アフィリエイト広告を利用しています

2024年07月29日

火曜クラブ(短編集) 感想

まーぷるy.png






火曜クラブ


agasa.png




このブログは
アガサクリスティーが好きすぎて
無人島になにを持って行きたいかと聞かれたら
「アガサクリスティーの本」と答えるくらいの熱量があります
この本のこの作品のココが好き
または
この本のこういう所が見所!
というのを紹介していくブログです
自分の独断と偏見で★を付けていますが完全好みの問題なので、皆様とは違う価値観かもしれません。
ご容赦願います


このブログの最初はこちら


火曜クラブ(短編集)
まーぷるy.png



ミス・マープルが分かる度★★★
サクッと読める度    ★★☆
無人島に持っていきたい度★★★

【中古】 火曜クラブ / アガサ クリスティー, Agatha Christie, 中村 妙子 / 早川書房 [文庫]【メール便送料無料】【あす楽対応】

価格:584円
(2024/7/29 21:12時点)
感想(0件)




マープル.png


これはミス・マープルの短編集です
安楽椅子探偵として有名な探偵ミス・マープルの魅力がつまった短編集です。
ミス・マープルというと、アガサの作品の中でもポアロと並んで人気の探偵です。
マープルの最初の登場は、短編でしたがそれがこの『火曜クラブ』です。
13篇のマープルだらけのお話です。

このブログの中で、”クリスティ短編集T”の中の5編と重複しているお話がありますので、それについては割愛しています。

アガサはマープルの事をご自分の祖母に似てると言っています。
ポアロよりも、好きな登場人物だったらしいことも。

自分も小学生のころから、ミス・マープルを読んで人生について人間性についておばあちゃんマープルの様子に親しみやすさを感じていました。
”さっきから聞いてますとね、誰と村の誰が似ていて、大抵どこでも人間性ってのは変わらないもので、、、あら、網目がここで、、、そうそう、なんのお話だったからかしら、でも本当のところ、さっきの話を聞いていますとね、村のトラウトおばあさんの事を思い出しましたのよ”とそんな感じです。

本当に実在のおばあさんがしゃべっているようです。

最初は、マープルの話はまどろっこしく聞こえますが最後には鮮やかに辻褄が合い、謎が解けます。
その様子にその場にいた人たちがだんだんミス・マープルに一目置くようになり読み終わるころには、読者が全員マープルのファンになるという訳です。

この『火曜クラブ』というのは、ミス・マープルの甥のレイモンド、その知り合いの警察関係や友人の画家など様々な職業の人々がたまたま、ミス・メープルの家に集まっていたのが火曜日だったことに由来します。
余興として”各自が真相を知っている実在の事件をかたり、皆で推理し合うというゲームをするのです。
推理ゲームをするわけです。
最初は、ミス・マープルの事を皆が”静かなおばあさん”という外見にとらわれて、マープルなしで話を進めようとするのですが、ひとたび推理を始めれば瞬く間に事件の真相を解いてしまうので一目置かれるようになります。

アガサの作品ではありませんが、アイザック・アシモフという作家の作品の『黒後家蜘蛛の会』の給仕のヘンリーもこのような人物です。興味がればそちらも読んでみても面白いかと思います。





まーぷるクリスマス.png



ネタバレなしのそれぞれの紹介

※新潮文庫のアガサクリスティー短編集Tの中にも重複している者については割愛しています。

『火曜クラブ』
新潮文庫のアガサクリスティー短編集Tの中にも重複”火曜の夜の集い”と同じ話

『アスタルテの祠』
新潮文庫のアガサクリスティー短編集Tの中にも重複”アスタ―ティーの神殿”と同じ話

『金塊事件』
新潮文庫のアガサクリスティー短編集Tの中にも重複

『舗道の血管』
新潮文庫のアガサクリスティー短編集Tの中にも重複

『動機対機会』
新潮文庫のアガサクリスティー短編集Tの中にも重複
ここまでの5編は、以前紹介したアガサクリスティー短編集Tの中に収められていますので、(しつこくてすみません)そちらを参考にしてみてください!

聖ペテロの指のあと★☆☆
これは、ダイイングメッセージにヒントがあります。そこにマープルが気がつくところが重要なお話。マープル作品ではないですが同じようなダイイングメッセージが重要な作品は他でも見ますね。謎解きとしては英語が得意でなければそもそも解けないかもしれないです。(赤川次郎先生の三毛猫ホームズでも似たような謎解きがありますね)

青いゼラニウム★★☆
トリックが重要な作品です。壁紙の花がいつのまにか変化するミステリーです。そして思いもかけない犯人が出てきます。

二人の老婆★☆☆
いかにも、映像化できそうな、ドラマ化できそうな作品です。日本では横溝正史の双子の老婆が出てくるお話が有名かと思いますが、それを思い出さないでもありません。

四人の容疑者★☆☆
手紙のトリックです。話の本筋は不気味なんですが(詳しくはこれ以上言いませんが)容疑者四人の中で誰がどういう人なのか?と手紙から始まり考えるのが興味深い作品です。

クリスマスの悲劇★★★
このお話は聞き役だったマープルが、いよいよ出題者となるお話です。マープルの体験談になります。事件を語る様子に、そして真相を語る様子に、マープルの性格がよくでている作品だと思います。

毒草★★★
このお話は、語り部が非常に口下手であるという設定になっているので読んでいて、非常にまどろっこしいです。しかしその演出により、かえって『火曜クラブ』が実在するかのような気持ちになります。
口下手な語り部から少しずつ事実が見えてくる中で、人物像に色がついて、表情が見えて事件の真相にたどり着くという事になりますが、解決に導くのはやはりマープル。人間性を語らせたらミス・マープルにかなう人はいません。そんなお話です。

バンガロー事件★★☆
語り部が美女で有名な女優の出題するミステリーです。『火曜クラブ』の参加者の中で、いろんな意味でざわつくほどの、美女なんですが、自分を賢そうに見せようとはちっとも思っていない。誤解されることを覚悟して言うと、”殿方って頭のゆるい美女がお好きでしょ?"って信じて演じてる風でもあります。(ほんとはどうか分からない)このころの女優さんてこういう方が好まれたんでしょうか。
作品の中では、”ちょっと今風の男子には受けないわね”的な表現があるので、アガサはその辺のところを皮肉に書きたかったのかもしれません。アガサの頭の中にはどなたか実在のモデルがいるのかもしれないと勘ぐりました。

溺死★★★
この話だけは、『火曜クラブ』から派生した、いわば番外編のようなものです。
『火曜クラブ』での話ではなく、その集まりで知り合った前警視総監サー・ヘンリー・クリザリングに、ミス・マープルがいきなり助けを求める話です。ある事件とも事故とも言えない出来事について、突然ヘンリーのもとに、マープルが犯人を知っています、分かっています、いうのです。
”こんなおばあさんが突然言ったところで世間は信用しませんでしょう?だから、元警視総監のあなたに真実を解いてもらいたい”という具合です。ヘンリーは驚きますが、すでに『火曜クラブ』でマープルがとんでもない洞察力を持っているのを知っているので”本当だろうか?”と思いつつもヘンリーは解明に乗り出すのです。


耳で聞くならこちらを




自分と周りに優しいイヤホンも

【日本語音声ガイド】 Bluetooth イヤホン 超軽量 空気伝導 ワイヤレスイヤホン bluetooth 5.3 骨伝導イヤホン 耳掛け イヤホン bluetooth 骨伝導 ワイヤレス イヤホン ブルートゥース 骨伝導 ヘッドセット 空気伝導 オープン イヤホン ランニング 2台同時接続 耳が痛くない

価格:3680円
(2024/7/28 07:52時点)
感想(241件)




