう」
と、おじいさんは大きなガブの葉っぱを両手で握りました。
うんとこしょ、どっこいしょ
しかし、おじいさん一人の力では、相手が大きすぎて、どうしても引き抜く事ができませんでした。
そこへ、おばあさんが通りかかりました。
「おばあさん、いいところに来てくれた。引き抜くのを一緒に手伝ってくれないか」
おじいさんはおばあさんに言いました。
そして、今度は、おじいさんの後ろからおばあさんが引っぱって、試してみました。
うんとこしょ、どっこいしょ
しかし、二人掛かりでも、やっぱり引き抜く事はできませんでした。
そこへ、今度は孫娘が通りかかりました。おじいさんとおばあさんは、孫娘にも手伝ってもらう事にしました。
おばあさんの後ろから孫娘が引っぱります。
うんとこしょ、どっこいしょ
しかし、三人でも、まだ引き抜く事はできませんでした。
今度は犬がそばを通りかかりましたので、犬にも手伝ってもらう事になりました。
孫娘の後ろから犬が引っぱります。
うんとこしょ、どっこいしょ
しかし、三人と一匹でも、まだ引き抜く事はできませんでした。
今度は猫が現れました。猫にも手伝ってもらう事になりました。
犬の後ろから猫が引っぱります。
うんとこしょ、どっこいしょ
しかし、三人と二匹でも、まだ引き抜く事はできませんでした。
今度はネズミが現れました。ネズミにも手伝ってもらう事になります。
猫の後ろからネズミが引っぱりました。
うんとこしょ、どっこいしょ
しかし、三人と三匹でも、やっぱり引き抜く事ができません。
次は、ウサギがそばを通りかかりました。ウサギにも手伝ってもらいました。
ネズミの後ろからウサギが引っぱります。
うんとこしょ、どっこいしょ
三人と四匹でも、引き抜く事はできませんでした。
その次に現れたのはタヌキです。タヌキにも手伝ってもらいました。
ウサギの後ろからタヌキが引っぱります。
うんとこしょ、どっこいしょ
三人と五匹でも、まだ引き抜く事はできませんでした。
今度はサルが現れます。サルにも手伝ってもらう事になりました。
タヌキの後ろからサルが引っぱりました。
うんとこしょ、どっこいしょ
三人と六匹でも、まだびくとも動きません。
近所の川に住む河童がやって来たので、河童にも手伝ってもらう事になりました。
サルの後ろから河童が引っぱります。
うんとこしょ、どっこいしょ
三人と七匹になって、ちょっとだけ動いたような感じがしました。これなら、引き抜けるのも、きっともう一息です。
そこへ、大男の鬼が現れました。ここは、もちろん鬼にも手伝ってもらうしかありません。
河童の後ろから鬼にも引っぱってもらう事になりました。
うんとこしょ、どっこいしょ
力持ちの鬼が加わった事で、ついに相手はグラグラと揺れ始めました。引き抜けるのも、もはや目前です。
そこへ、いじわるな隣のおじいさんが通りかかりました。
隣のおじいさんは、三人と八匹がやっている事を見て、びっくりしました。
「お前たち、何やっているんだ。それはカブじゃない。ガブだぞ。そんなものを引き抜いたら、地面の底が抜けてしまうぞ!」
そうです。実は、昨日の真夜中に、いじわるな隣のおじいさんは、この畑にやって来て、本物のカブを引き抜いて、盗んでしまっていたのです。カブの抜け跡に、地中からガブが顔を出していたのでした。
しかし、もう手遅れでした。
うんとこしょ、どっこいしょ
隣のおじいさんが怒鳴った時には、三人と八匹はすでにガブを引っぱっていました。
そして、とうとうガブは引き抜けてしまったのです。
途端に、地面は大きく裂けて、地球は真っ二つになってしまいました。
了
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タグ:大きなカブ
2016年02月27日
祝・コンテスト入選!
このたび、ブックショートに送った作品が、優秀作品に選んでいただけました。この優秀作品とは、言ってみれば一次選考みたいなもので、けっこうな確率で入選はできるのですが、それでも快挙には違いありません。
そんな訳で、しばらくは、このブックショートへの出品作品のお話をしてゆきたいと思います。
「ルシーの明日」の連載の方も実は、冥王星の話題が出てきて、佳境に入っていたのですが、あんまり読者の反応がないみたいなので、あっさり中断させていただきます。
入選作「裸の王様」
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そんな訳で、しばらくは、このブックショートへの出品作品のお話をしてゆきたいと思います。
「ルシーの明日」の連載の方も実は、冥王星の話題が出てきて、佳境に入っていたのですが、あんまり読者の反応がないみたいなので、あっさり中断させていただきます。
入選作「裸の王様」
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2016年02月25日
(小説)ルシーの明日・その30
「ボクたちがこうして見張っている限りは、シリコニーの好き勝手ばかりはさせないよ。だから、君たちは安心してくれていいんだ」
と、ルシーは言うのだった。
シリコニーは、時として、必要以上に地球の人間社会に介入してきて、強引に自分たちの計画を推し進めたりもしていたようである。そんな時は、ルシーの方もすかさず妨害工作を行ない、シリコニーの暗躍による人類への被害を最小限に食い止めてくれていたらしいのだ。
「地球のすぐそばには、つい最近まで、シリコニーの情報ネットワークの中継スポット及び、地球侵攻のための前線基地があったんだ。それが何処かというと、冥王星なのさ」
(つづく)
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と、ルシーは言うのだった。
シリコニーは、時として、必要以上に地球の人間社会に介入してきて、強引に自分たちの計画を推し進めたりもしていたようである。そんな時は、ルシーの方もすかさず妨害工作を行ない、シリコニーの暗躍による人類への被害を最小限に食い止めてくれていたらしいのだ。
「地球のすぐそばには、つい最近まで、シリコニーの情報ネットワークの中継スポット及び、地球侵攻のための前線基地があったんだ。それが何処かというと、冥王星なのさ」
(つづく)
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タグ:冥王星