耳の穴を塞がないから良いのです
IMG_20240728_062357~2.jpg
(充電中です)

\★2個目購入で200円OFF★/骨伝導イヤホン 耳を塞がない オープンイヤー 耳掛け式 外音取込み 超軽量 高音質 ノイズキャンセリング 大容量電池 Bluetooth5.3 12時間再生 IPX5防水防滴 イヤホン iPhone通話 快適装着 iPhone ipad Android対応

価格:1980円
(2024/7/29 08:34時点)
感想(84件)




IMG_20240728_062342~2.jpg

20240728_204936 1.jpg


黄色いアイリス(短編集)

アイリス.png







agasa.png


黄色いアイリス


このブログは
アガサクリスティーが好きすぎて
無人島になにを持って行きたいかと聞かれたら
「アガサクリスティーの本」と答えるくらいの熱量があります
この本のこの作品のココが好き
または
この本のこういう所が見所!
というのを紹介していくブログです
自分の独断と偏見で★を付けていますが完全好みの問題なので、皆様とは違う価値観かもしれません。
ご容赦願います


このブログの最初はこちら

黄色いアイリス(短編集)

いろんな探偵ものが読める度★★★
アガサの原点かもしれない度★★☆
ドラマにしたい作品度   ★★☆
無人島に持っていきたい度 ★★☆ 

【中古】 黄色いアイリス ハヤカワ文庫10クリスティー文庫/アガサ・クリスティ(著者),中村妙子(訳者)

価格:605円
(2024/7/28 23:26時点)
感想(0件)



表題にある『黄色いアイリス』の入った短編集です

9つの短編が収められており、ポアロもの、マープルもの、パーカーパインもの、有名な探偵は出ない話など、混合したバラエティーに富んだ短編集となっています。
それはまるでフランス料理の重厚なフルコースというよりは、インドネシアのワンディッシュランチのような楽しさとユニークさです。一つのお皿にナシゴレンやサティやミーゴレン色鮮やかに辛いも甘いも乗っているようなそんなイメージをして頂いたらいいかもしれません。

ワンディッシュ.png

この短編集の中には長編の原型ではないかと思われる作品がいくつかあります。
『黄色いアイリス』が『忘られぬ死』の原型ではないかというのは有名な話ですが、それ以外にもいくつかある気がします。これは私だけが思うのかもしれません。是非、読んだ皆様がどう思われるか聞きたいところです。

特殊なのは『帆の暗い鏡の中に』です。不気味な夢を見た気持ちになります。アガサは愛の側面のつまり甘いだけではない片側をこんな風に表現するんだなと思ったのです。
アガサの魅力を語る時にこれは読んでた方がいい1つかもしれないと思う作品です。




ネタバレなしの紹介

レガッタ・デーの事件★☆☆
パーカー・パインの話。単純にいうと目の前でダイヤがきれいさっぱりに消えてしまう話。全員の身体検査をするのに、出てこない、、、。これは、他の何かの長編の原型になっている気がします。既視感の有る短編です。なんの作品の元になってるのか今後、どこかで紹介する長編ではっきりするかも!(今はまだいいません)

バクダッドの大櫃(おおびつ)の謎★★★
ポアロの話でミスレモンも出てきます。週刊誌ネタのような”バクダッドの大櫃の謎”という新聞の記事から始まります。異国情緒あふれる飾りのついた(たぶん当時はインテリアとしても使われてたのではなかろうか?)大櫃から大量の血がにじんでいて、その中にはなんと男の死体が!という血生臭い話なのですが、同時にメロドラマを思わせる設定です。読んでるだけで、異国の飾りのある大櫃の舞台装置が頭の中で作り出されます。そして、ファアムファタル(妖女)の存在なくしてはこの作品は意味を成しません!(妖女とは男性にとって運命、もしくは破滅させる女性の存在)
『スペイン櫃の秘密』とほぼ同じ話ですが、微妙に違いますので、是非両方読んで違いを楽しんで欲しいです。(『クリスマスプティングの冒険』短編集に収録)

あなたの庭はどんな庭?★★☆
ポアロに切羽詰まった依頼の手紙が届くことから始まります。ポアロは依頼を受ける手紙を出すのですが着くかつかないかで、実は入れ違いに依頼主が亡くなっていたのです。依頼主が亡くなったので依頼の話はなかったことに、という断りの手紙が届くのにも関わらずポアロはいけしゃあしゃあと(正義感かも)その家庭に乗り込んで謎を解いていくという話。しかし、理不尽な”死”に対してポアロは容赦しません。

ポリェンサ海岸の事件★☆☆
パーカー・パインのお話。ポアロが刑事事件を取り扱うとするならば、パーカー・パインはどちらかというと民事事件を扱う探偵といったところでしょうか。
殺人とかではないですが不幸な依頼者を幸せに導く探偵です。今回は海辺のリゾート地を舞台に”ユニークな方法で事件”を解決します。このパーカー・パインには優秀な仲間がいてその仲間が非常に優秀です。どうやったらそんなすてきな人材が集まるんでしょう、、、、等と毎回思います。それも含めてユニークな作品です。

黄色いアイリス★★☆
この短編集の表題になってる作品。長編『忘られぬ死』の原型です。事件は悲惨な物ですが、ポアロが珍しく妖艶な美女と絡みますよ!と言ったら誤解をさせるかもしれません。でもそんなご褒美もたまにはアガサは書くのだなって思います。

ミス・マープルの思い出話★★☆
話を座って聞いてるだけで、事件を解決に導く”おばあさん”の話。つまり安楽椅子探偵ミス・マープルの話です。有罪確定と言われた知り合いの友人を救うのですが、現場に足を運んだりしないで、今までの人生経験と人間観察を武器として真犯人とその方法を導くのです。ネタバレになるので詳しくは書けないですが、男性は女性の服装などに対してあんまり違いを見いだせないんだな、とアガサはそこを歯がゆく思ってたかもしれません。それを逆手に取ったトリックになります。妻殺しの罪で絞首刑確定の容疑者から話を聞くだけで瞬く間に解決するのですからすごい話です。ですからそんなすごい思い出話を甥のレイモンドに話す形になりますがそれはシレッと自慢話にもなりますね。町医者と、最先端の大病院の医者との比較をしてる所なんてマープル自身も恥ずかしそうにしてはいますがまんざらでもなさそうです。

仄暗い鏡の中に★★★
私はこの話に魅力を感じます。不思議だしちょっと不気味で狂気を感じます。改めて読み返すと、、、読み返すたびに妙な何とも言えない怖さがありアガサの違った作品の楽しみ方が出来るのではないでしょうか。

船上の怪事件★☆☆
船の旅を楽しむポアロだったが、そこに事件が、、、という話。このお話はどことなくアガサの他の作品の『アレとアレを組み合わせたような話』だなって思います。ネタバレすると設定が『ナイルに死す』ぽいなと思うんです。(”ナイルに死す”を読んで短編を思い出したと以前書いたのですが、このお話でした!)サクッと読めます

二度目のゴング★☆☆
ポアロが依頼を受けて、その館に来てみれば、そのほんの15分前に依頼主が自殺しちゃってるっていうとんでもない話。当然自殺ではありません。お金持ちの家のルールはいろいろあるんでしょうが、ゴングが鳴ったら全員食卓を囲むとか、そういう食事のルールが出てきます。それが事件解決の糸口にもなります。ちなみに受けた依頼の内容は横領事件だったのですが、その横領事件も一緒に解決してしまいます。筋とは関係ないですがその場合、依頼主は亡くなってるしその分の報酬はポアロはもらえるのかな?なんてどうでもいい事を考えてしまう自分がいました!

【中古】 黄色いアイリス ハヤカワ文庫10クリスティー文庫/アガサ・クリスティ(著者),中村妙子(訳者)

価格:605円
(2024/7/28 23:26時点)
感想(0件)




耳で聞くならこちらを♡




自分と周りに優しいイヤホンも

【日本語音声ガイド】 Bluetooth イヤホン 超軽量 空気伝導 ワイヤレスイヤホン bluetooth 5.3 骨伝導イヤホン 耳掛け イヤホン bluetooth 骨伝導 ワイヤレス イヤホン ブルートゥース 骨伝導 ヘッドセット 空気伝導 オープン イヤホン ランニング 2台同時接続 耳が痛くない

価格:3680円
(2024/7/28 07:52時点)
感想(241件)



\★2個目購入で200円OFF★/骨伝導イヤホン 耳を塞がない オープンイヤー 耳掛け式 外音取込み 超軽量 高音質 ノイズキャンセリング 大容量電池 Bluetooth5.3 12時間再生 IPX5防水防滴 イヤホン iPhone通話 快適装着 iPhone ipad Android対応

価格:1980円
(2024/7/28 22:33時点)
感想(84件)




耳の穴を塞がないから良いのです
IMG_20240728_062357~2.jpg
(充電中です)
IMG_20240728_062342~2.jpg



ねじれた家 (ハヤカワ文庫) [ アガサ・クリスティ ]

価格:1012円
(2024/7/26 10:47時点)
感想(8件)




20240728_204936 1.jpg


2024年07月28日

ミス・レモンについて(ポアロの秘書)

レモンミス2.png






agasa.png


ミス・レモンについて


このブログは
アガサクリスティーが好きすぎて
無人島になにを持って行きたいかと聞かれたら
「アガサクリスティーの本」と答えるくらいの熱量があります
この本のこの作品のココが好き
または
この本のこういう所が見所!
というのを紹介していくブログです
自分の独断と偏見で★を付けていますが完全好みの問題なので、皆様とは違う価値観かもしれません。
ご容赦願います


このブログの最初はこちら


登場人物の紹介です

ミスレモン.jpg

ポアロ作品に出てくる登場人物です

1ミスレモン.png


ミス・レモンはポアロの秘書です。45歳くらいの女性秘書で、しっかりとした仕事ぶりのいかにもポアロが雇いそうな、そういった意味では申し分ない秘書として登場します。事務的な処理を絶対に”失敗しない”有能キャラです。
請求書の分別、業者への対応、手紙のタイピングなど秘書としてすべて完璧です。
あまり人をほめないポアロですが、その完璧さに一目置いてる感じがあります。ここまで聞くと下世話な話、ポアロと恋仲になっても良いのではと思うのですが、そうはなりません!

なぜなら彼女の唯一欠点ば”人間についての興味がない”ということなのです。

ポアロはミス・レモンに『どう思う?』と興味ある事件について聞いたりしますがミス・レモンはイラッとした顔で”私の仕事の範囲と違うことを聞かないでください、それは今必要ですか?”と、まるで機械のような無機質な答えで、ポアロをがっかりさせます。
人間に対する想像力があまりないタイプなのです。
ですから、秘書として優秀でもポアロと恋仲になりそうな雰囲気は全くありません。

想像豊かなポアロの友人ヘイスティングズとの比較に使われているようにも思います。

印象に残る作品としては短編『スペイン櫃の秘密』があります
短編集『黄色いアイリス』の中の一遍です

黄色いアイリス クリスティー文庫 / Agatha Christie アガサクリスティー 【文庫】

価格:990円
(2024/7/28 22:31時点)
感想(0件)



アガサの作品の『スペイン櫃の秘密』『バクダッド大櫃の秘密』は同じ題材で同じ内容の話ですが、雰囲気が違います。
『スペイン櫃の秘密』にはミスレモンが、事件に関わる人物の説明をわかりやすく説明させているシーンがあるのです。
『バクダッド大櫃の秘密』(短編集 クリスマスプティングの冒険の中の一遍)にはヘイスティングズが出てくるので、ミスレモンの出番はない感じです。そこも違います。微妙な違いを読み比べてみてもいいかもしれません。

長編で印象に残る作品としては『ヒッコリーロードの殺人』があります
”ヒッコリーロードの殺人”という長編の中では、ミスレモンの姉が関わる事件を依頼をするので、その時はいつもより出番が多く、人間的なところをのぞかせるシーンも出てきます。(そこも面白い所だなと思います)
他にもミスレモンの活躍を思い出せたら、随時追加していきますが、それにしてもポアロの秘書として、彼が雇うにふさわしいなと思える人物かもしれません。出番は少なくとも、ポアロの作品において印象に残る登場人物に思います。

ここで、邪推ですが
ミスレモンが、ポアロに対して機械的な受け答えを徹底しており、決して恋仲にならず女性的な”隙”が全く見えないのは、雇い主のポアロが変人に書かれていますので、もしかしたら、”雇い主としては良いけど絶対恋愛対象にはならないわ!面倒くさい!”というミスレモンの暗にそういう計画的意思表示なのかもしれないと最近思うようになりました。なんとも言えないですが。そこらへんも想像しながら読んでみるのもいいかもしれません。私はきっとミスレモンとは友達にはなれないけど、好きですね!興味深い人物です。

黄色いアイリス クリスティー文庫 / Agatha Christie アガサクリスティー 【文庫】

価格:990円
(2024/7/28 22:31時点)
感想(0件)




耳で聞くならこちらを♡




自分と周りに優しいイヤホンも

【日本語音声ガイド】 Bluetooth イヤホン 超軽量 空気伝導 ワイヤレスイヤホン bluetooth 5.3 骨伝導イヤホン 耳掛け イヤホン bluetooth 骨伝導 ワイヤレス イヤホン ブルートゥース 骨伝導 ヘッドセット 空気伝導 オープン イヤホン ランニング 2台同時接続 耳が痛くない

価格:3680円
(2024/7/28 07:52時点)
感想(241件)



\★2個目購入で200円OFF★/骨伝導イヤホン 耳を塞がない オープンイヤー 耳掛け式 外音取込み 超軽量 高音質 ノイズキャンセリング 大容量電池 Bluetooth5.3 12時間再生 IPX5防水防滴 イヤホン iPhone通話 快適装着 iPhone ipad Android対応

価格:1980円
(2024/7/28 22:33時点)
感想(84件)




耳の穴を塞がないから良いのです
IMG_20240728_062357~2.jpg
(充電中です)
IMG_20240728_062342~2.jpg



ねじれた家 (ハヤカワ文庫) [ アガサ・クリスティ ]

価格:1012円
(2024/7/26 10:47時点)
感想(8件)




20240728_204936 1.jpg

2024年07月26日

ねじれた家 感想






agasa.png




このブログは
アガサクリスティーが好きすぎて
無人島になにを持って行きたいかと聞かれたら
「アガサクリスティーの本」と答えるくらいの熱量があります
この本のこの作品のココが好き
または
この本のこういう所が見所!
というのを紹介していくブログです
自分の独断と偏見で★を付けていますが完全好みの問題なので、皆様とは違う価値観かもしれません。
ご容赦願います


このブログの最初はこちら


ねじれた家

ねじれた家.png

アガサがノリにノって書いています ★★★
後味のビター度          ★★★
最後まで犯人分からない度     ★★★
無人島に持っていきたい度     ★★☆

この作品はポアロなどの有名な探偵は出てきません。
ですが、アガサ本人が乗りに乗って書いてたいへんなお気に入りでした。(と言われています)映画化にもなりました。
あがさのはなし.png


私もこの作品を読んだ時、アガサの絶好調に楽しそうに書いてる姿が目に浮かびました。それぐらいに面白いです。面白いと言っても事件自体は陰惨でなんとも言えず恐ろしいのですが人間の心理描写も細かいし登場人物が魅力的(登場人物全員が好ましい人物ではないですけど)に書かれていて素晴らしいです。
なんと言っても人物の性格の書き分けが素晴らしいです。微妙な表現力、描写が、飽きさせません。
いかすけない嫌なヤツばかり出てきますが一体この家の何が一番ねじれているのか?最後まで分かりません。

ねじれた家 (ハヤカワ文庫) [ アガサ・クリスティ ]

価格:1012円
(2024/7/26 10:47時点)
感想(8件)




ネタバレなしの紹介

この作品の主人公は、探偵ではありませんが、淡々と起こる事件の関係者としても語り部としても大変に魅力的です。アガサの表現の仕方が絶妙に上手いのです。
主人公はお金持ちであるアリスタイドの孫娘に恋をして婚約するのですが、そのアリスタイドというのが一癖も二癖もあり一族を敷地内に住まわせ、権力をふるっている高圧的な人物なのです。
読み始めてすぐに既に何かがねじれてるなと思わせる設定です。
アガサはそんな風変わりなお金持ち老人が一族を支配しているのを題材に作品を書くことがありますが、この作品もその一つと言えます。

アリスタイドの孫娘は”私はそんなねじれた家の人間なのだ”と主人公に告白するのですが、彼女と結婚したい主人公はその実家に怖いながらも挨拶に行くのです。婚約中の相手の家に挨拶に行くとなんとその一家の嫌われ者のアリスタイド老人が毒殺され、いったい誰が?という犯人探しになります。
孫娘も他の親族も殺したいと思っている人だらけで誰もが犯人らしく思えるのです。
物語にまとわりつく、ねちっこい人間模様が不気味で何とも言えません。

この作品が自分は好きですが、作品として好きであって、ミステリーとして好きかと言われると、難しいです。結末も含め完全に好みの問題です。
実際自分は、この作品の面白さに気付いた時一気にこの作品を読み切りました。
ミステリーというよりは、ホラーに近いかもしれません。不気味な雰囲気がまとわりついていて、そういう描き方もアガサは得意だと思います。

読み進むにつれてどんどん、アガサのペンが走っているのが分かります。
言い方が難しいけど、この不気味な話を、アガサは多分笑顔で書いています。読者に楽しんでほしいと書いてるのが分かります。そんな作品です。
最後はやはり、読者はとんでもなく迷宮に入り込み、裏切られ、してやられた!と思わされるのです。(結局、アガサに翻弄されて楽しんでいる自分がやっぱりいます)
自分の好みかどうか別にして文句なく傑作の1つと言えます。(複雑な言い方ですが本心です)
皆様の評価も分かれるかもしれません。
もとかれ.png


※フジテレビドラマで”元彼の遺言状”綾瀬はるかさん、大泉洋さんでされてますがドラマの中に『ねじれた家』出てきますね。でも原作も読んだんですが、そんなに本筋に直接は関係ないような、、、そもそもドラマの篠田役の大泉さんも随分原作とは違う人物ですから、全然別物として楽しむ内容だと思います

元彼の遺言状 Blu-ray BOX 【BLU-RAY DISC】

価格:29146円
(2024/7/26 10:49時点)
感想(0件)



【中古】元彼の遺言状 / 新川帆立

価格:218円
(2024/7/26 10:50時点)
感想(0件)



耳で聞くならこちらを♡




自分と周りに優しいイヤホンも

【日本語音声ガイド】 Bluetooth イヤホン 超軽量 空気伝導 ワイヤレスイヤホン bluetooth 5.3 骨伝導イヤホン 耳掛け イヤホン bluetooth 骨伝導 ワイヤレス イヤホン ブルートゥース 骨伝導 ヘッドセット 空気伝導 オープン イヤホン ランニング 2台同時接続 耳が痛くない

価格:3680円
(2024/7/28 07:52時点)
感想(241件)




耳の穴を塞がないから良いのです
IMG_20240728_062357~2.jpg
(充電中です)
IMG_20240728_062342~2.jpg

ねじれた家 (ハヤカワ文庫) [ アガサ・クリスティ ]

価格:1012円
(2024/7/26 10:47時点)
感想(8件)



リステダール卿の謎 (短編集)感想






リスタデール卿の謎


agasa.png




このブログは
アガサクリスティーが好きすぎて
無人島になにを持って行きたいかと聞かれたら
「アガサクリスティーの本」と答えるくらいの熱量があります
この本のこの作品のココが好き
または
この本のこういう所が見所!
というのを紹介していくブログです
自分の独断と偏見で★を付けていますが完全好みの問題なので、皆様とは違う価値観かもしれません。
ご容赦願います


このブログの最初はこちら

リスタデール卿の謎 (ハヤカワ文庫 クリスティー文庫 56(短篇集)) [ アガサ・クリスティ ]

価格:1056円
(2024/7/26 10:14時点)
感想(4件)



リステダール卿の謎

           
ユーモアミステリー度            ★★☆
さくっと読める度              ★★★
ポアロもマープルも出てこないがとても面白い度★★★
無人島に持っていきたい度          ★★★ 


この作品は早川ミステリー文庫の短編集の作品です


12編の作品がまとめられていますが、この作品集の中にポアロやマープルのような
有名な探偵は出てきません

しかし、1話ごとに違う主人公が、ある時は何気ない日常から、ある時はユーモアたっぷりに謎にかかわる姿がユニークで、とても面白い作品集です

アガサの多彩な才能を存分に感じることが出来るでしょう。
もちろん12編もありますので、その中にも特にお気に入りのもの、そうでもないもの(正直ですみません)もありますが、ミステリーの多様性に驚かされるのには違いがありません。
そして登場人物が個性的で富裕層からそうでもない人々まで書き分けられています。

アガサクリスティー初心者の方は、最初は、ポアロや、マープルを読み、その魅力にハマったところで、この短編集を読んでみるとより、奥深い魅力に気付けるのではないでしょうか。

もちろん、最初からこの短編集を手に取った方もいらっしゃるでしょう。
その方は、是非目次順に読んでいくことをお勧めします。
実にうまいこと、バラエティーに富んだ作品の中にすんなりと入っていけるような並び順だなと思うからです。
どちらかというとサスペンスよりミステリー作品の方が多い短編集ですので、怖いのが苦手な方にもおすすめ出来ます。

作品ごとの紹介

リスタデール卿の謎
 この短編集の巻頭を飾る作品。サクッと読めて大好きな作品です。
ちょっとだけ富裕層の特権意識が気になりますが(個人的に)登場人物の性格が憎めないように書いてあるので、主人公に感情移入できます。この、日本人にはなじみにくい名前”リスタデール”も”卿”も言いにくいし覚えにくいので、似たような題の『エッジウェア卿の死』と間違う可能性があります!全然違う作品ですけどね。
そちらは長編ですし名探偵ポアロの作品ですので、くれぐれもお間違いのないように!

ナイチンゲール荘
 これも大好きな短編です。『うぐいす荘』と全く内容は同じお話です。訳者が違う事と、出版社が違うという事だけと思われます。どちらの作品も好きで別のページで紹介しているくらい思い入れがあります。詳しくはそちらを参考にして下さいますように。

車中の娘
 放蕩息子というか、厳密には”甥”ですが、金持ちボンが出てきます。腹が立つほど脳天気です。
しかし短編ながらドラマチックでこんなコメディー映画ありそうかな?と、思う作品です。
というのは男の人が10人いたら8人くらいは夢に見るような、美女との出会いや冒険の話だからです。
話の筋とは関係ないですが出てくる執事が、魅力的です。出番が少ないのに実に小粋に書かれていて、この当時の執事というのは本当に気が利いていてシャレが効いていたのかも、と勝手に思います。私はどちらかというとこの執事に恋しそうです。

六ペンスのうた
 引退した弁護士の元に、かつての”青春”が訪ねてくるところからはじまります。過ぎ去った美しい思い出を連れてきて、無理やり事件解決に乗りださざるえません。事件自体は殺人ですし、悲惨なものですが、無事に解決できます。この話の面白さは、引退した初老の弁護士の男が、人生の”青春”を一瞬思い出し、しかし”今、現在”を最も愛していると確認するところでしょうか。

エドワード・ロビンソンは男なのだ
 これはお金持ちではない、現実をつつましく生きる男のロマンの話です。長く付き合ってる女友達がいて、婚約も近いかと思われるのですが、このまま結婚すると彼女の尻に敷かれるのは目に見えている。ある面ではしっかり者の彼女に惚れているのも事実なんですが、どうにも、このまま結婚するのは物足りない気がしている。そんな時に訪れる彼の運命の転機は?というお話。女の人はこれを読んで”全くしかたないなあ、男の人って!”と思うだろうと思います。

事故
 これは、この短編の中でもっともゾっとする話です。詳しくは言わない方が、いいと思うのであえて詳しくは触れずにいようと思います。

ジェインの求職
 これは現実をつつましやかに生きる若い女性が主人公の話。明日の食事もどうなるか分からない切羽詰まった状況の中、仕事を探さなきゃならないのに、なかなか見つからずにいたところに怪しげな求人広告が目に留まり、、、という話です。
ミステリー好きの人ならコナンドイルの『赤毛同盟』という小説を思い出すかもしれません。言っておきますが中味は全然違いますよ!
若い女性の就職活動のあるあるに、感情移入できてしまうので、そこからのあり得ない展開も許せます。

日曜日にはくだものを
 つまんないと感じている日常にスパイスがふりかかる話です。そんな感じのお話です。サクッと読めます。

イーストウッド君の冒険
 この話がユニークなのは”キュウリの話”をアガサが思いつくってところです。多分アガサ本人も小説のネタに困った事があるんだろうなと、思わずにいられないです。

黄金の玉
 小粋な題名をつけることに定評のあるアガサにしては、ピンとこない題名を付けたな〜と思いますが、想像もつかない展開になっていきます。ユーモア小説です。主人公に全く感情移入はできないけど(自分は)

ラジャのエメラルド
 これは自分的に大好きなお話です。胸がスカッとするような。身の置く場所で考え方が変わってくる話で、アガサは、富裕層の立場もそうでもない立場も実に簡単に描き分ける人だなと思います。そこが全く嫌味がないので素晴らしいです。

リスタデール卿の謎 (ハヤカワ文庫 クリスティー文庫 56(短篇集)) [ アガサ・クリスティ ]

価格:1056円
(2024/7/26 10:14時点)
感想(4件)



 
個人的な感想で紹介させていただきましたが、サクッと読めるユニークな作品が多い短編集なので
ポアロもマープルも出てきませんが、楽しめますよ!
是非読んでみてください(*´▽`*)



耳で聞くならこちらを♡




自分と周りに優しいイヤホンも

【日本語音声ガイド】 Bluetooth イヤホン 超軽量 空気伝導 ワイヤレスイヤホン bluetooth 5.3 骨伝導イヤホン 耳掛け イヤホン bluetooth 骨伝導 ワイヤレス イヤホン ブルートゥース 骨伝導 ヘッドセット 空気伝導 オープン イヤホン ランニング 2台同時接続 耳が痛くない

価格:3680円
(2024/7/28 07:52時点)
感想(241件)




耳の穴を塞がないから良いのです
IMG_20240728_062357~2.jpg
(充電中です)
IMG_20240728_062342~2.jpg

2024年07月25日

ひらいたトランプ 感想





ひらいたトランプ


agasa.png




このブログは
アガサクリスティーが好きすぎて
無人島になにを持って行きたいかと聞かれたら
「アガサクリスティーの本」と答えるくらいの熱量があります
この本のこの作品のココが好き
または
この本のこういう所が見所!
というのを紹介していくブログです
自分の独断と偏見で★を付けていますが完全好みの問題なので、皆様とは違う価値観かもしれません。
ご容赦願います


このブログの最初はこちら

ひらいたトランプ

ちらんぷ.png

ゾクゾク度        ★★★
何度も繰り返し読む度   ★★★
人物が個性的すぎる度   ★★★
無人島に持っていきたい度 ★★★

ひらいたトランプ (ハヤカワ文庫) [ アガサ・クリスティ ]

価格:1034円
(2024/7/25 16:00時点)
感想(10件)




エルキュール・ポアロが出てくる作品です。
(悪友の推理作家のオリヴァも出てきますよ)

ひらいたトランプという題名であるように、トランプのゲームが出てきてきますが、ババ抜きじゃないですよ!この作品は日本人にはなじみのないゲームが出てきます。

ルールは分からないけれど、トランプのゲームに登場人物が熱狂している描写が出てくるので、面白いゲームなのでしょう。賭け棒とか出てくるし、賭け麻雀に近いのかもしれません。

もちろん、そのトランプゲームが、事件の大事な要になってきますが、ルールを知らなくとも楽しめる作品です。”外国にはこんなトランプゲームがあるんだな”程度でいいので、読み進めて下さい。

実は小学生の時に読んだときは、こんなゲーム知らないなあ、という思いが強くてあんまり面白く感じなくて、むずかしいなあと思った作品でした。
でも大人になった今、読めば読むほどゾクゾクして面白い作品です。ゲームのやり方が問題なのではなくて、いろんな大人がいることの象徴でゲームが使われているんだと分かってから読むから今の自分はとてもこの作品が好きですね。

【中古】 ひらいたトランプ ハヤカワ文庫/アガサ・クリスティ(著者),加島祥造(訳者)

価格:363円
(2024/7/25 22:05時点)
感想(0件)





ネタバレなしの紹介

犯罪に関することを、コレクションして楽しんでいるという悪趣味なシャイタナ氏が出てきます。
その悪趣味が高じて、なんと殺人を犯してまだ捕まってない人を5人集めてカードゲームをする催しを開催するのです。(証拠はありません、ただシャイタナ氏が”知っている”だけなのですが)
とらんぷ.png

招待されたその中には5人以外の警察関係者も何人か集められていました。そのグループにはポアロとオリヴァがいました。シャイタナ氏は犯罪者達を警察関係者と一緒の場所に集めることで、犯罪者の苦しむ様を、密かに楽しんでいたのです。

そんな犯罪者たちをコレクションして楽しんでいた”シャイタナ氏”という嫌なヤツが結局殺されてしまうのですが、犯罪大好きなシャイタナ氏にとってはある意味本望かもしれません、ひどい話ですがそれくらい悪趣味な人なので仕方ないですね。
一緒にいたのは、アン・メレディス、ドクター・ロバーツ、ロリマー夫人、レイス大佐、デスパレート大佐の5人ですから、この中の誰かが犯人なのは確かなのです。

ひらいた.png

その人間性はさておき、犯人のトランプゲームの様子、ゲームのやり方には性格が如実に出ることを見事に表現しているアガサの人間観察の鋭さがすばらしいです。何回も言いますが、このトランプゲーム自体が分からなくても、大丈夫です、楽しんで読めます。

最後の最後まで全員怪しいし動機もあるのです。
私は何回も読んでますが、結末を知っててもやはり面白いです。
定期的に読みたくなる一冊なのです。


【トランプ】【BICYCLE】トランプ3種選んで2000円ポッキリ!【ネコポス送料無料(代引きNG)】

価格:2000円
(2024/7/25 22:06時点)
感想(12件)




ディズニー キャラクターズ ミニトランプ 25個入 { 景品玩具 トランプ 小さい 人気 キャラクター }{ 景品 おもちゃ 玩具 子供 子供会 お祭り 問屋 祭 夏祭り 夏まつり 縁日 露店 保育園 幼稚園 パーティー イベント お子様ランチ 配布 }

価格:1485円
(2024/7/25 22:07時点)
感想(0件)








ボードゲーム 犯人は踊る 鍋野企画 すごろくや 3人 から 8人 8歳以上 10分 テーブルゲーム アナログゲーム 探偵 推理 心理戦 定番 カードゲーム

価格:1620円
(2024/7/25 22:12時点)
感想(52件)


杉の柩 感想





杉の柩


agasa.png




このブログは
アガサクリスティーが好きすぎて
無人島になにを持って行きたいかと聞かれたら
「アガサクリスティーの本」と答えるくらいの熱量があります
この本のこの作品のココが好き
または
この本のこういう所が見所!
というのを紹介していくブログです
自分の独断と偏見で★を付けていますが完全好みの問題なので、皆様とは違う価値観かもしれません。
ご容赦願います


このブログの最初はこちら

杉の柩(すぎのひつぎ)
to9gw.png


愛憎の表現のロマンチック度 ★★★
最後のどんでん返し驚き度  ★★★
ポアロの冴えわたり度    ★★★
無人島に持っていきたい度  ★★★

杉の柩 ハヤカワ文庫 / Agatha Christie アガサクリスティー 【文庫】

価格:1034円
(2024/7/25 02:30時点)
感想(0件)




個人的に大好きな作品です!

どう見ても有罪としか見えない不利な状況下で
依頼を引き受けるポアロがカッコいい作品です。
依頼人にとって最初から不利な条件が揃っていて被告人の死刑確実の案件です。

ポアロの依頼人の希望は
殺人の罪で裁かれている途中の被告人エノリアを無罪にすること
なかなかな問題を抱える難しい依頼です。

被告人エノリアは、お金持ちで洗練されている聡明な美女です。
彼女は生まれたときから苦労をしたことがないお嬢様なのです。
彼女には幼い時から決められたロディーという婚約者がいるのですがエノリアはこのロディーをめちゃくちゃに愛しているのです。ロディーもエノリアと結婚することになんの不満もありません。
そのまま行けば、この二人は結婚したでしょう。
エノリアにとって何も心配は要らない未来が待っていたはずです。

しかし、いよいよそのロディーと結婚間際という時に
メアリーという若い女が現れ、ロディーを奪われてしまうのです。

そのにっくきメアリー・ゲラードは使用人の娘なのですが、特別に雇い主によって教育もバッチリ受けてきており、性格も可愛く、容姿もカワイイのです。
ロディが恋に墜ちても仕方がない可愛さなのです。

新しく登場したメアリーに愛しい婚約者のロディーが心奪われてしまう

しかも、ロディーとメアリーが結婚してしまったら、失恋どころかエノリアの財産も奪われかねないピンチな状態になります。
エノリアは表面的に冷静さを装いますが心の中は激しい嫉妬や憎悪が湧き上がっていきます。

まさにそんな時にメアリーがエノリアと一緒の時に毒によって死んでしまうのです。

エノリアには動機もある、機会もある、そして、なにより被害者を殺したいと思う感情が渦巻いたことを読者にも明確に匂わせているので、エノリアは犯人としてみられても仕方がないのです。
状況的に真っ黒黒なのです!

あい.png


しかし、そこに、エノリアに恋する男、ピーター・ロード医師が登場します!(ちなみにエノリアは何とも思ってません、何ということでしょう!)
ピーター・ロード医師が片思いのエノリアのために有名なポアロに無罪を証明してほしいと依頼することで、推理小説となっていくのです。なんと健気なピーターでしょうか。

まさに、愛の泥沼三角関係物語!

ポアロが登場して、すばらしいミステリーの幕が開きます。

最後の謎解きが裁判形式で進んでいくのも珍しいです。

トリックのヒントとしてはアガサの看護師時代の知識も出てきます。
ちょっと最後にバタバタとご都合主義の医療の知識を持ってくるところもありますが、それを吹き飛ばすぐらいのトリックに説得力はあります

そんな専門的なトリックはともかく
自分が感銘を受けたのは、この作品にちりばめられたアガサの愛に関するうんちくの言葉やセリフの数々です。
いろいろあったアガサですから(結婚、浮気、不倫、離婚、再婚など経験)説得力があるんです!

ポアロは一生独身ですが、アガサが書く主人公だからでしょうか?愛に関して決して、無頓着ではありません。自己愛が強い変人には書かれていますが、その根底には優しいポアロおじさんの顔があることを感じ取れるようなキャラクターなのは、さすがだなあと思います
おじじ.png

この作品の最後のポアロの台詞は、憎いくらいカッコいいです
これから読まれる方はそこも楽しみにしてください


sugi.png
耳で聞くならこちらを♡




自分と周りに優しいイヤホンも

【日本語音声ガイド】 Bluetooth イヤホン 超軽量 空気伝導 ワイヤレスイヤホン bluetooth 5.3 骨伝導イヤホン 耳掛け イヤホン bluetooth 骨伝導 ワイヤレス イヤホン ブルートゥース 骨伝導 ヘッドセット 空気伝導 オープン イヤホン ランニング 2台同時接続 耳が痛くない

価格:3680円
(2024/7/28 07:52時点)
感想(241件)




耳の穴を塞がないから良いのです
IMG_20240728_062357~2.jpg
(充電中です)
IMG_20240728_062342~2.jpg



posted by agata5 at 02:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 杉の柩

2024年07月24日

ヒッコリーロードの殺人






ヒッコリーロードの殺人


agasa.png




このブログは
アガサクリスティーが好きすぎて
無人島になにを持って行きたいかと聞かれたら
「アガサクリスティーの本」と答えるくらいの熱量があります
この本のこの作品のココが好き
または
この本のこういう所が見所!
というのを紹介していくブログです
自分の独断と偏見で★を付けていますが完全好みの問題なので、皆様とは違う価値観かもしれません。
ご容赦願います


このブログの最初はこちら

ヒッコリーロードの殺人

たわいない話かと思いきや奥が深い度  ★★★
登場人物が意外と死んじゃう度    ★★★
ポアロの秘書レモン様が出てきます度  ★★★
無人島に持っていきたい度       ★★☆ 

ヒッコリー・ロードの殺人 クリスティー文庫 / Agatha Christie アガサクリスティー 【文庫】

価格:1034円
(2024/7/24 00:42時点)
感想(0件)




この作品の舞台は、日本で言うところのシェアハウス、若い男女が共同で住むアパートのような住宅です。
寮母さんや管理人さん、食事も付いているので、寮とホテルの中間っぽい感じでしょうか。そこで寮母をしていたのが、あのポアロの優秀な機械のような正確さを持つ秘書のミスレモンの姉であることから、雇い主のポアロは相談に乗るという形で事件にかかわっていくのです。
登場人物も個性的で多国籍になり、アガサの感情の感覚で書いてるのか、わざとなのかかなり人物像に偏りがありますが身近に同じようなモデルの人がいたのではないかと思ってしまいます。

この作品の面白いのは意味のないと思われる靴の片方とか、聴診器とか、一見つながりがないものが、最後には一本の線で繋がるところです。
そのためには、盗まれたのもの持ち主のそれぞれの性格や特徴が合ってなくては疑問が出るのですがそこはアガサのこと、ばっちり表現しているので点と線がつながります。そこに矛盾がないのが素晴らしいです。

hikkori.png



ネタバレなしの紹介

ヒッコリーロードという番地にある、若い男女が住むシェアハウスで、色んな物がなくなっていきます。
靴の片方、リュックサック、化粧コンパクト、廊下と玄関の電球、など他愛のないものばかりなくなるのですが、そこの寮母として働いているのがポアロの秘書ミスレモンのお姉さんなので、様子を見に行く事になります。

初めて訪れるシェアハウスで、捜し物のなくなったはずの靴の片方を携えて現われるポアロは魔法使いのようです。

シェアハウスのみんなに、一瞬で”ただのおじサンではない”と思わせることに成功します

他愛もないことと思われていた数々の不可解な物達の紛失の意見を求められたポアロは『ただちに警察に連絡しなさい』と言い放ち、まさかそんなことを言われると思ってなかった住人は騒然とします。

”うそつきは泥棒の始まり”と言いますが、この作品は、『泥棒は凶悪犯罪のはじまり』と言いたくなるような作品でした

紛失事件は凶悪な殺人事件へ発展します

登場人物も多くそれぞれが個性的なので何回か読むたび魅力も新たに発見できる作品だと思います。

ちなみに、ヒッコリーという単語はマザーグースの一説にも登場しますがポアロが口ずさむところも出てきます。(本編とは関係ないのですがアガサはよくマザーグースを小説に登場させますね)




ここからは少しネタバレありです

この作品が好きなのはポアロの優秀な秘書ミス・レモンが事件を持ってくるところです。

ミス・レモンというのはポアロの完璧な秘書で事務的な処理については一切”失敗しない”のキャラなのです。
私はこのミスレモンのロボットみたいに正確なところ、ポアロも一目置くくらい優秀なところに憧れます!


ポアロはこの優秀な秘書を一体どのように見つけてきたのでしょうか
ただ
唯一の欠点は人間についての興味がないという点なのです。
そんな彼女がかかわる事件だというのが面白いなと思います。


ミス・レモンに実は姉がいて、姉の方は世話好きで人間に興味がありシェアハウスの管理人をしているというから、面白いのです。姉ハバード夫人はミス・レモンとは違って人間の世話を焼くのが好きなのです。

しかしそのシェアハウスで、不可解で不愉快な盗難事件が続いているため、悩んでいたのです。

ミス・レモンは自分の雇い主のポアロに相談したところ、ポアロは強い口調で『警察にすぐ行きなさい』と言います。すると驚くことにそれを聞いた住人のシーリア・オースティンが『私がやりました』とすぐに告白しに来るのです。

実は同じ住人の心理学に興味があるコリン・マックナブを振り向かせたいとやってしまった戯れだったのです。気軽ないたずらだったわけです。そのいたずら作戦が功を奏し、コリンとめでたく結ばれたシーリアだったのですが、ここら辺は目も当てられないくらい恋愛チックです。甘くて熱々で恋愛小説だったかな?と思ってると、そのシーリアが翌朝なぜか死体で発見されます。
kyuu.png

婚約して幸せの絶頂だったハズなのに、翌朝死体ですから大ショックの急展開過ぎます。盗んだいくつかは、弁償するという話だったのですが、電球やリュックサックについては知らない、もしくは言葉を濁します。そこらへんも、うまいなあと思うんですが、それが事件の謎の鍵になるのです。

結局は、寮を巻き込んでの犯罪の巣窟だったのです。ミス・レモンの姉は管理人をしてますがオーナーは別にいて、姉は犯罪には無関係でした。ですがオーナーのニコレティス夫人は犯罪に加担していたため、殺されてしまいます。(戸棚の酒瓶の秘密とか巧妙に書かれていますが割愛します)

最初から一番犯人らしくもあり、それで却って犯人らしくなかった住人が黒幕として、ポアロに最後にはあぶりだされます。本当に見事な話の組み立てです。

登場人物が皆、個性的で、ドラマにしたときそれぞれ俳優さんは誰がいいかな、なんて想像してしまう作品で面白い作品だと思います。

ちなみに、ポアロの別作品『死者のあやまち』の中に似たようなトリックが出てきます。どこが似てるかはこれから読む人のお楽しみとして言わないでおきます。

2024年07月23日

ハロウィンパーティ 感想







agasa.png


ハロウィンパーティ


このブログは
アガサクリスティーが好きすぎて
無人島になにを持って行きたいかと聞かれたら
「アガサクリスティーの本」と答えるくらいの熱量があります
この本のこの作品のココが好き
または
この本のこういう所が見所!
というのを紹介していくブログです
自分の独断と偏見で★を付けていますが完全好みの問題なので、皆様とは違う価値観かもしれません。
ご容赦願います


このブログの最初はこちら




ハロウィンパーティ



イギリスのハロウィンパーティーを感じてみよう度  ★★★
アガサの分身?!推理作家のオリヴァが出てくる度  ★★★
林檎林檎?カボチャじゃなくてリンゴ?度      ★★★
無人島に持って行きたい度             ★☆☆


はろうぃん.png



ネタバレ無し紹介

10月になると町中にカボチャやオバケの飾りが見られますが
この本の中には、イギリスの伝統的なハロウィンが出てきます

子どもを楽しますために地域の大人達があれやこれや用意したりしてる場面から始まりますので、日本で言う自治体の子ども会などで用意するお楽しみ会に近いのかなと思います。
そんなアガサの時代のイギリスのハロウィンの様子が分かるので、それも楽しみに読んでみても面白いかも知れません。
(でもよく言われる『トリックアトリート』”お菓子をくれなきゃいたずらするぞ!”のシーンは出てこないのですが、なぜでしょう?風習が違うのでしょうか)

名探偵ポアロと推理作家のオリヴァが出てきます。
晩年の方の作品になるので、作品中に過去に解決した事件の名前が出てきて懐かしくさせます。
(ポアロが”ヘラクレスの冒険”などについて思いをはせたりしてファンの心をノスタルジックにさせるんです)
スペンス警視が引退していて”元”警視で登場したりします。

ここで、推理作家のオリヴァについて説明しますと、
この女流作家は、アガサ自身をモデルにしてると言われる人物です
お茶目でおしゃべりで、林檎好きなユニークな存在でポアロの悪友です。
(本当にアガサはこんな感じの人なのかな?と、想像して楽しくなります)
オリヴァと林檎は 切っても切れない関係で
今までも散々オリヴァが林檎を食べるシーンが出てきます。
(ハロウィン、といえばカボチャのはずですが、今作はリンゴが目立っています)
波呂絵人.png

そして、この事件は人気推理作家のオリヴァがいるからこそ、起こる殺人だとも言えます。
そう考えたらある意味ひどい話です!

kabo.png


ちょっとだけネタバレ

ミステリーファンで推理小説をたくさん読んでる人なら、もしかしたらこのお話の中盤くらいで、犯人が分かるかと思います。

アガサにしてはとても珍しい単純なトリックです。(個人の感想ですよ)
とはいっても、それを思い付いて、矛盾のない内容にするのはやっぱりさすがだと思います。


事件としては人気推理作家オリヴァが、ハロウィンの子どもパーティーゲストとして呼ばれている所から始まります。
子ども達も楽しいパティーの途中でオリヴァが推理作家ということもあり自然に殺人事件の話になってしまい、その中の一人が『殺人を見た』と言うのです。
注目を集めたい子どもの戯言かと思われましたし、誰も本気にしないのですがハロウィンパーティーでなんとその子が殺されてしまうのです。

その子どもが言い放った『私は殺人を見た』という嘘とも本当とも分からない言葉が原因なのではないか、とオリヴァは気がつき、ポアロに助けを求めます。

そうなると子どもが見たという殺人は本当にあったのか?偶然なのか?なにか他の原因で殺されたのか?
ポアロは捜査に乗り出します。

実はその殺人が起こった村は、偶然にも昔一緒に事件を捜査していたスペンス元警視の終の住処なのです。(アガサファンとしては警察を引退してからも、ポアロと交流がある設定をうれしく思うでしょう)

ポアロはスペンス元警視から村人の情報を聞き出し、主要人物を訪ねて回りますが村人が一人一人、”こんな人いるよなあ〜”って人物描写が素晴らしいです。

子どもが殺される話だし、無人島までは持って行って読む感じではないので、★は少なめですが、素晴らしい文章力でゾクゾクする魅力がたくさんあります!

簡単に位箇条書きにするとこんな感じです

1.ポアロの旧友のオリヴァ、スペンス元警視が出てくる
2.アガサの時代のハロウィンの雰囲気が味わえる
3.美男美女が出てきます
4.前半の緩やかなストーリーから後半一気に解決に向かう時の緊迫の面白さ
5.終盤の殺人の瞬間をまさに見ているかのような臨場感の表現(ぞっとします)

【中古】 ハロウィーン・パーティ / アガサ クリスティー, 中村 能三 / 早川書房 [ペーパーバック]【メール便送料無料】【あす楽対応】

価格:234円
(2024/7/23 13:51時点)
感想(1件)






ちなみに2023年映画化された『ベネチアの亡霊』は『ハロウィーン・パーティー』の原作を元にして作成されたと言われていますが、別物となっています。オマージュ的な作品だと思います。
映画は別物として面白かったです。
感想は全然別のブログのところに『ベネチアの亡霊』簡単に書いています。

良かったらこちらもどうぞ

bene.png

「売り尽くし」オリエント急行殺人事件【洋画 中古 DVD】メール便可 レンタル落ち

価格:419円
(2024/7/24 19:40時点)
感想(0件)



ハロウィン ストリングライト LEDガーランド ガイコツの手 スケルトン led 20球 3m 光る 飾り 電池式 玄関 店舗装飾 イルミネーション 電飾 学園祭 ハロウィンパーティー ハロウィンイルミ

価格:1950円
(2024/7/23 13:49時点)
感想(0件)






2024年07月22日

招かれざる客 感想







agasa.png


招かれざる客


このブログは
アガサクリスティーが好きすぎて
無人島になにを持って行きたいかと聞かれたら
「アガサクリスティーの本」と答えるくらいの熱量があります
この本のこの作品のココが好き
または
この本のこういう所が見所!
というのを紹介していくブログです
自分の独断と偏見で★を付けていますが完全好みの問題なので、皆様とは違う価値観かもしれません。
ご容赦願います


このブログの最初はこちら


mane.png




アガサクリスティーのミステリー戯曲のひとつです。
題名が秀逸です!
ポアロやマープルのような有名な登場人物は出てこない戯曲ですが、ミステリアスに登場する主人公がばっちり読者をつかみます。
そして、主人公はおそらく美人ですが、男運が悪い!と、思ってしまうような展開に、私はつっこみまくりました!
ですが面白い!
そういう方向で読んでも、違った印象の楽しい作品になるかもなと思います。

戯曲としての面白さ    ★★★
ドラマティック度     ★★★
どんでん返し度      ★★★
人妻のドラマティック度  ★★★
無人島に持って行きたい度 ★★☆

招かれざる客 (ハヤカワ文庫) [ アガサ・クリスティ ]

価格:704円
(2024/7/22 12:24時点)
感想(2件)




ネタバレなしの紹介

この作品は戯曲、つまり舞台で上演されるのを前提とした作品です。
戯曲とは台本のようなシナリオなので本を開くと、舞台の配置図の記載があります。
そこで読み慣れてない人は『ん?』と思うでしょうが。大丈夫、十分面白く読めます!
長編ほどには時間がかからずサクッと読めますし
舞台としてどんな風に俳優が動くのかなとか、思ったりしながら読むのも楽しいです。

戯曲としては『ブラックコーヒー』というポアロの主人公のものがアガサの初めて書いた戯曲になりますが、この『招かれざる客』は、有名な登場人物はいない作品です。
つまりポアロなどの有名な探偵は出てきませんがすでに舞台でもヒットを飛ばしているアガサの腕は確かで、登場人物が無名であっても面白さ十分なのです。
そもそも、アガサは題名の付け方が抜群にうまいのです。
印象的な題としては『そして誰もいなくなった』『ABC殺人事件』『春にして君を離れ』などがあると思いますが、この”招かれざる客”も優れた題名だと思います。

manekarezaru.png

あらすじ

車の故障で困ってる男が、屋敷に助けを求めてくるところから始まります。
すると、なんとその屋敷の中には男の死体があり、その同じ部屋にいる美しい女性が『私が殺しました』と言い放つという、ドラマチックな始まりです。
そしてこの女性は死んでいる男の妻なのですが、なぜか偶然訪ねてきたこの男が、話を聞くうちに殺した女性に同情できる点があるとして、彼女を助けようとする話です。

ネタバレ少しあり

この作品の面白さは、観客をいかにロマンチックにだますか、ということを工夫している点かなと思います。アガサの作品は読者があっと驚くような仕掛けのミステリーが得意ですが、これはそれに愛憎劇が混じるのです。
突然現れた見ず知らずの男マイクル・スタークウエッターがやってきて、困っている美しい妻ローラを助けようとする、簡単に言えばその一部始終なのですが、そのやりとりが小粋でおしゃれというかなんというか、魅力的です。
お互いが一目惚れなんじゃ無いの?というくらい最初から二人っきりの掛け合いシーンが刺激的に続きます。大体、突然家を訪れたら人が死んでいて、傍らにたたずむ人が”私が撃ちました”とか言ったら、すぐに警察を呼ぶなり、捕まえるなりするものでしょう?相手がいくら美人でも怖いでしょうし!しかしそうはならない、なぜなら、いきなり恋に墜ちてしまったから!!と言わんばかりの冒頭の二人のやりとりなのです。キュンキュンきますね!

観客もそんなマイクル・スタークウェッターとローラの二人へ感情移入して同情的になっていくのだろうと予想されます。(そもそも、妻と言ってる時点で夫が死んでるとはいえ人妻にあらぬ心を抱くって道徳的にどうなのと思わなくも無いけど)そしていわば突然前現れたヒーローであるかのような彼のアリバイ工作、証拠隠しを観客は一緒に見ているので一幕終わる頃には”どうなるのだろう?犯人の女性を男は隠し通せるのだろうか”と引き込まれてしまいます。

しかし、だんだんと彼女の嘘が暴かれていき本当に彼女が殺したのか、それすらもわからなくなってくるのです。なにしろ、ローラには元々不倫相手がいるのです。なんということでしょう!
ほんとに人妻とはいえ、モテる人はモテるのね!とひがんでしまいたくなりますね(と納得させるほどにローラには魅力がなきゃいけません)
じゃローラは悪女なのか?と言われたら同情できる背景が用意されてるし、そんなに単純ではありません。さすがアガサは一筋縄ではいきません。
ローラは捕まるのか?と観客が思った頃にはまんまとアガサの罠にはまっているのです。
怒濤の後半の逆転劇にうなるしかない、そんな作品です。
あまりにロマンチックすぎるのでこの作品を読むシュチュエーションとして無人島に持って行くよりは、秋の夜などにお酒を飲みながら読みたいなと思う本です(個人的な感想です)エンタメとしてすばらしい脚本です。





ブラック・コーヒー【電子書籍】[ アガサ クリスティー ]

価格:1056円
(2024/7/22 12:48時点)
感想(0件)







ファン
検索
<< 2024年08月 >>
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
最新記事
写真ギャラリー
最新コメント
タグクラウド
カテゴリーアーカイブ
月別アーカイブ
プロフィール